無骨な筋肉マンのようなエクステリアデザインが人気なWRX STI、イカツさとスポーティさが強調されていてカッコいいですよね。「イカツすぎて引く」という人も中にはいますが、イカツイ車が好きな人にはたまらない車でしょう。
特にボンネットの「エアインテーク」が特徴的で、車に詳しくないと「何で穴空いてるんだ」と疑問に思い敬遠されがちです。空気を取り入れてエンジンの吸気や室内換気などが目的の穴なんですが、最近あまり見ませんよね。
人によっては「たまらない」車であり、また人によっては「よくわからない」車でもあるのがWRX STI最大の特徴です。そんな人を選ぶ車の特徴を、グレードごとに比較して紹介しましょう。
スバル WRX STI グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
STI | 3,866,400円 |
STI TypeS | 4,060,800円 |
WRX STIにはグレードが二つあり、その価格差は約20万円となっています。これは性能差というよりも、装備の差でしょうか。それにしては価格差が少し大きいので、足回りに独自の調整が加えられている可能性もあるかもしれませんね。

各グレードの特徴や違いを解説
価格差から想像を巡らせるのも楽しいですが、想像するだけでは何もわかりません。
各グレードの特徴を詳しく見ていくにあたって、装備内容の詳細は後に回して、先に性能や装備の特徴などの概要を語りたいと思います。ハイパフォーマンスカーですから、性能はとても気になりますよね。
STI
STIのエンジンは、1994ccの水平対抗4気筒DOHC16バルブ デュアルAVCSツインスクロールターボエンジンです。EJ20型という、スバルが誇るスポーツエンジンですね。
空冷インタークーラーターボというタイプのもので、大型クーラーを搭載しているため冷却効率がとても良いんです。
というエンジンに関する話はさておき、性能を見ましょう。
STIの最高出力は227kW/6,400rpmで、最大トルクは422Nm/4,400rpmです。数値を見るからに、やる気満々ですよね! ハイパフォーマンスカーとしての威厳が感じられます。見た目もイカツイですが、性能もイカツイ。
アクセルを踏んだ瞬間感じるのは、圧倒的なまでの性能の高さです。実用回転域では大きな余裕あるパワーと滑らかさを感じます。
3,000rpmを超えたところで、トルクが膨らむように向上していき、速度も上がる。これは、市街地より田舎で走らせたいですね。
4,000以上の回転数になると打ちひしがれるまでの気持ちよさを感じることができるんです。自然吸気とも違う、ディーゼルとも違う、どこか懐かしさを覚えるような贅沢なエンジンフィールに、血沸き肉踊ります。
アクセルを思い切り踏み込んだときの暴力的なまでの加速の鋭さと、それをマニュアル操作で操る感覚は現代の日本車においてなかなか味わうことはできません。
じゃじゃ馬なメカニックを操る感覚は、誰もが漫画やアニメで憧れた感覚そのものです。

STI TypeS
エンジン性能は変わりませんが、TypeSにはビルシュタイン製ダンパーが搭載されます。通常のダンパーと比べると乗り心地が硬めになり、段差での跳ねが少ないです。
スポーツ走行をしたいなら、断然このダンパーが搭載されている方が良いですよ。
標準は少し柔らかめですが、ナチュラルで誰にでも馴染めるようになっています。ビルシュタインはスポーツ走行をする人や、それに慣れている人にとっては良いですが、そうでない人にとっては「硬すぎる」という印象を受けるかもしれません。
標準とビルシュタインでは方向性が異なるのでここで「どちらのほうが優れている」とは言えませんが、STI TypeSはよりスポーティになっていると言えるでしょうね。

装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
二つのグレードの特徴を性能を基準として見てきましたが、それだけでは二つの違いがよくわかりませんよね。ダンパーにしか違いはないのか、もっと装備の違いがあるのではないのかと疑問点はまだ尽きません。
そこで、今度は装備を基準として各グレードの特徴を見ていきましょう。
なお、装備内容は下記PDFから抜粋しています。
https://www.subaru.jp/wrx/sti/content/spec/pdf/wrxsti_equipment.pdf
全グレード共通標準装備
- デュアルSRSエアバッグ
- SRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグ
- 運転席SRSニーエアバッグ
- アクティブ・トルク・ベクタリング
- ブレーキアシスト
- ブレーキオーバーライド(ブレーキ操作優先制御)
- セーフティフットレスト
- UV&IR(赤外線)カット機能付フロントガラス
- STIエンブレム付フロントグリル・サイドガーニッシュ
- フロントスポーツシート(ウルトラスエード/本革シート)
- リヤシートセンターアームレスト(カップホルダー付)
- 油圧式パワーステアリング
- アルミパッド付スポーツペダル(アクセル、ブレーキ、クラッチ、フットレスト)
- 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン
- チルト&テレスコピックステアリング
ハイパフォーマンスカーらしく、前席のエアバッグが充実していますね。エアバッグだけでなく予防安全装備もしっかり備わっています。
記載しませんでしたが、EBDなど当たり前のように搭載していて欲しい安全装備は、当たり前に装備されていますよ。
個人的に注目して欲しいのが、内装と操作系統です。特にスポーツシートには随所にレッドステッチとレッドアクセントが施されていて、スポーティさを強調しています。
STIロゴもしっかり入っていてなんだか嬉しいですし、素材が本革とウルトラスエードなのも良いですよね。
スバル車は内装が軒並み悪いと言われがちですが、WRXの内装は気合が入っているように思います。まず車内に入って運転席に座ると、センターメーターに車のシルエットが浮かび上がる演出がなんとも憎い!
基本的な質感もいいし、USBの口が二つあるのもいいですね。
そして何よりも、油圧式のパワーステアリングですよ。パワーステアリングと言えば電動が主流ですが、敢えて油圧式なのがメカニック感があって良いんですよねえ。
油圧式だとスポーティでストイックな感覚になって、それがWRX STIのエンジンフィールや運転感覚にマッチしているんです。
また、リアシートの居住性も抜群に良い……。ヘッドレストは上下可動式。リアシートの足元空間は、身長の高い人が最適なドライブポジションを取ったとしても、余裕があります。家族で遠出をするときにでも、快適に利用できるんです。
ハイパフォーマンスカーとして、とてもクオリティが高いですよね。
STI/TypeS装備比較
STI | TypeS |
---|---|
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先ほど語ったビルシュタイン製ダンパーやホイールの太さ以外だと、コールドウェザーパックや運転席10ウェイパワーシートが気になりますよね。コールドウェザーパックは、その名前の通り「寒いときに便利な装備・機能」です。
その中には、フロントワイパーデアイサーとフロントシートヒーターが入っています。
ワイパーブレードの凍結防止や解氷に役立つワイパーデアイサーに、シートを暖めてくれるシートヒーターがあれば、寒い時期・場所でも快適なドライブができますよね。
標準装備の違いはこれくらいですが、オプション装備もSTI TypeSのほうが充実しています。たとえば、TypeSではRECARDフロントシートや完全な本革シートを装備させることが可能です。
その場合、運転席10ウェイパワーシートに加えて、助手席8ウェイパワーシートも搭載されますよ。

各グレードの評価 こんな方にオススメ!
性能と装備から各グレードの特徴を見てきて、特徴は出揃ったと言えるでしょう。これでグレードを選ぶだけの材料が揃ったということで、今度は各グレードがどんな人にオススメなのかについて考えてみたいと思います。
独断と偏見も混じりますが、同時に各グレードの評価もしますよ。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
STI | ☆☆☆ | あまりスポーツ走行をしない人へ。 |
TypeS | ☆☆☆☆☆ | スポーツ走行がしたい人へ。 |
STIの評価
ベースグレードでも装備は十分揃っていて、二つのグレードの装備の違いは乏しいです。
足回り以外で大きな装備の違いと言えばパワーシートの有無くらいですが、それだけでTypeSを選ぶ理由にはならないでしょう。手動でも調整はできますしね。
それならどこで選べばいいのかというと、ビルシュタイン製ダンパーが必要かどうかです。先ほど述べたとおり、スポーツ走行をするならあったほうが良いでしょう。足回りが硬くなるので、加速時の安定性と快適性が向上します。
ただ、その分市街地走行など実用域では快適性が下がるんです。だから、スポーツ走行をしないならベースグレードのほうが快適でしょう。
STI TypeSの評価
スポーツ走行を少しでも考えているなら、TypeSを購入したほうが断然良いです。足回りの硬さはスポーツ走行をする上では欠かせない要素と言えます。高速走行時の安定性も高いですし、高速走行時の衝撃も少なく快適です。
高速道路でスピードを出していると、ベースグレードでは大きく揺れてしまいます。ビルシュタイン製ダンパーだとスピードを出しているときの衝撃が少ないので、快適です。
高速道路の利用頻度をグレードを選ぶ基準にするのも、良いでしょうね。
また、オススメ度がベースグレードよりも二つ上になっています。この理由は、「やっぱりSTIに乗るからにはスポーツ走行しないと損」だと考えたためです。
STIはハイパフォーマンスカーですから、マニュアル操作で一体となって加速していく感覚を味わわなければ、損ですよ。
スバル WRX STIの総合評価
WRX STIは、近年稀に見る特徴を持った車です。MT車ということもそうですし、水平対抗でエンジン上部にインタークラーを設置し、ボンネットにエアインテークが空いているというのも近年なかなか見ません。
エアインテークは、国内ではスバル車くらいですよね。
無骨なデザインのエクステリアに、無骨なエアインテークというのがスバルらしいです。ハイパフォーマンスさを見た目から理解させるための、アイコン的な役割もあるのでしょうね。
近年よく見る他の車とは全く異なる加速感覚に運転フィールの贅沢さ、絶滅危惧種的なMTとエアインテーク。圧倒的な性能の高さ。
どれをとって見ても、WRX STIはスバルのハイパフォーマンカーに対する志の高さと、変態的なまでのこだわりを感じる良い車です。
 
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