SLCクラスは、気軽で快適に乗れるオープンカーです。
あっという間に開閉できるバリオルーフから冷たい風が吹き込み、自然を感じさせる。そんなベンツのオープンカーに憧れはあるけども、あまりお金をかけられないという方は多いのではないでしょうか。
SLCクラスはベンツの中でも特に安い部類の車です。グレードごとに違いはあれど、どれを選んでもコストは抑えられます。ただ、やはりグレードが違うと仕様が異なるのでしっかり選んだほうが良いでしょう。
そこで、ベンツSLCクラスの各グレードの特徴を比較してみましょう。
メルセデス・ベンツ SLCクラス グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
SLC180 | 5,520,000 円 |
SLC180 Sports | 6,080,000 円 |
SLC200 Sports | 7,070,000 円 |
SLCクラスには三つのグレードがあり、その最低価格と最高価格の差は約155万円です。ベンツ全体で考えると、比較的小さめの価格差と言えます。そもそもの価格自体も低めです。
ベンツのオープンカーで価格が高いものだと「SLクラス」が挙げられますが、これは最低価格でも1305万円します。
冒頭に述べた「気軽に乗れる」というのは、この価格設定のことだったというわけです。
価格差も小さめで元々の価格も低めとはいえ、国産オープンカーに比べればまだまだ高いので、闇雲にグレードを選ぶのは危険……。これから紹介する各グレードの特徴や違いをよく見て、自分なりに比較してみましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
SLCクラスは、見た目では各グレードの違いがよくわかりません。ホイールを見ると、どのグレードも違うなということがわかるのですが、よく目を凝らさないとわかりませんよね。
そこで、各グレードの判別をつけられるように、それぞれの特徴や違いについて簡単に説明します。
SLC 180
SLC180だけは、名前に「Sports」と付いていませんよね。
これによって、ボディサイズに違いが表れています。他二つは、全長・全幅・全高=4,145mm・1,820mm・1,295mmです。一方、SLC180は4,140mm・1,845mm・1,305mmとなっています。
しかしながら、室内寸法は変わりません。
細かな違いですが、これがSLC180最大の特徴と言えるでしょう。
SLC 180 Sports
SLC180 Sportsはボディサイズが大きくなっているだけでなく、装備や機能が充実しています。スポーツサスペンションやダイナミックハンドリングパッケージという、走行性能や感覚を大きく左右するものが多数取り付けられているのが特徴です。
それらの装備については、後で詳しく述べるとしましょう。
SLC 200 Sports
SLC200 Sportsは装備が充実しているだけでなく、エンジン性能がSLC180とSLC180 Sportsよりも高くなっています。他二つのグレードでは、最高出力が115キロワットで最大トルクが250N・mとなっているのです。
一方、SLC200では最高出力が135キロワットで最大トルクが300N・mとなっています。最高・最大値が発生する際のエンジン回転数は、ほとんど変わりません。
似たような回転域でSLC200の方が鋭い加速感を得られ、さらに坂道も走りやすくなるということです。
高速道路でガンガン飛ばして走ったり、坂道の多い町での運用をしたりしやすくなっています。レジャーにも利用できるのではないでしょうか。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
サイズや性能から各グレードの特徴を見てきましたが、装備に関してはあまり詳しく説明していませんよね。
そこで、ここでは各グレードの特徴を装備を基準にして説明したいと思います。先ほどは「後で述べる」としたものについても、詳しく見てみましょう。
なお、全ての装備を閲覧したい方は下記PDFをご参照ください。
http://www.mercedes-benz.jp/catalog/slc/ebook/spec/#page=5
全グレード共通標準装備
- レーダーセーフティパッケージ
- LEDインテリジェントライトシステム
- LEDコーナリングライト
- アダプティブハイビームアシスト
- アダプティブブレーキ(ホールド機能・ヒルスタートアシスト)
- PRE-SAFE
- アクティブボンネット
- LEDリアコンビネーションランプ
- LEDフォグランプ(リア)
- シートヒーター
- 本革巻ステアリング
- 可変スピードリミッター
- アンビエントライト(ソーラーレッド/ポーラーホワイト/ポーラーブルー)
- リバーシブルトランクフロア
- リモート・トランクリリース
メルセデスらしく安全装備が充実していますが、中でも特にライト関係の機能が充実しています。
LEDインテリジェントライトシステムが全車標準装備ということですが、これは高めのクラスに装備されていることが多いので、この価格帯のクラスに全車標準装備というのは嬉しいですよね。
走行状況や路面状況に応じて、ライトを最適に調整してくれるので、どんな状況でも安心かつ快適な運転を楽しむことができます。それだけでなく、LEDコーナリングライトで曲がる方向を照らしてくれるので、コーナリングも安心です。
こういった装備があると、思い切り加速して走るのが楽しいですよね。加速したままコーナリングをしても、安全でバッチリ決まってカッコいいです。
機能装備は少し貧弱かなといった感じがしますが、これは価格帯と見合った内容と言えます。安全装備にこだわったため、内外装や機能装備をグレード別設定にしたのでしょう。
SLC 180装備、特徴、異なる点
- 17インチ10スポークアルミホイール
- レザーARTICOシート
- スポーツステアリング(ナッパレザー)
- チルト&テレスコピックステアリング
- ドラフトストップ
- タッチスタート
以上が、他二つのグレードと共通しない装備・機能です。
目を引くのは、ドラフトストップとタッチスタートでしょうか。
ドラフトストップはSLC180以外の全てに装備されている、「エアガイド」というものがメルセデス一押しのものですが、C180に装備されているのは通常のメルセデス純正ドラフトストップとなっています。
また、タッチスタートというのはキーをオンの位置から、一瞬捻るだけでエンジンがかかるという機能です。
何年も前からメルセデスに付けられていた機能ですが、近年ではキーレスゴーやプッシュスタートが一般的となって、あまり見なくなりました。
キーレスゴーやプッシュスタートとの違いは、鍵を使う必要があるかどうかです。タッチスタートは鍵を完全に捻らなくてもいいという機能なので、鍵を使います。
キーレスゴーやプッシュスタートは、その名前にあるとおり鍵を使わずにボタンを押すだけでエンジンがかかる機能です。
SLC180は、少し古い機能が付けられていたり、標準装備が少なかったりと、かなりコストカットされていることがわかりますね。
SLC 180 Sports装備、特徴、異なる点
- スポーツサスペンション
- ダイナミックハンドリングパッケージ
- 18インチAMG5スポークアルミホイール
先ほどドラフトストップについて少し話題が出たので、上記のSLC180 Sports独自の装備の前に、まずはSLC180 SportsとSLC200 Sportsに搭載されている「エアガイド」というドラフトストップについて説明します。
これは、アクリル製のピボット式ドラフトストップです。ロールバーに装着されていて、使用時も格納時も後方の視界を確保しやすくなっています。
また、使わないときにはロールバー背面に格納可能です。わざわざ着けたり外したりしなくてもいいところが、親切設計ですよね。
そして、オープン走行をしているときには、後ろから巻き込む乱流を遮断して快適な走りが楽しめます。
それでは、上記の三つの装備の中から、ダイナミックハンドリングパッケージついて説明しましょう。
これは、走行状況とダイナミックセレクトで選んでいるモードに応じて、四輪それぞれの減衰レベルを連続可変制御してくれるシステムです。
ステアリングの角度に応じてギア比が変化し、それによって注射時などステアリングを大きく操作するときの操作量が少なくなります。
さらに、高速走行時などの直進安定性を高めてくれるダイレクトステアシステムも搭載されているのです。
それだけでなく、コーナリング時に車両がより安定するようにしてくれるカーブダイナミックアシストも、このパッケージに含まれています。
これによって、直進・カーブといったさまざまな状況下でより安定した走りを楽しめるのです。
SLC 200 Sports装備、特徴、異なる点
- パークトロニック(パーキングガイダンス機能付)
- ハイグロスブラックペイント18インチAMGマルチスポークアルミホイール
- スポーツエグゾーストサウンドシステム
- カーボンデザインアルミニウムトリム
- エアスカーフ
- Harman/Kardonロジック7サラウンドサウンドシステム
- スピーカー数:10
他二つのグレードと全く共通しない装備のみを挙げています。
特に目を引くのが、パークトロニックとスポーツエグゾーストサウンドシステム、そしてサラウンドサウンドシステムでしょう。
パークトロニックは、ベンツによく搭載されている安全装備です。全車標準というクラスが多い中、SLCクラスではSLC200のみに装備されています。
パークトロニックというのは、バンパー付近の障害物をビビっと感知して、周囲の状況を運転手に知らせてくれる機能です。
さらに、SLC200にはパーキングガイダンス機能もつけられています。これは、縦列駐車をサポートしてくれる機能です。駐車スペースを検知すると、三角マークがディスプレイ内に表示されます。
この状態でセレクターレバーを「リバース」に入れてOKボタンを押すと、ディスプレイ内に「後退してください」などのガイダンスが表示されるのです。
縦列駐車が苦手という人には、とてもありがたいですよね。
また、スポーツエグゾーストサウンドシステムというのは、エンジン開始時に迫力満点の音を奏でてくれる機能です。
やっぱり、オープンカーに乗るときは車らしい音が聴きたいですよね。ブルゥルゥゥン! と煙を吹きながら音が出る様は、これから運転するという期待を高めてくれます。完全に趣味の世界ですよねえ。
発進時には大迫力のエンジンサウンドを聴いて、ドライブ中はサラウンドサウンドで迫力満点の音楽を聴いて運転できます。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
これまで価格・性能・サイズ・装備と、さまざまな面から各グレードの特徴を説明してきました。これでもう、それぞれの特徴は出揃ったと言えるでしょう!
そこで、今度は購入決定の後押しになるよう、各グレードを評価しながら、どんな人にオススメなのかについて語りたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
SLC180 | ☆☆☆ | 最低限の装備だけで良く、気軽にオープンカーを手に入れたい方へ。 |
SLC180 Sports | ☆☆☆☆☆ | よりスポーティに、なおかつ気軽にオープンカーを手に入れたい方へ。 |
SLC200 Sports | ☆☆☆☆ | 予算に余裕があり、「音」と性能を重視する方へ。 |
SLC 180の評価
SLC180に搭載されている装備は、本当に最低限のものです。機能装備も古いものが多く、そもそも標準装備が少ないのでお世辞にも豪華とは言えません。
ただ、安全装備やオープンカーに最低限欲しい装備や機能は、全車標準装備で既に搭載されています。
気軽に乗れるのがSLCクラスの売りですから、最低限でいいという方にはこのグレードが最もオススメです。
SLC 180 Sportsの評価
本当ならベースグレードを強くプッシュしたいところですが、やはり装備が貧弱なので全面的に推しがたいところがあります。
SLC180 Sportsなら、メモリー付パワーシートや電動チルト&テレ巣子ピックステアリングなどといった機能装備の充実度も高いです。
また、SLC180で古いなあと感じたタッチスタートも、キーレスゴーになっています。
それだけでなく、スポーツサスペンションやダイナミックハンドリングパッケージなどシャーシ関係の装備もしっかり充実。
ガンガン加速してスタイリッシュに走るための調整がされているので、日々の何気ないドライブもカッコ良くキメられますよ。
SLC 200 Sportsの評価
SLC200 Sportsは、何より高いエンジン性能と「音」に魅力のあるグレードです。特に推したいのが、音。エンジンを始動した際の吹き上げと大迫力のサウンドで、ドライバーのモチベーションもガンガン吹き上がります。
クローズ時には立体音響を使って思い切り好きな音楽を奏でて、意気揚々と運転ができる。
クレイジーケンバンドなんかを聴きながら思い切り飛ばしてみたり、ノリの良い洋楽を聴きながらスカっとコーナリングをキメたりすることを想像すると、テンションが上がりませんか?
これでテンションが上がった方で、なおかつ予算に余裕があるならSLC200を強くオススメします。
SLCクラスの総合評価
SLCクラスは、オープンスポーツカーらしい性能と走行感覚と安全性にこだわりながらも、できるだけ価格を抑えようというメルセデスの努力が見られる車です。
主に、SLC180を見ると「がんばってコストカットしてるんだなあ」と感心させられますよね。
低いグレードだからと性能まで低くなるわけではなく、ベースグレードでも高い性能を持たせて、価格が上がるにつれてそこからさらに性能を上げているところに好感が持てます。
グレードを選ぶ際は、まずそういった性能と価格から比較してみると良いでしょう。その後で「この装備は必要か」と、装備を比較すれば自分の選ぶべきグレードが自ずと浮かび上がってきますよ。
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。
コメントを残す