CLSクラスは価格が高いこともあってか、それほど人気が高いクラスではありません。シューティングブレークとなると、なおさらです。
シューティングブレークは、その特徴から実用性を求める方とスポーツ性能を求める方とに需要が分かれるのではないでしょうか。CLSクラスはグレードごとに「実用性」と「スポーツ性」のいずれかを満たすことができるようになっています。
そのため、グレードはしっかり比較して選ばなければなりません。
そこで、CLSクラス シューティングブレークの各グレードの特徴を紹介します。
※CLSクラス シューティングブレークは2018年6月をもって日本での販売が終了しており、現在では中古車でのみ取り扱われております。以下の内容は販売終了時点の最終グレード(2016年6月発売)となることをご容赦ください。
目次
メルセデス・ベンツ CLSクラス シューティングブレーク グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
CLS220 d Shooting Brake | 8,070,000円 |
CLS 400 Shooting Brake | 10,150,000円 |
CLS550 4MATIC Shooting Brake | 13,270,000円 |
最低価格と最高価格の差が約500万円と大きいです。
CLS220以外は本体価格で1000万円を超えているところを見ると、高級車だなと強く実感しますよね。ちなみに、CLSクラスにはクーペもありますが、クーペは最高グレードだけ1000万円超えです。
これだけ大きな価格差があるということで、それほどグレードごとに特徴があるのではないかと期待させられます。
それでは、実際にはどのような特徴があるのかをこれから見ていきましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
CLSクラスシューティングブレークは、パっと見ただけではグレードの違いや特徴がわかりません。
CLS220とCLS400ではエクステリアやインテリアが異なりますが、オプション設定でその違いを無くすこともできます。そのため、内外装では特徴が掴めないのです。
そこで、各グレードの特徴をそれぞれ簡単に紹介します。まずは各グレードの判別ができるよう、それぞれの簡単な違いを理解しましょう。
CLS 220 d Shooting Brake
ディーゼルエンジンを搭載していることが特徴のグレードです。
高回転域での加速力はCLS400やCLS550に劣りますが、燃費は三つのグレードの中で最も良くなっています。細かいスペックは各グレードの評価で紹介するので、そちらをご覧ください。
また、装備内容はとてもシンプルなものとなっています。
CLS 400 Shooting Brake
高回転型のパワフルなエンジンが特徴のグレードです。
装備内容に独自の特徴が見られないというのが、かえって特徴となっています。
CLS 550 4MATIC Shooting Brake
4輪駆動が特徴のグレードです。エンジンスペックもCLS400のものから更に上がっています。
4輪駆動の走破力と合わせると、怖いもの無しです。日本のどんな路面でも対応できるでしょう。その分燃費はCLS220より大幅に悪くなっています。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
各グレードの特徴を簡単に紹介してきましたが、細かい部分は全く語っていないので実際に各グレードごとにどのような特徴があるのかは、まだわからないのではないでしょうか。
そこで、装備を基準にして、各グレードの特徴を見ていきたいと思います。
全ての装備を閲覧したい方は、下記PDFをご参照ください。
http://www.mercedes-benz.jp/catalog/cls-class/ebook/spec/#page=9
全グレード共通標準装備
- レーダーセーフティパッケージ
- アダプティブブレーキ
- アダプティブブレーキライト
- アダプティブハイビームアシスト・プラス
- パーキングアシストリアビューカメラ
- パークトロニック
- SRSエアバッグ(運転席・助手席)
- アルミニウムボンネット
- プライバシーガラス(後席左右・ラゲッジルーム)
- メモリー付パワーシート
- シートヒーター
- マルチファンクションステアリング
- 電動チルト&テレスコピックステアリング
- クルーズコントロール&可変スピードリミッター
- クライメートコントロール(前後左右独立調整)
安全装備がとにかく充実しています。
レーダーブレーキパッケージが全車標準装備されていることを始め、ブレーキ関連機能やSRSエアバッグなど数多くの機能や装備が付けられているのが特徴です。
SRSエアバッグは運転席・助手席のものから、運転席のニーバッグ、前席のサイドバッグ、ウインドウバッグなど様々な部分に使われています。後席のSRSサイドバッグだけはAMGデザインのみの搭載となっていますが、それ以外は全て全車標準装備です。
また、電動チルト&テレスコピックステアリングなど、Cクラスではグレード別設定だったものが全車標準装備になっています。
電動チルト&テレスコピックステアリング
スイッチを押すだけで、自動でステアリングの位置調整をしてくれる機能です。
チルト(上下)、そしてテレスコピック(前後)にステアリングを移動させます。高級乗用車にはその二つの機能が合わさった電動チルト&テレスコピックステアリングが装備されることが多いですが、一般乗用車だとチルトのみということも多いです。
また、電動ではなく手動で位置調整を行うものもあります。
CLS 220 d Shooting Brake装備、特徴、異なる点
- DIRECT CONTROLサスペンション
- 18インチ5ツインスポークアルミホイール
- Mercedes-Benzスポークパッケージエクステリア
- ウォールナットブラウンウッドインテリアトリム
ベースグレードということで、標準装備が少ないです。ディーゼルエンジン搭載車はこれだけなのに、装備が少ないということで不満を持つ方もいるでしょう。
その点は、パッケージオプションで補えます。AMGラインというパッケージオプションを追加すれば、CLS400と同等の装備になるのです。
ただ、AMGラインはミッションへのモード追加など大きな追加変更点があるため、追加するのに45万円と結構かかります。
CLS 400 Shooting Brake装備、特徴、異なる点
CLS400のみに搭載されている装備は、ありません。
装備内容は、CLS220にあらかじめAMGラインを標準搭載したというものとなっています。装備では特徴が無く、エンジン性能を見なければC220との違いがわかりません。
CLSクラスは全車標準装備が豊富で、ベースでの完成度が高いため、グレードごとの装備内容の差が少ないのでしょう。
CLS 550 4MATIC Shooting Brake装備、特徴、異なる点
- ガラス・スライディングルーフ(挟み込み防止機能付)
- harman/kardonロジック7サラウンドサウンドシステム
- スピーカー数:14
立体音響を14個ものスピーカーで楽しむことができるのが、このグレードの装備面における最大の特徴です。
音楽が好きな人間からしてみれば、たまりませんよね。あらゆる方向から全身を包み込むかのように音楽が響き、トランス状態になってしまいかねません。没頭しすぎて事故を起こさないようにだけ、気をつけなければならないでしょう。
また、CLS550だけにオプション設定可能なエクスクルーシブコンフォートパッケージというオプションがあります。フルレザー仕様や前席マッサージ機能、前席マルチコントロールシートバックなどシート周りがとても快適になるオプションです。
このオプション価格は、約80万円となっています。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
装備を見てきて、「これがいいな」という漠然とした希望は出てきたかと思います。
ただ、CLSクラスは性能を見なければイマイチ違いがわからない車です。
また、どんな人にオススメなのかも知りたいのではないでしょうか。そこで、各グレードの性能を語りながら、それぞれどんな人にオススメなのか評価をしていきます。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ。 |
---|---|---|
CLS220 d Shooting Brake | ☆☆☆☆ | 実用性を求める、普段使いメインの方へ。 |
CLS400 Shooting Brake | ☆☆☆ | 加速を楽しみながら、ある程度の燃費を保ちたい方へ。 |
CLS550 4MATIC Shooting Brake | ☆☆☆☆☆ | 加速と音楽を両方楽しみ、とことんインテリアにこだわりたい方へ。 |
CLS 220 d Shooting Brakeの評価
- エンジン:DOHC直列4気筒ターボチャージャー付
- 総排気量:2,142cc
- 最高出力:130kW[177PS]/3,200~3,800rpm(EEC)
- 最大トルク:400N・m[40.8kg・m]/1,400~2,800rpm(EEC)
- 燃費:3km/L
最低限の装備だけを揃えるか、AMGデザインを各所に採用したAMGラインを追加するかを選べることが、とても魅力的です。
シューティングブレークということで実用性を求める方もいるでしょうから、スポーツ仕様を抑え目に出来るのは大きなメリットではないでしょうか。
さらに、エンジンも普段使い向きの実用重視のものとなっています。低回転域からでも最大トルクが発生し、高い出力を発揮できる。あっという間に巡航速度まで加速することができ、運転していて楽しいです。
その分高回転域での強い加速にはやや不満を感じますが、だからこそ燃費が抑えられていると考えると、これは大きなデメリットには感じないでしょう。
CLS 400 Shooting Brakeの評価
- エンジン:DOHC V型6気筒ツインターボチャージャー付
- 総排気量:3,497cc
- 最高出力:245kW[333PS]/5,250~6,000rpm(EEC)
- 最大トルク:480N・m[48.9kg・m]/1,200~4,000
- 燃費2km/L
エンジンのパワフルさと12.2km/Lという燃費の良さ、その二つを両立している点が最大の魅力です。
低速から中速域にかけての太いトルクと、高回転域からの強い加速感は一度体感すると病みつきになります。こればかりは一度乗ってみなければわからないので、興味があれば試乗してみてください。
スペックはとても魅力的なので本当は☆四つ付けたいところですが、装備内容に特徴が無い点でマイナス評価となっています。
CLS 550 4MATIC Shooting Brakeの評価
- エンジン:DOHC V型8気筒ツインターボチャージャー付
- 総排気量:4,663cc
- 最高出力:300kW[408PS]/5,000~5,750rpm(EEC)
- 最大トルク:600N・m[61.2kg・m]/1,600~4,750rpm(EEC)
- 燃費:2km/L
高いエンジンスペックと、4輪駆動という二つの特徴が合わさって走破力が群を抜いているのが魅力的です。
盆地や山間部、そして雪の多い地方でも何不自由なく走ることができます。ガンガン加速して駆け抜ける爽快感を楽しむことができるでしょう。
また、音響設備が充実している点やインテリアを豪華仕様に出来るパッケージが用意されている点なども、魅力的です。室内の快適性にこだわる方に特におすすめしたいグレードと言えます。
CLSクラス シューティングブレークの総合評価
CLSクラス シューティングブレークは用途と装備内容を照らし合わせて選ぶも良し、エンジン性能で選ぶも良しで何通りもの選び方が考えられます。
実用性重視なら、CLS220 dがお勧めですし、快適性と楽しさ重視であればCLS550がお勧めです。
まずは基本となるグレードを決めてしまってから、オプションをどうするかを考えればいいでしょう。CLS220の場合はスポーツ仕様が必要かどうかを考え、CLS550の場合はインテリアの快適性が標準装備で十分かどうかを考えると良いかと思います。
選ぶのが楽しい車ですから、楽しみながら慎重にゆっくり選びましょう。
 
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