国産高級車と言えばクラウン、クラウンと言えば国産高級車。クラウンという名前から思い起こすとおり「王冠」そして「王様」のような威風堂々としたスタイルと走り心地と高級感が人気の、言わずと知れた車ですね。
大きな王冠マークが付いているところが「クラウン」という感じがして、見ただけですぐそれとわかります。
都市部で近年よく見かけますよね。
トヨタが本気を出している車で、幅広い年齢層にも対応できることからよくクラウンを見る。ただ、クラウンロイヤルはあまり見ないんですよね。他のシリーズに流れている印象があります。
そこで、クラウンロイヤルも魅力的だということをアピールすべく、グレードごとに比較する形でこの車の魅力や特徴に迫ってみましょう。
トヨタ クラウンロイヤル グレード表
グレード名 | 価格 | 価格(i-Four) |
---|---|---|
2.5ロイヤル | 3,812,400円 | 4,093,200円 |
2.5ロイヤルサルーン | 4,476,600円 | 4,703,400円 |
2.5ロイヤルサルーンG | 5,221,800円 | 5,459,400円 |
クラウンロイヤルということだけあって、価格は決して安くはありません。これより高いシリーズもありますが、安いシリーズも多いです。
最低価格と最高価格の差をi-Four以外で見てみても、約140万円とグレード三つにしては大きい印象を受けます。
「これだけ価格差が大きいんだから、どれだけ違いがあるんだ」とワクワクしませんか? ただ、個人的には同時に全てのグレードが「2.5ロイヤル」という名前であることから装備以外の違いはないのかと少し残念な気持ちも沸いてきます。
そこで、これからじっくりと各グレードの特徴や違いを見ていきましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
グレード名の最初に同じ数字が付いていると性能が同じという傾向がありますが、実際にその通りかどうかは中身を見ないとわかりません。
装備はもちろんグレードごとに異なるのですが、装備内容を詳しく見る前に「こういう装備がある」ということがある程度わかっていれば、比較もしやすいですよね。
そこで、まずは各グレードの特徴や違いを簡単かつ総合的にまとめてみました。
2.5 ロイヤル/2.5 ロイヤル i-Four
冒頭に予想した通り、また傾向通りクラウンロイヤルは全グレード通して同じエンジンを搭載しています。2.5LのV型6気筒DOHCエンジンで、最高出力は149kW/6,400rpm、最大トルクは243Nm/4,800rpmです。
グレード名の最初に付いている数字は、総排気量そのままということになります。
高回転型エンジンですが、エンジンはスムーズに回転していくので低速でも特に問題ありません。低速域から最大トルクに近いパワーを出すことはできませんが、それでも余裕を感じさせるほどのパワーがあります。
踏み込むとエンジンが回り、力強さをバリバリ感じますし、吹き上がりも良好です。国内走行に合わせて作られているということを実感させられますし、トヨタの本気を感じられます。
ベースグレードということもあって装備や内装の豪華さは他グレードに劣りますが、性能は申し分ありません。足回りはどのグレードでもそれほど大きな違いはなく、走行面での完成度は上位グレードにも負けないでしょう。
また、i-Fourというのが気になっている方がいるかもしれませんが、i-Fourは単純な4WD車です。それ以外の違いは特にありません。
2.5 ロイヤルサルーン/2.5 ロイヤルサルーン i-Four
性能が全グレード共通だと先ほど述べましたが、性能だけでなくボディサイズも共通しています。それではどこが違うのかというと、やはり装備です。
メカニズム関係がベースグレードより強化されていたり、「ナノイー」が搭載されていたり、運転席8ウェイパワーシートが装備されていたりと安全性・快適性の両方がパワーアップしています。
ただ、リヤシートが一体固定式となっているなどベースグレードとの共通点も多いです。そういったところに不満を持ち出してくると、ロイヤルサルーンGが選択肢として現れてくるわけですね。
2.5 ロイヤルサルーンG/2.5 ロイヤルサルーンG i-Four
上位の物には「G」を付けたくなるのが、日本人の性というものでしょうね。車のグレード名でも多くに当てはまりますし、ゲームでもGを付けると上級感が出たりします。ロイヤルサルーンGも、その名前にあるとおり「上級」。
インテリジェントAFSやマイコンプリセットドライビングポジションシステムなどなど、ロイヤルサルーンGにしか搭載されない装備や機能が多いです。
ロイヤルサルーンとの間に地味な違いから大きな違いまでたくさんの違いがあり、価格差が大きいのにも納得がいきますよ。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
クラウンロイヤルは、各グレードの違いが装備だけということでした。トヨタ車はある程度性能を統一させて極力装備に違いを集中させ、選びやすくする傾向があるので、クラウンロイヤルもそのトヨタの慣例に則っているのでしょう。
トヨタ車は装備を見ないと違いがわからないということで、これから装備を詳しく見ていきますよ!
なお、全ての装備を閲覧したい方は下記PDFをご参照ください。
http://toyota.jp/pages/contents/crownroyal/003_p_005/pdf/spec/crownroyal_equipment_list_201608.pdf
全グレード共通標準装備
- VDIM[EBD付ABS&VSC&TRC&EPS](ベースグレードは4WD車のみ)
- Bi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)
- Toyota Safety Sense P
- SRSエアバッグ各種
- 215/60R16 95Hタイヤ+16×7Jアルミホイール(シルバーメタリック)&センターオーナメント
- DRAMS[駆動力統合制御システム]
- ドライブスタートコントロール
- エアロスタビライジングフィン
- デュアルエキゾーストテールパイプ
- オプティトロンメーター(メーター照度コントロール付)
- TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
- ステアリングスイッチ(オーディオ・DISP・音声認識・ハンズフリー通話・レーダークルーズコントロール・レーンディパーチャーアラート)
- シーケンシャルシフトマチック
- 左右独立温度コントロールフルオートエアコン(花粉除去モード付)
- トヨタマルチオペレーションタッチ(5インチ)
クラウンロイヤルの安全面は、Toyota Safety Sense PとSRSエアバッグに委ねられています。そこに足回りの機能としてVDIMを加えてより安全性が増すといったところです。VDIMは安全にも関与しますが、一番は走り心地でしょう。
VDIMは少し後に説明するとして、まずSafety Sense Pの内容について説明します。
よくある装備なので細かくは書きませんが、プリクラッシュセーフティシステムとレーンディパーチャーアラート、そしてレーダークルーズコントロールが全グレード標準装備です。
アダプティブハイビームだけはロイヤルサルーンGのみの搭載となっています。
また、SRSエアバッグを「各種」と表現しましたが、これには以下の物が含まれているのです。
- 運転席・助手席エアバッグ
- 運転席ニーエアバッグ
- 前席サイドエアバッグ
- 前後席カーテンシールドエアバッグ
これだけあれば、もしものときでも安心ですよね。しかもロイヤルサルーンGだとさらに増えるというのですから、驚かされます。
さて、先ほど少し述べたVDIMについても軽く説明しましょう。[]にさまざまな機能が書かれていて、ベースグレードでは4WD車のみとなっていますね。ベースグレードの2WD車には、[]の機能からEPSを抜いたものがそれぞれ搭載されています。
VDIMは簡単に言えばそれら全ての機能を「統合」して管理、コントロールする司令塔です。統合制御するため、それぞれ独立して存在するよりも効率よく、効果的にコントロールすることができます。
統合制御というところで言うと「DRAMS」も、駆動力を統合制御するシステムということでエンジンやブレーキの協調制御がよりハイクオリティになりました。
ドライバーの要求するトルク配分を行うことで制動力含め走行性を良くするためのシステムで、クラウンロイヤルの走り心地が良いのはこのシステムの恩恵が大きいのでしょう。
その他、個人的にグっと来るのは「デュアルエキゾースト」とシーケンシャルシフトマチックですね。ドライバーのテンションを上げる工夫がしっかりされていて、運転していて楽しいでしょう。
2.5 ロイヤル装備、特徴、異なる点
- カラード アウトサイドドアハンドル
- UVカットフロントドアグリーンガラス
- UVカットリヤドア・バックウインドウガラス
- LEDサイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー(通常仕様)
- 4灯LEDハイマウントストップランプ
- 防眩インナーミラー(手動)
- デジタルクロック(GPS補正機能ナシ)
- チルト&テレスコピックステアリング(マニュアル)
- 運転席6ウェイマニュアル、助手席4ウェイマニュアルシート
- スマートエントリー&スタートシステム(フロントドア&ラゲージドア)
- オーディオレス(6スピーカー/カバーレス・センタートレイ<ゴムマット>付)
他のグレードと全く共通しない装備を挙げましたが、これらの装備は全て上位グレードに「上位互換装備」が存在します。そして、それらは全てロイヤルサルーンで上位互換に繰り上がるんですよ。
たとえば、ハイマウントストップランプは6灯になるし、デジタルクロックはGPS補正機能が付きます。チルト&テレスコピックステアリングは電動になり、スマートエントリー&スタートシステムは全ドア対応になる。
どれも基本的で需要の多い機能や装備ですが、その需要の多い部分が全てロイヤルサルーンから上位になるということで、どうやらロイヤルサルーンのコストパフォーマンスが高そうですよね。
高級車であまり「コスパ」という言葉を出すのも無粋かもしれませんが、ベースグレードはどうしても装備が手薄に感じてコスパが良いとは感じられません。
しかもロイヤルサルーンからは、T-Connect SDナビゲーションシステムも付きますからねえ。
ただ、快適性をあまり気にしないのであればベースグレードで十分でしょう。ナビは後から付けることもできますし、ナビだけ欲しくてロイヤルサルーンを買うのは少し割高です。
ここで挙げた装備は快適性を求めるものがほとんどですから、それを求めないならベースグレードで良いわけですよ。
走り心地や走行性能はグレードごとでほとんど変わらないので、後は快適性をどれだけ高めたいかでグレードを選ぶことになるでしょうね。
2.5 ロイヤルサルーンと、2.5ロイヤルサルーンGの違い
2.5ロイヤルサルーン | 2.5ロイヤルサルーンG |
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ロイヤルサルーンG、圧倒的! 惹かれる装備がいくつもあります。上から気になるところを順を追って見てみましょう。
個人的にまず気になるのが、インテリジェントAFSです。これは安全技術のひとつで、夜道でのコーナリングで曲がる方向をしっかり照らしてくれる機能となっています。
ステアリングの切れ角や車速度を感知して、そこから照射方向を計算し、曲がる方向に向けているという仕組みです。これによって夜間での視認性がアップして、安全に夜間ドライブを楽しむことができます。
次に気になったのが、リヤセンターアームレストです。
カップホルダー付というところまでは良くあるので「当然だな」という感じですが、各種コントロールスイッチ付というのが魅力的ですよね。スイッチが付くだけで、なんだか近未来感が出て、リヤシートなのにコクピット感が演出される。
痺れる、グッときます。
シートの機能というところで言うと、「マイコンプリセットドライビングポジションシステム」もいいですよね。
シートポジションを3つまで記憶させることができ、それを自動ですぐ再現できるという機能です。3人の運転手がいても、それぞれの最適なドライビングポジションが取れるのが利点。
また、運転手がひとりでも「今はこっちのポジションのほうがいいな」と3種類使い分けることで、より運転を楽にすることができますよ。
パワーイージーアクセスによって、ドアの開け閉めをするだけで乗り降りしやすいように運転席が動いてくれるところも、快適でいいですよね。
このように、ロイヤルサルーンGの装備を見ていると、運転手も乗員も全員が快適な車内環境が作られていることがわかります。
クラウン「ロイヤル」の名に相応しい、ロイヤルな仕様と言えるでしょう。そして、「G」と言うにも相応しいですよね。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
性能・装備と各グレードの特徴を通して、クラウンロイヤルの特徴に迫ってきました。全車標準装備がとても多く整っていて、グレード別装備もしっかり用意されていて「これが高級車の風格か」と思わされますよね。
ロイヤルだから室内装備も豊富だし、とても魅力的。
グレードごとに違った魅力があるのも、また良いですよね。
今度はその「魅力」を、各グレードごとにまとめてみたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
2.5ロイヤル | ☆☆☆ | 快適性にはこだわらない方へ。 |
2.5ロイヤルサルーン | ☆☆☆☆☆ | 快適性にこだわり、価格とのバランスの良さを求める方へ。 |
2.5ロイヤルサルーンG | ☆☆☆☆ | 予算に糸目を付けないから快適性を追求したい方へ。 |
2.5 ロイヤルの評価
快適性の高い装備はロイヤルサルーンから一通り揃いますが、2.5ロイヤルでは不足感が否めません。
電動と手動では大きな違いがありますし、その他の所でも快適性という面では2.5ロイヤルは圧倒的に他と劣ります。そのため、快適性にこだわる方には合いません。
ただ、そこにあまりこだわらないなら、これ以上無いグレードです。
走行性能は基本的に変わらないし、足回りもほとんど変わらないので快適性を考えなくても良いという方はこれより上のグレードを選ぶ意味が無いんですよね。
そういう意味で、このグレードは唯一無二と言えるでしょう。
2.5 ロイヤルサルーンの評価
快適性にこだわりたいけど価格とのバランスも探りたい、それほど予算がかけられないという方にオススメなのがロイヤルサルーンです。
最も価格と装備のバランスが良いグレードではないでしょうか。ロイヤルサルーンGも装備がとても豊富になるためバランスは保たれていますが、やはり価格が高いですよね。
400万円台と500万円台の壁は厚い。
ロイヤルサルーンで、需要の多い快適装備は一通り揃うわけですから、無理をしてまでロイヤルサルーンGを選ぶ必要が無いわけです。
ロイヤルサルーンGは「どうしてもこれがいい!」という方が選ぶに相応しく、「G一択」という方以外にはオススメできません。
ある程度万人にオススメできるのは、ロイヤルサルーンだけです。
お、これまた唯一無二ですね。
2.5 ロイヤルサルーンGの評価
「これでなきゃダメ!」という方にしかオススメできないと先述しましたが、本当にその通りでロイヤルサルーンGは「金は関係ないんだ、快適性を極めたいんだ」という方にこそオススメです。
そういう方は装備を見た時点で、迷うことなくこのグレードを選んでいるでしょう。
そう、唯一無二なのだから。
クラウンロイヤルの総合評価
クラウンロイヤルは、「高級感」が圧倒的ですよね。クラウンにも300万円台で少し低めの価格帯のシリーズがありますが、そこと比べるとロイヤルの高級感と完成度の高さには驚かされます。
もちろんそれらのシリーズも価格帯と比べると完成度が高いのですが、クラウンロイヤルはまさに高級車といった威厳があるんです。
それでもこれより上のシリーズがあるということなので、驚かされますよね。「まだ上があるのか」と。
高級車らしさも随所に感じられますが、グレード別に特徴を見て強く感じるのはトヨタらしさですね。グレードごとに「唯一無二」といった役割を持たせるのがうまいのが、トヨタ。クラウンロイヤルも全グレードとも唯一無二のグレードに仕上がっています。
各グレードを選ぶのに、そう時間はかからないでしょう。
後悔しない選択が、できるはずです。
 
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