シティドライブをする楽しさを追求しているシティコンパクト「スマート」ですが、ブラバスはその中でも「究極のモデル」とうたわれています。
そもそもブラバスというのは、ベンツ全般のチューニングをしていて、なおかつ自動車メーカーとしても名高い会社なんですよね。
それがメルセデス・ベンツと共同で「smart-BRABUS社」を立ち上げたのが、この車の始まりです。
メルセデスの次にベンツを知り尽くしているのではないかという会社とのコラボレーションですから、そんなの最高に決まってますよね。究極と銘打つのも頷けます。
そんなスマートブラバスはどのような車か、どんなグレードが設定されているのか、知りたくありませんか? 「知りたい!」というあなたのために、スマートブラバスのグレードの特徴を徹底的に紹介しましょう。
目次
メルセデス・ベンツ smart スマートブラパス グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
フォーツー エクスクルーシブ リミテッド | 2,970,000円 |
フォーフォー エクスクルーシブ | 3,120,000円 |
フォーフォーエクスクルーシブ レッドリミテッド | 3,170,000円 |
カブリオ エクスクルーシブ リミテッド | 3,270,000円 |
スマートブラバスには四つのグレードがあり、その最低価格と最高価格の差は約30万円です。スマートシリーズの中では最も価格の高いのが、ブラバス。それでもベンツとして考えるととても安いですし、価格差もそれほど大きくありませんよね。
ベンツの通常タイプが国内有数の超高級レストランの一流コースとするなら、スマートブラバスは自分の街のおいしい洋食屋さんのような雰囲気を感じます。気軽でお手軽。誰でも手が出せそうな安心感とブランド感がうれしいですよね。
そんなスマートブラバスには「フォーツー」や「フォーフォー」「カブリオ」の三つのタイプがありますが、これら三タイプはそれぞれ独立したタイプの車として設定されています。それらのエクスクルーシブ……つまり高級バージョンがスマートブラバスというわけですね。
タイプが異なるなら、当然特徴も大きく異なるだろうと考えるのが必然。それでは、実際はどのような特徴があり、違いがあるのでしょうか。それをこれからじっくりと見ていきます。
各グレードの特徴や違いを解説
価格やスマートブラバスの位置づけなどについて語りましたが、本題はあくまでも各グレードの特徴です。装備については後で詳しく語るので置いておくとして、まずはエクステリアやインテリア、そして性能などから各グレードの特徴を語りたいと思います。
フォーツーブラバスエクスクルーシブリミテッド
オプションで10種類のボディカラーと色とりどりなトリディオンセーフティセル、そして4種類のフロントグリルを組み合わせて自分の好きなエクステリアを作ることができることが特徴です。
ボディカラーはどれも個性的で、可愛らしさと精錬された上質な雰囲気を感じるものばかり。選ぶ楽しさが追求されていて、面白いですよね。
期間限定販売モデルという特別感とあいまって、他には無い2人乗りの車となっています。
見た目にこだわる人向けの車といった雰囲気がありますが、インテリアを見ると「アーバンスポーツなんだな」と感じさせる装備がしっかりと整えられています。たとえば「スポーツタイプのペダル」です。
運転席は写真を見るだけでワクワクドキドキしてきます。
動力性能を見ると、さらにアーバンスポーツタイプという実感が沸きますよ。
DOHC直列3気筒ターボエンジンを搭載し、80kW/5,750rpmの最高出力と170N・m/2,000rpmの最大トルクを実現しているんです。日本の路上だと十分力強く走ることができるほどパワフルな性能と言えます。
調整が良く出来ているからか、ターボラグがほとんど感じられません。街中から高速巡航で使うようなエンジン回転域でのレスポンスがとても良く、市街地走行向けに作られていることを実感します。
変速はややもっさりしていますが、変速回数が少なくて済むような中間トルクの厚さがこの車の大きなメリットで武器なんです。
フォーフォーブラバスエクスクルーシブ
オプションで9種類のボディカラーと6種類のトリディオンセーフティセルカラー、そして6種類のフロントグリルカラーを組み合わせることができます。レッドなどフォーツーには無かったフロントグリルの色が増えているところがポイントです。
エンジン性能はフォーツーと変わりません。フォーツーとの一番大きな違いは、4人乗りということです。装備もほとんどが共通しています。
フォーフォーブラバスエクスクルーシブレッドリミテッド
期間限定販売モデル。レッドリミテッドという名前から連想するとおり、とにかく赤いです。
エクスクルーシブはオプションで三箇所色を選ぶことができましたが、レッドリミテッドはそれら三箇所の全てが赤で構成されています。ボディカラーはサファイアレッド、その他はレッド、ドアミラーまでレッド。
性能は全く同じです。ボディカラーを完全に赤で固めたい方向けのモデルということになります。
カブリオブラバスエクスクルーシブリミテッド
期間限定販売モデル。フォーツーと同じく2シーターの車ですが、フォーツーとは違ってオープンカーです。
フォーツーはクーペタイプで二人乗りというところに若干抵抗感を抱きますが、オープンカーなら2シーターで当たり前というイメージがあるためか選びやすく感じます。
オープン機構がとにかく良いんですよ。
ロック・アンロックを手動で行う必要はなく、ボタンだけで開いていきます。オープン操作にわずらわしさを感じず、ボタンを押すだけでみるみるうちにソフトトップが開閉していくのは面白いです。
一見フルオープンらしいですが、両側窓の桟が残るため微妙にフルオープンではありません。そこがむしろ味となって、オープン時の見た目をさらに面白く個性的なものにしています。
性能は他グレードと一切変わりません。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
デザインや性能などのわかりやすい特徴について説明してきましたが、やはり気になるのは装備内容でしょう。グレードごとに性能が全く変わらないという時点で、装備の違いに期待する人が多いと思います。
そこで、今度は装備を基準にして各グレードの特徴を見ていきましょう。
なお、全ての装備を閲覧したい方は下記カタログをご参照ください。
フォーフォー「http://www.smart-j.com/catalog/brabus/ebook/Xclusive/index.html」
リミテッド「http://www.smart-j.com/catalog/brabus/ebook/limited/index.html」
全グレード共通標準装備
- レーンキーピングアシスト
- トリディオンセーフティセル
- インテグラルセーフティシート
- SRSエアバッグ[運転席・助手席]
- SRSニーバッグ[運転席]
- SRSヘッドソックスサイドバッグ[運転席・助手席]
- パークトロニック[リア]
- LEDガイド付ヘッドライト(オートライト機能付)
- LEDテールライト
- スポーツペダル
- リーディングライト
- クルーズコントロール
- パドルシフト
- ウェルカムライト
- シートヒーター[運転席・助手席]
ブラバス専用装備以外の、全車標準装備の中から一部抜粋しました。
スマートシリーズの一番の特徴といえば、トリディオンセーフティセルとボディでツートーンになっているところですよね。
ただ、先ほどから何度も述べている「トリディオンセーフティセル」とは何かが気になっている方も多いのではないでしょうか。
どのタイプの車にもCの形をしている鋼鉄のパーツが取り付けられている野ですが、これがトリディオンセーフティセルです。簡単に言えば補強材ですね。
衝突時の安全性を確保するためのもので、これがあらゆる角度の衝突から乗員を守ってくれます。
メルセデスらしく、安全にこだわっているなと感じられるところが良いですよね。
SRSエアバッグが多いのも、嬉しいです。
インテリアにはスポーツペダルが用意されていて、これまた嬉しい。見た目にも触っていても楽しいスポーツペダルは運転手の満足度をグンッと高めてくれますよね。ウェルカムライトも運転前にテンションをあげてくれる面白い装備で
ライトと言えばリーディングライトも搭載されていて、こういったところに「ベンツらしさ」や「高級車種らしさ」を感じます。
BRABUS専用装備
- BRABUS専用6速デュアルクラッチトランスミッション
- BRABUSパフォーマンススポーツサスペンション
- BRABUS専用ダイレクトステアリングシステム
- レーススタート機能
- BRABUSスポーツエグゾーストシステム&ツインクロームエグゾーストエンド
- BRABUSスポーツステアリング(ナッパレザー、グレーステッチ入、高さ調節機能付)
- BRABUSエクスクルーシブ本革スポーツシート[運転席・助手席](グレーステッチ入)
- BRABUSコクピットクロック&レブカウンター
- BRABUSメーターパネル
ブラバスが各タイプのハイパフォーマンス仕様となり得ている理由が、これらのBRABUS専用装備です。これもまた一部抜粋で、他にも様々なものが用意されています。
特に性能を大きく左右しているのが、パフォーマンススポーツサスペンション。ロール量が減少し、コーナリング時に安定した走りをしてくれます。
あまり速度を落とさずに安心して曲がりきることができるため、スポーツ走行時にはとても助かるんですよ。
また、上記の装備でひとつ浮いているものがあるのがわかるでしょうか。
BRABUSと名前のついていない「レーススタート機能」です。
これは発進時から鋭い加速を実現することができる機能。これにより、停止時からアクセルを踏んだ途端にグイっと速度が伸びていきます。レースは走り出しが肝心と言いますが、その走り出しをアシストしてくれるのがこの機能なんです。
高性能なブラバス専用エンジンや専用サスペンション、そしてレーススタート機能など全体的に「街中でレーサー気分を味わうことの出来る装備」が多数搭載されています。エグゾーストサウンドも大迫力で小さい車だということを忘れてしまいそうです。
コクピットクロックやカウンター、メーター周りもとても面白く、所有することの喜びが強く感じられます。
日本の車は実用性ばかりを追い求めがちですが、こういう「日本の路面にあった仕様の日本では考えられない車」というのが愉快痛快でいいですよね。
メルセデス以外では考えられない安定性に面白みというエッセンスを「これでもか!」と振りかけた、極上のカオスな一品。それがブラバスです。
高性能をメインにして面白みを隠し味にしようとしたら、隠し味が強すぎてエッセンスどころではなくなってしまったといった雰囲気がありますよね。
複数の隠し味と最低限のスパイスだけで作ったカレーのようです。考えてみると「よくわからない」かもしれませんが、よくわからないという感想を抱くのがブラバスでは正解のような気がします。
フォーツーブラバスエクスクルーシブリミテッド装備、特徴、異なる点
このグレードだけの装備というのは、特にありません。そもそもブラバスのモデル別標準装備というのは、ほとんど無いんです。フォーツーのモデル別標準装備は、リアワイパーとパノラミックルーフの二つだけ。それもフォーフォーと同じです。
フォーフォーブラバスエクスクルーシブとレッドリミテッド装備比較、異なる点
フォーフォー エクスクルーシブ | フォーフォー エクスクルーシブ レッドリミテッド |
---|---|
|
二つのグレードの違いは、カラーだけです。フォーフォーエクスクルーシブにも、サファイアレッドのボディカラーはあります。
ただ、デフォルトではトリディオンセーフティセルがグラファイトです。鋼鉄の色そのままといった感じで、シルバーっぽい色なんですよ。
しかも有償オプションで34,000円かかります。
フォーツーのように色を組み合わせることができないため、エクスクルーシブでは赤一色にはできないんです。
レッドリミテッドの価値は、そういったところにあります。とにかく赤色が好きだという方や、限定感に大きな魅力を感じる方向けの車というわけです。ここまで需要を絞り込まれると、かえって清清しいですよね。
カブリオブラバスエクスクルーシブリミテッド装備、特徴、異なる点
カブリオエクスクルーシブリミテッドには、他のグレードには無いロールバーが装備されています。
これはオープンカー特有の安全装備です。多くのオープンカーでは後からオーナーが自分で付ける装備とされていますが、カブリオエクスクルーシブリミテッドには純正のものが取り付けられています。
ロールバーは車内をパイプで加工ことによって乗員を守ったり、車の剛性をアップさせたりするためのパーツです。オープンカーはクーペなどに比べると乗員保護がイマイチ手薄に思えますよね。屋根が開いているということは、それだけ無防備だということです。
それを補うのがロールバー。
これが有ると安心感が段違いです。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
性能や見た目・シート数に装備など、スマートブラバスの特徴について見てきました。
各グレードの違いはそれほど大きくありませんが、だからこそ価格差を30万円に抑えることができているんですよね。その点どのグレードも選びやすいですが、自分に適したグレードを判断するのが少し難しいです。
そこで、各グレードの評価をしながら、それぞれどのような人に適しているのかについて紹介します。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
フォーツー エクスクルーシブリミテッド | ☆☆☆ | 個性的な2シーターが欲しい方へ。 |
フォーフォー エクスクルーシブ | ☆☆☆☆☆ | ブラバスの標準タイプが欲しい方へ。 |
フォーフォー エクスクルーシブレッドリミテッド | ☆☆ | とにかく赤が好きという方へ。 |
カブリオ エクスクルーシブリミテッド | ☆☆☆☆ | 面白い2シーターオープンカーが欲しい方へ。 |
フォーツーブラバスの評価
フォーツーブラバスは、コンパクトな2シーターとしてとても魅力的です。三種類のパーツのカラーをそれぞれ複数色から組み合わせることができるオプションや、数々のブラバス専用装備によってどこまでも個性的な車となり得ます。
そんな車が300万円近くで手に入るというところが、オススメの理由です。
ただし、2シーターであることに意味を持たせづらいというところが難点。日本国内では2シーターというとオープンカーくらいしか走ってませんよね。コンパクトなクーペタイプの車で2シーターをわざわざ選ぶというのは、何故か抵抗があるものです。
そのためオススメ度が少し下がっています。
フォーフォーブラバスエクスクルーシブの評価
最も広くオススメできるのが、このグレードです。期間限定販売でないから手に入れやすいということもありますが、これが最も標準的なスマートブラバスだからということがオススメする一番の理由となっています。
4シーターでフォーツーより選びやすいのが最大の利点です。
ブラバス専用装備はどのグレードを選んでも同じなので、特に2シーターである必要性を感じないのであればフォーフォーエクスクルーシブをオススメします。
フォーフォーブラバスエクスクルーシブレッドリミテッドの評価
とにかくニッチな需要に対応するために作られた車というのが、なんともそそられますよね。
赤色がこの上なく大好きという方には、それだけでこの車を購入する意味と理由があります。色やエンブレム以外はフォーフォーエクスクルーシブと変わらないので、完全に見た目の好みで選びましょう。
カブリオブラバスエクスクルーシブリミテッドの評価
2シーターが欲しいなら、フォーツーよりもカブリオのほうがオススメ度が高いです。オープンカーということで2シーターであることに意味が持たせられます。
同時にオープンの爽快感を得ることができますし、マットなボディがどことなく浮世離れしていてカッコいいです。
カラーを組み合わせるオプションも健在なので、とことん自分好みのオープンカーに仕立てあげましょう。
スマートブラパスの総合評価
スマートブラバスはベンツの中でも革新的な取り組みと言えますが、自動車業界全体でも面白い取り組みだなあと感じます。特に日本市場において強く光り輝く車ですよね。
エンジン性能やボディサイズは日本の交通事情にぴったり適していますし、価格帯が浮世離れしすぎていないところも好印象です。
ただ、個性が強すぎるために敬遠されているイメージがあります。
正直「実用性」という面では、スマートブラバスはこれより圧倒的に価格帯の低い日本車に劣るでしょう。実用性を求めたい方には全くオススメができません。
車に乗ること自体を「遊び」だと考えることのできる方には、国内でこれほど買いたくなる車もないのではないでしょうか。ブラバス専用装備はどれも「車自体を遊びにする仕掛け」がしっかり施されていて、本当に見ていても乗っていても楽しい車に仕立て上げてくれています。
グレードによって違いが大きく出ないところも、そのためにかえって選びやすいので好印象です。感覚と予算で選んでしまっても問題ないでしょう。
 
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