「2シーター」「コンパクト」「クーペ」三つの特徴を全部合わせたら何が出来るか。スマートフォーツーが出来ました。コンパクトタイプの車で2シーターという漫画のようなスタイリングが、何度見ても可愛くてときめいてしまいます。
高級感バリバリの他のベンツを見てからフォーツーを見ると、思わず恋に落ちてしまいそうなときめきを感じるんです。
ベンツという高級感のおかげで、何度でもフォーツーに恋が出来る。
このような調子で、見た目から興味を持って購入を考えているという方はかなり多いのではないでしょうか。可愛らしい見た目とベンツというブランドのギャップは、確かにとても魅力的でそれだけで購入する価値があると思わされます。
しかし、フォーツーの魅力は見た目だけではありません。性能や質感などにも魅力が詰まっていますし、グレードごとに魅力や特徴は変わりますよね。
そこで、フォーツーの魅力や特徴について紹介しましょう。
目次
メルセデス・ベンツ smar スマートフォーツー グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
エディション2 | 2,010,000円 |
ターボ | 2,260,000円 |
ターボとエディション2と二つのグレードがあり、二つの価格差は25万円です。グレードが二つだけとしてはそれなりに大きな価格差に感じられますが、ベンツということを考えれば納得もできるかなといったところでしょうか。
それにしても、価格を見ていると妙な安心感がありますね。日本車と比べるのは無粋ですが、国内の車と比べて手が出せない金額ではありませんし、それどころかこのくらいの価格は国内でよく見ます。
現代日本人の金銭感覚から乖離していないところが、良いですよね。
ただ、25万円という価格差にはどのような違いが込められているのかが気になるところです。それをこれから見ていきましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
スマートフォーツーの価格について見てきましたが、価格を見るだけでは何もわかりませんよね。性能や装備などを見てこそ車のことを理解することができるというものです。装備は後で詳しく述べるとして、まずは性能などから説明していきます。
エディション2
まずこのエディション2ですが、特別仕様車にあたる位置付けの車です。限定モデルとなっていて、2017年4月現在公式によると新車はすべて完売しています。中古市場に出回るか、再販されるかを待つことが前提となっているので気をつけてください。
エディション2は、4つの限定カラーを売り出すためのモデルです。
限定カラーには大きく分けてブラックインテリアとホワイトインテリアの二種類があり、それぞれの二タイプのエクステリアカラーが設定されています。合計で四カラーというわけですね。
ブラックインテリアには、「ラリーレッド(ソリッド)×ホワイト」「クリスタルホワイト(ソリッド)×ホワイト」の二種類が設定されています。これは「ボディカラー×トリディオンセーフティセルカラー」ということです。
情熱を感じさせながら可愛らしさ溢れる赤白に、洗練された印象を受けるダブルホワイト。
変わった色が欲しいということならレッド×ホワイトのほうが良いかなと感じます。ダブルホワイトは清廉潔白でいいのですが、悪く言えば華がありません。限定カラーモデルと言うにはあまりにも地味な気がしてしまいます。
そして、ホワイトインテリアには「イエロー(メタリック)×ホワイト」「ディープブラック(ソリッド×ホワイト」の二種類が用意されているんです。これはどちらも白いトリディオンセーフティセルがアクセントとなっているようで、可愛らしいですよね。
ターボ
DOHC直列3気筒ターボエンジンを搭載したターボ車です。エディション2は限定モデルでしたが、ターボは通常のラインナップモデルとなっています。
インテリアの仕様を「ブラック(ファブリック)」「オレンジ(ファブリック)」「本革(ブラック)」から選ぶことが可能で、それぞれにいくつかボディカラーが設定されているのが特徴です。
本革だけは素材が変わってしまうために有償オプションですが、ファブリック素材の色は無償で選ぶことができます。
問題の性能ですが、最高出力は66kW/5,500rpmで最大トルクは135N・m/2,500rpmです。エディション2は公式ページなどにカタログ掲載が無いためにわかりづらいですが、最高出力52kWで最大トルク91N・mと言われています。
2,500rpmで最大トルクが発生するということで、発進してすぐからでも分厚いトルクを得ることができるというのがターボ最大の利点です。低速でもトルクには余裕があるので、坂道を登りやすい。平坦な街中ならまず問題なくスイスイと走っていきます。
最小回転半径3.3メートルという取り回しの良さはノンターボと変わらず、とても小回りがよくきくところも好印象。そして低速域を抜けてからの爽快感と気持ちよさは、他ではなかなか味わうことができません。
ノンターボはハッキリ言って走行性能面でやや不評だったのですが、ターボ車はその弱点を難なく克服してくれています。ターボ車をラインナップモデルとして通常販売した意味が、なんとなくわかるような気がしますよね。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
装備内容を後回しにしてしまいましたが、グレード選びは性能・デザイン・装備全てを理解してこそですよね。お待たせしました。スマートフォーツーにはどのような装備が搭載されているのかについて、これから語りますよ!
全ての装備を閲覧したい方は、下記カタログをご参照ください。
http://www.smart-j.com/catalog/fortwo/ebook/turbo/
全グレード共通標準装備
- ESP
- トリディオンセーフティーセル
- インテグラルセーフティシート
- SRSエアバッグ(運転席・助手席)
- SRSヘドソラックスサイドバッグ
- クロスウインドアシスト
- パークトロニック(リア)
- LEDガイド付ヘッドライト(オートライト機能付)
- 上下分割式テールゲート(収納付)
- センターアームレスト
- リーディングライト
- コクピットクロック&レブカウンター
- シートヒーター[運転席・助手席]
- クルーズコントロール
- ティップシフト
低価格帯でも、安全面にこだわるメルセデスの姿勢は変わっていませんね。セーフティ関係の装備がとても多いです。トリディオンセーフティーセルという剛性を高めるものから、もしものとき活躍するSRSエアバッグまで様々なものが用意されています。
トリディオンセーフティーセルや、インテグラルセーフティシートはスマートシリーズ特有のものです。前者はエクステリアの色のアクセントになるだけでなく、衝突安全性を高めるための装備でもあります。
デザインに良い影響を与えていて、なおかつ安全にも影響をしているというところがグっと来るグッドポイントですよね。
セーフティシートは背もたれがヘッドレストと一体型になっていて、背もたれ全体を強化スチール製のフレームが支えています。これらの特徴によって、後方からの衝撃を吸収することが可能です。
こういうセーフティセルやシートって、なかなか他の車では見られませんよね。「凝ってるなあ」と感じさせられます。
また、200万円の価格帯としては珍しくリーディングライトが付いているところも憎らしいです。思わず指を鳴らしたくなります。高級車特有の装備なので、使う・使わないに関わらず付いていると嬉しいですよね。
シートヒーターやアームレストなど、快適性も高いです。快適装備で言えばオートライトやレインセンサーなど、街中を走行するにあたって欲しい快適機能が揃っているところも嬉しいですよね。
ただ、ひとつ難点を挙げるならシフトがティップシフトという点でしょうか。
通常のCVTともMTとも違った、擬似シーケンシャル操作ができるタイプのシフトです。プラスマイナスで操作が出来るため、ATでも自分で操作している感覚が味わえますが、あまり評判は良くありません。
珍しいところは魅力的かもしれませんが、操作性が決して良くはないんですよ。プラスマイナスで擬似的にシーケンシャル操作が出来るということなら、パドルシフトのほうが扱いやすいです。
慣れてくるとうまく扱えるかもしれませんが、それまで少し戸惑うかもしれませんね。
エディション2・ターボ装備比較、異なる点
フォーツーターボはカタログが掲載されていますが、エディション2は掲載されておらず装備等の記述は特にありません。装備内容はターボ車と変わらないものと考えられます。変わるのはエンジン性能とカラーリングだけです。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
ここまで各グレードの特徴を見てきましたが、スマート フォーツーは各グレードの違いがわかり易いようでわかりづらいですよね。カラーリングの違いや性能の違いがありますが、装備は同じ……。だとすれば何を選ぶべきかは、もうほとんどの方は決まっているのではないでしょうか。
ただ、今一度改めて各グレードの魅力と評価をお伝えし、どんな方にオススメなのかについてまとめてみたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
エディション2 | ☆☆ | 限定モデルの特別感を欲している方へ。 |
ターボ | ☆☆☆☆☆ | フォーツーが欲しい全ての方へ。 |
エディション2の評価
全国台数限定モデルで、しかも既に完売しているというプレミア感が魅力です。性能がターボより下がりますが、カラーリングは唯一無二。その限定感から、エディション2はあれよあれよと売れていきました。
今後もまた発売されるかもしれませんし、されないかもしれない…。
スマートフォーツーの歴史からすると、また限定販売という形で復活することでしょう。
ただ、今すぐ購入というわけにはいかないのがもどかしいですよね。
そこがかえって所有欲を刺激しますが、何かモヤモヤとするものがあります。中古に出回ったとしてもまたすぐ売れてしまうでしょうし、苦労して手に入れてもターボより性能が下がるのがネックです。
車を完全に見た目で選ぶという方には、良いでしょうが、それ以外の方は選択肢にすら入らないでしょう。
ターボの評価
現状スマートフォーツーを購入するなら、ターボ車が一番手に入れやすいです。性能もノンターボの弱点を補う形で向上しており、日本国内なら十分走りを楽しめます。特に平地でまっすぐな道が多い郊外において、その真価を発揮するでしょう。
低速トルクは実用性たっぷりですが、そこから抜け出してこそフォーツーは「遊びの道具」ではなく「遊び」になり得ます。
実用性が薄いのが難点ですが、そもそも実用性を気にするならフォーツーは買わないでしょう。2シータークーペは、日本では余程車遊びが好きでなければ手が出ませんよね。
ただ、車遊びが好きな人にはとても魅力的な一台ですよ。
市街地での通勤や買い物には必要十分な室内の広さと走行性能があり、何より取り回しやすいから市街地走行に向いている。普段使いができて、なおかつ週末にちょっと郊外のほうにまで走りに行きたくなるような性能の余白があるというところがとても魅力的です。
「市街地だと余裕があるな……よし、今週末限界を試しに行ってみよう」と走りたいという欲求を高めてくれます。ザ・遊びの車です。
smart フォーツーの総合評価
フォーツーは魅力的なんですが、なんだか惜しいなと言わざるを得ません。これまでターボ車を散々褒めてきて、フォーツー自体を面白い車だと言っておきながらなんだと思われるかもしれませんが、どうしてもそういった感想を抱いてしまうのです。
2シータークーペでさらにコンパクトというのは全国的に需要が限られるのかもしれませんが、ノンターボが非ラインナップモデルというのは隅に追いやられすぎな気がします。
せめて手に入れやすくラインナップ化したノンターボモデルをひとつ設定して、ターボの有無を選べるようにすれば取っ付きやすくなるのではないでしょうか。
プレミア感も魅力的ですが、普遍的な手に入れやすさも必要ですよね。
ターボ一択となってしまっているのが残念です。
ただし、車としてはとても魅力的。これまで語ってきたように「遊びの車」として、他所では見られない特徴がフンダンに盛り込まれているところが好印象。中途半端に実用向けの要素を入れないところが、清清しさと潔さを感じさせます。
 
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