かつてデリカ「スペースギア」という名前で一時代を成したこのクルマが「D:5」と名前を変えて登場してからすでに10年目。
いかにも実用性重視という外観と優れた走行性能により、いまだに変わらない人気を保っているオールラウンドなミニバンです。
頻繁にマイナーチェンジを繰り返してきたことによってクルマとしての機能も常にアップデートされ続けて商品力を保つとともに、競合するクルマも見当たらない状況の中、その希少性によって独特の地位を保っています。
普段街中では見かけてはいても、なかなか実情を知ることの少ないこのクルマを取り上げて見ました。
まずは実車を見ての感想から。初めて三菱ディーラーを訪問してみました。
三菱へ行く前にデリカD:5の調査
商談する相手は会話のプロであるセールスマン。ディーラーへ商談に行く前に、しっかりデリカD:5について調べておくことが大切です。そこで、ここで私がお伝えすることは3つ。
- デリカD:5の値引き相場
- デリカD:5の競合車種
- デリカD:5の納期について
以上になります。早速値引き相場について紹介しましょう。
デリカの値引き相場は大体25万から30万あたりだと言われています。これは、車両値引きだけの金額です。交渉する際は、最低でも25万を目標値引き金額として話をすすめていくことが大切になってくるでしょう。
続いて競合車種についてですが、これはトヨタのノアや、ヴォクシー等が挙げられています。この2車の新車価格はどちらも225万からスタートで、デリカD:5が240万スタート。15万ほどデリカD:5の方が高くなっています。
この点に付け込んで「ノアやヴォクシーもいいなあと考えていて。この金額だとちょっと迷っちゃう」なんて言ってみると値引きに融通が利くかもしれません。
最後に納期についてですが、デリカD:5の納期は1か月から2か月程度で納車されるという報告が多いです。標準的な納車期間ですね。もし、あまりにも長い納車を言われたら、値引きに関連付けて交渉してみるのも面白そうです。
以上の3つは最低限押さえておきましょう。
ディーラー到着

訪れた三菱のディーラーは、週末だったこともあって、結構な人数のお客さんでにぎわっていました。
店頭には人気SUVのアウトランダーと共に、デリカD:2も試乗車として展示されており、三菱が注力している車種であることが伺えます。

特徴のある顔を持つミニバンが多い中で、デリカD:5の「顔」は至ってアッサリした印象です。
縦横の直線を基調としたデザインで、最近多くの車にみられる「釣り目」でないことからも、逆にこのクルマの独特な「味」が感じられます。
背面のフォルムもアッサリしたもの。
角型であることが一目でわかる一切の装飾を排除したデザインになっています。

どの方向から見ても箱型であることを知らしめるシンプルなデザイン。車体サイドも最近のミニバンやSUVにありがちな複雑なフォルムではなくきわめてアッサリしたもの。
車体前半がクサビ形に直線的に前傾していることもあって、シンプルさが強調されたものになっています。それが逆に実用性に徹したクルマであることを伺わせ、流行に左右されないその頑ななコンセプトに斬新ささえ感じてしまいます。
柔軟性・復元性に優れた樹脂素材を、傷つきやすいフロントフェンダー部に採用しており、スーパーの駐車場などで起こりがちな、ショッピングカートによる軽い接触などにも高い復元性を発揮するとのこと。
ルーフレールをはじめ数々のアウトドア装備を付加して楽しめるのがデリカD:5の大きな魅力。華やかな外観には目もくれず、目的のために徹底するのがデリカ流ということでしょう。

運転席ドアを開くと、最近のミニバンと比べても圧倒的に高い座面に驚かされます。
乗用車的な雰囲気のミニバンが多い中、この部分だけでもかつてのミニバンを思い出させる部分になっています。ただ慣れるまでは乗り降りには苦労するかもしれません。
左右のフロントピラー部には大きな三角窓が加わり、妨げられがちな前方左右の視界が確保されています。
また可倒式のサイドアンダーミラーのおかげで、視点が高くて死角になる左側下方の視界も確保され、視認性にも配慮された機能が追加されています。
運転席周りのデザインはインテリアの印象を左右する重要な部分ですが、機能を重視してまとめられたこのクルマの無骨さが、こんなところにも表れています。
グレード「M」以外のシートには、運転席・助手席共にシートヒーターが標準で装備されており、冬場には活躍しそうな装備になっています。

シンボリックなスリーダイヤが、三菱のデリカであることを否が応でも意識させるポイントに。
スピードメーターとタコメーターの間にはマルチインフォメーションディスプレイが設置され、燃費や平均車速、航続可能距離など各種情報がフルカラーで見やすく表示されます。
通常の走行では前方からの視線を大きく動かくことなく状況把握が可能であり、安全性の点からも効果的であるなど、さりげない部分にも配慮されていることがわかります。(グレード「M」のみは赤色単色での表示)
現在は様々な意匠を凝らすデザインが多い中、実に素っ気なく見えるセンターコンソール部が、いかにもアナログ感を感じさせます。
丸いダイヤルスイッチを中心としたエアコン操作系など、その雰囲気を一段と掻き立てます。こんなアナログ調テイストが、実用性に拘るこのクルマの象徴的な部分にもなっています。

助手席側スライドドアは全グレードでワンタッチ電動式。
運転席側もグレード「M」を除いては電動が標準で装備されています。2列目シートは座面の前方が高くなったデザインで、やや後傾の大きい着座姿勢になるのが特徴です。
装飾の少ない室内は実用性一点張りであると共に、高い床がオフローダーであることを意識させる部分。
四角い室内形状を生かして、様々な用途に使えるマルチユースフックが屋根部を含めた車体各所に付けられ、前席の後部に汚れが付きにくい素材になっているなど、アウトドア用の配慮がされているのが嬉しくなります。
2列目はキャプテンシートの7人乗りとベンチシートの8人乗りの2種類からの選択。
ベンチシートでも6:4の分割収納が可能なため、片側だけを前傾させての長物積載も可能なところなど、多様性に優れるミニバンのメリットが生かされています。
3列目まで十分な乗員スペースが確保されているため、最近のミニバンにありがちな「使えない3列目」ということがないことは隠れたメリット。シートは撥水・撥油性に優れる素材を使った汚れやシミが付きにくいタイプになっています。

天井部からサイドにかけて、車体の頑丈さを伺わせるアーチが取り囲んだ独特の構造を持ったクルマであることが分かります。
3 列目シートはサイドに収納する方式で、セットするのは重くてちょっと大変。収納すると、奥行きの1200mmはともかく、シート間が770mmとちょっと狭目になってしまいます。
最新のミニバンと比べるとシートの厚みのために確保できる空間スペースが制約されてしまうのはいささか古さを感じさせる部分にもなっています。
そして3列目まで使うと、荷物スペースがほとんどなくなってしまうのは残念なところでしょう。スペアタイヤを積んでいるために床下スペースも確保されていません。
セールスマンとの会話、デリカD:5のウリは?
経験豊富そうなベテラン営業マンから色々と話を聞かせてもらいました。


箱形のスタイリングと車体剛性のある造りになっていますし、アンダーガードが付いていたり18インチのタイヤをはいていたりと、下半身がオフロード向けなので、こんな仕様を求められているお客様にとっては格好だと思います。




クリーンディーゼルとガソリンどっちがいい?




あとは走りの良さですね。やはりミニバンは人数を乗せて走るクルマなので、坂道をグッと登って行った時のパワー感というのも、ディーゼル車だと非常に魅力的な加速をしてくれるので。
価格差に関してはおおよそで40万円ですね。






それで仕方なくガソリン車に乗っていたのが、今になって出てきて買い換えたということもあります。あとはデリカに乗ったことがない方でも、やはりデリカはディーゼルだというイメージが強い方が結構多いですね。


トレッドもワイドですから、旋回性能も優れていますし。運転席に座っても上から見下ろす感じになりますし、御覧の通りフロントガラスも大きいですから非常に気持ちがいいです。


それと車体下部には大型のクロスメンバーが採用されているので、ボディ全体の剛性が非常に高くなっています。これによって衝突安全性でも高い評価を受けていますし、高速走行時や枠路での操縦の安定性や静粛性が高められるのに加えて、耐久性も高いというメリットがあります。
室内は、車のサイズ的に言うと、例えば5ナンバーのセレナとかステップワゴンよりも大きくて、アルファードとかヴェルファイアとかと比べると、一回り小さいサイズになります。


実燃費は最近のだと、ガソリン車で大体8km/L、クリーンディーゼルが11km/Lくらいですね。


燃費のいい「FF」、路面の状況や走行状態に応じて前後に適切に駆動力を分配してくれる「オート」、それと強力なトラクションが得られる「4WDロック」の3種類がありまして、例えばこの4WDの状態で、それこそキャンプとかの砂利道のすごいところに行くとか、すごくぬかるんだところに行くとか、そんなときにこの「ロック」を使ってもらうことになります。先ほどご案内した強靭なボディと優れた走行性能が組み合わさって、D:5のオールラウンドな性能になっているというわけです。
この後しばらく街中を試乗させてもらいました。乗った感触はなかなか上々。ディーゼルのイメージがずいぶんと変わりました。
試乗後の会話








話を聞いているうちに、すっかりクリーンディーゼルが気に入ってしまいました。結局は試乗させてもらった結果、四駆にはディーゼルということで、「D-PREMIUM」の見積もりを出してもらうことになりました。
見積書公開

上位グレードの「D-PREMIUM」を選んだこともあって、ナビまで含まれた豪華仕様になっています。
オプション品はコーティングやフロアマットなど最低限だったものの、合計金額では450万円を超えてしまいました。
ただ値引き額はグレードにかかわらず20~30万円とのこと。アルファード並みの価格になってしまいました。
【ご希望車種】
デリカ D:5
D-PREMIUM 8ニンノリ 4WD
2200CC 6速AT
【型式番号】
エコカー減税 100%
LDA-CV1WLLXFZ
コード 10 外色 OPT 000
お支払い現金合計 | 車両販売価格① | 付帯費用⑥ |
---|---|---|
4,535,047円 | 4,370,769円 | 164,278円 |
【現金販売価格(消費税込)】
車両本体価格 | 4,055,400円 |
---|---|
車両店頭引渡価格 | 4,055,400円 |
付属品価格 | 315,369円 |
計① | 4,370,769円 |
付帯費用 | 164,278円 |
合計 | 4,535,047円 |
【付帯費用明細】
税金 | |
---|---|
自動車税(09月登録) | 22,500円 |
自動車取得税 | 0円 |
自動車重量税 | 0円 |
計 | 22,500円 |
保険料 | |
自賠責保険料(37ヶ月) | 40,040円 |
自動車保険料 | |
計 | 40,040円 |
課税(消費税込) | |
(手続き代行費用)車庫証明手続 | 15,120円 |
検査登録手続 | 20,520円 |
下取車諸手続 | 10,800円 |
納車費用 | 9,720円 |
下取車査定料 | 5,400円 |
リサイクル資金管理料金③ | 380円 |
つくつく保証 | 13,068円 |
課税分小計④ | 75,008円 |
非課税 | |
(預り法定費用)車庫証明 | 2,500円 |
検査・登録 | 3,320円 |
下取車諸手続 | 500円 |
リサイクル預託金額合計⑤ | 14,710円 |
公正証書作成費用 | 5,500円 |
印紙 | 200円 |
非課税部小計 | 26,730円 |
諸費用計 | 101,738円 |
付帯費用合計⑥ | 164,278円 |
【消費税率8%】
消費税等合計(①+④)x 税率/(100+税率) |
329,316円 |
---|
【付属品明細】
付属品明細 | 数 | 金額(消費税込) |
---|---|---|
ハーティシッカリシャケンツキ | 1 | 99,900円 |
ドライブレコーダー | 1 | 30,855円 |
ドライブレコーダートリツケコウチン | 1 | 6,480円 |
*フロアマット | 1 | 66,938円 |
*エクシードバイ | 1 | 25,876円 |
グラスコーティング | 1 | 85,320円 |
付属品合計 | 1 | 315,369円 |
【リサイクル法関連費用明細】
シュレッダーダスト料金 | 9,780円 |
---|---|
エアバッグ類料金 | 2,700円 |
フロン類料金 | 2,100円 |
情報管理料金 | 130円 |
リサイクル預託料金合計⑤ | 14,710円 |
資金管理料金(消費税込)③ | 380円 |
合計 | 15,090円 |
【お支払方法】
お支払いプラン | プラン1 |
---|---|
頭金 | |
割賦元金 | 4,535,047円 |
割賦手数料 | 614,796円 |
支払回数 | 60回 |
初回(12月) | 56,243円 |
第2回目以降 | 58,700円 |
ボーナス月 | 月 日 |
ボーナス額 | |
最終回支払額 | 1,689,000円 |
まとめ
ミニバンでありながらオフローダー。しかもエンジンはディーゼルで力強いというのですから、存分に楽しむためには、敢えて雪山や山奥の温泉に行きたい気持ちにさせてくれる不思議なクルマでした。
外見的な面ではともかく、こうした質実剛健さは最近のクルマではめったに見られなくなってきたことからしても、このクルマの根強い人気のほどが分かります。
オトコの道具であることを意識させるそんな無骨さが何よりも魅力であり、デリカが長い間好まれ続けている理由もそんなところにあるのでしょう。
 
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