2013年のマイナーチェンジによって、スカイアクティブ技術が搭載された、プレマシー。
抑えられたコストで、最高の走りを追求する、車を楽しみたい人のためのミニバンです。同コンセプトの車にビアンテがありますが、そちらより低予算で購入することができ、注目を集めています。
メジャーというわけではありませんが、一定のファンのいる車です。
そんなプレマシーを購入するにあたって、大切なのはグレード選びでしょう。プレマシーのグレード選びで損をする人は出ないのではないかと考えられますが、得をする人は出てきます。
自分がその一員となるために、どのグレードを選べばいいのか、「主観」と「客観」の二つの観点から判断しましょう。
※マツダ プレマシーは2018年3月をもって製造・販売を終了しているモデルです。
以下内容は最終グレード(2016年7月時点)の内容となりますことをご了承ください。
プレマシーのグレード表
グレード | 価格 |
---|---|
20C-SKYACTIV | 2,008,800円 |
20S-SKYACTIV | 2,268,000円 |
20S-SKYACTIV CELEBLE | 2,338,200円 |
20S-SKYACTIV L Package | 2,419,200円 |
20C | (2,160,000円) |
20S | (2,419,200円) |
2WDはスカイアクティブ搭載車、4WDはスカイアクティブ非搭載車となっています。
似たようなグレード設定の車で、同社(マツダ)のビアンテがありますね。それよりも低めの価格設定となっており、スカイアクティブ技術を試したいが予算が……という方でも安心して選ぶことができるのではないでしょうか。
グレードごとの価格差については、4WDも合わせると決して大きくなく、全体で40万円、各グレード間で26万円ほどとなっています。
ただし、それは価格だけを見た場合の客観的な評価です。大切なのは、自分にとってはどうなのかということ。装備内容と価格を見比べ、自分にとって得か損かを見極めましょう。
各グレードの特徴、捉え方
グレードは20Cと20Sの2つだけで、CELEBLE(セレーブル)やL Package(Lパッケージ)は20Sをベースにした仕様車になります。
そのため、ざっくり考えるのであればグレードは2つ、横文字は全て仕様車と考えておくと良いでしょう。
ただ、SKYACTIVについてはちょっと考え方が変わります。2WDにはスカイアクティブ技術と、それに基づく機能・装備が搭載されています。4WDには、それらがありません。
スカイアクティブというのは、一言で表せば「人馬一体」を実現するための技術です。
プレマシーに搭載されているものであれば、エンジン・トランスミッションが通常とは異なります。燃費改善・走行性能の追求がされ、ミニバンとは思えない加速性能・走り心地が実現されているのです。
漠然と「2WDは燃費を抑えながら、走行性能を両立させているのだな」と考えていれば良いでしょう。それでは、各グレードの特徴について簡単に説明します。
20Cは、全車標準装備に最低限の加工を施した、ベースグレードです。価格を抑えるため、加工装飾は控えめになり、ランプはハロゲンに、ホイールの素材はスチールになっています。
20Sは、ランプがディスチャージヘッドライト(HID)になり、ホイール素材はアルミとなりました。一言でまとめると、「20Cでコストカットした部分を通常に戻した」グレードだと言えるでしょう。特別感などはありませんが、チープとも感じられません。
仕様車扱いとなるLパッケージは両側電動スライドドアとなっているのが特徴的で、ホイール素材はアルミで20Sと共通していますが、高輝度塗装が施されています。サイズも15インチから17インチになっているのです。
そして特別仕様車の20S・CELEBLEはインテリアやドアミラーといった、インテリア・エクステリアに手が加わっているグレードとなっているのが特徴です。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
プレマシーの各グレードの装備について、代表的なものをまとめてみました。
各グレードの装備内容については、他グレードと異なる仕様のものだけを集めています。たとえば、20Sなら「20Cには装備されていないもの」となりますが、CELEBLEやLパッケージとは共通する装備があるという事ですね。
全ての装備を閲覧したい場合、下記PDFをご参照ください。
http://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/pdf/premacy/premacy_specification_201607.pdf
全グレード共通の標準装備
- SKYACTIVE-G
- SKYACTIVE-DRIVE
- i-stop
- インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)
- 高剛性・安全ボディ”MAGMA”
- 頸部衝撃緩和フロントシート
- 運転席&助手席SRSエアバッグシステム
- ヒル・ローンチ・アシスト(HLA)
- タコメーター
- シートバックポケット(運転席/助手席)
- マルチインフォメーションディスプレイ(MID:カラー液晶)(2WDのみ)
- SKYACTIVE専用メーター(2WDのみ)
セカンドシート機構
- 左右独立スライド&リクライニング機構
- 左右独立ダブルフォールディング機構
- ワンタッチウォークイン機構
- センターウォークスルー機構
- セカンドシート装備
- カラクリ7thシート
- カラクリ収納ボックス(カップホルダー付)
- 大型センターアームレスト
- 外側アームレスト×2
- 左右シートアンダートレイ
- サードシート 5:5分割可倒式フラット格納機構
- フルオートエアコン(花粉除去フィルター付)
- オーディオレス(4スピーカー)
- イモビライザー
20Cの装備、インテリア、エクステリア
- ハロゲンヘッドランプ(ロービーム:マニュアルレベリング[光軸調整]機構付)
- フロントワイパー(時間調整間欠式)
- 助手席側 電動スライドドア+スライドドアイージークロージャー
- オーディオパネル(ブラック&シルバー)
- 15インチスチールホイール
- 電動式キーレスエントリーシステム(アンサーバック機能付、リアゲート連動)&マツダリトラクタブルタイプキー×1(&ノーマルキー×1)
廉価グレードということもあってか、必要最低限の装備のみを搭載しているグレードです。ヘッドランプはハロゲン、タイヤもスチールホイールが使われており、なるべくコストを抑え用としていることが見て取れますね。
ただ、助手席側のスライドドアが電動かつイージークロージャー機能付という点は好印象。使い勝手が良い装備を残しつつ、必要最低限の装備のみを付けているのはうれしいですね。
20Sの装備、インテリア、エクステリア
- ディスチャージヘッドランプ(ロービーム:オートレベリング[光軸調整]機構付)
- フロントフォグランプ
- オートライトシステム
- レインセンサーワイパー(フロント)感度調整式
- サイドアンダースポイラー
- リアルーフスポイラー
- グリルガーニッシュ(グレーメタリック)
- オーディオパネル(ピアノブラック&シルバー)
- 本革巻(シルバーベゼル)ステアリングホイール
- シフトノブ 本革巻
- クリーナブル機能
- 15インチアルミホイール
- アドバンストキーレスエントリー(アンサーバック機能付、リアゲート連動)&マツダリトラクタブルタイプキー×1(&ノーマルキー×1)
機能的な装備をはじめ、インテリア・エクステリアの各所に追加装備が増えました。なかでもちょっと聞きなれない装備となるのが、クリーナブル機能ではないでしょうか。
クリーナブル機能は、「Creen able機能」つまり「シートを綺麗にできる機能」です。ジュースやコーヒーなどをこぼせば、通常のシートならすぐに染みこんでシミができてしまいます。
しかし、クリーナブル機能のあるシートだと、染みにくい加工が施されているため、サっと拭き取ればシミが残りません。お子さんを持つご家庭ならうれしい装備となりますね。
20S-L Packageの装備、インテリア、エクステリア
- LEDドアミラーウインカー
- ブリリアントブラック グリルガーニッシュ
- クロームメッキ アウタードアハンドル
- 両側 電動スライドドア+スライドドアイージークロージャー
- エアコンスイッチパネル(ピアノブラック)
- 17インチアルミホイール(高輝度塗装)
20Sをベース車両としたLパッケージで追加される装備は以上となります。見てわかるように、主にインテリアの変更点が多く、細かな部分でチープな印象だった内装がまとまっていますね。
また、両側に電動スライドドアが追加されていることで、利便性も向上していますし、タイヤインチが大きくなったことでより安定した走行が期待できそうです。
20S-CELEBLEの装備、インテリア、エクステリア
- ワンタッチ電動格納リモコン式カラードドアミラー(シルバー/高純度塗装)
- LEDドアミラーウインカー
- グリルガーニッシュ(ブリリアントブラック)
- マフラーカッター
- アウタードアハンドル(クロームメッキ)
- シートカラー:サンドベージュ&ブラック+ステッチ
- ステアリングベゼル(グロッシーダークグレー)
- オーディオパネル(グロッシーダークグレー&シルバー)
- エアコンスイッチパネル(グロッシーダークグレー)
- 205/50R17 89Vタイヤ&17インチアルミホイール(高輝度塗装)
以上が特別仕様車セレーブルに装着される特別装備となります。他のグレードと比べて、シート地やマフラーといった大きな部分が変わっている為、室内の雰囲気だけではなくエクステリアの細かな部分ンからも特別感を味わうことが出来ます。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
各グレードの装備を見てきましたが、そのグレードの魅力については触れてきませんでした。羅列された装備を見るだけではわからない、「魅力」と選んでいるオーナーの「傾向」について、見てみます。
グレードについて「主観的」に損得を判断したところで、今度は自分にはどのグレードが合っているのか、オーナーの傾向などから「客観的」に判断してみましょう。
20Cの魅力、選んでいる人はこんな人

20Cの最大の魅力は、コストパフォーマンスと選びやすさにあります。
全車標準装備には、多くの人が重視する機能がほとんど全て備わっていると言えるでしょう。たとえば、セカンドシートの機構と装備がそうです。
それを基本とし、余計な装備は積まず、コストを抑えている点が好印象。選べるメーカーオプションやショップオプションが多いので、1つや2つ追加したい装備がある場合にも、助かります。
特に、CELEBLEにしか標準搭載されていない、運転席側の電動スライドドアをメーカーオプションで追加する人が多いです。ショップオプションには、ナビなどがあります。
これが、20Cのコストパフォーマンスが高く選びやすいという理由です。予算に余裕がない人であったとしても、20Cは躊躇なく選べるのではないでしょうか。インテリアの質感などにこだわりがないのであれば、20Cを選べば得をします。
20Sの魅力、選んでいる人はこんな人

20Sは、20Cでは不評だったインテリアの質感がほんの少しだけ改善されています。
主に本革巻の部分ですね。これがあるだけでも、運転者としてのモチベーションは高まるようです。20Cと比べて、インテリアに対する苦言が少なく見えます。
また、スチールホイールがあまり好評ではありませんでした。「せっかく、スカイアクティブ技術で走行性能・安定性ともに向上しているのだから、さらに高みを追及してアルミが欲しい」ということでしょう。
20Cの購入者は、そういった点を我慢して、走行性能や装備の充実性などに満足・納得をして購入しています。
では、20Sはどうかというと、それらが少し補われているため、比較的選びやすくなっているようです。ポジティブな気持ちで選んでいるオーナーが多く見られます。20Cとの価格差もそれほど大きくはないので、運転席側の電動スライドドアを付けても、価格はまだ安いです。
「ファミリーカーとして、全く文句なし」
「文句なし、お買い得」
以上のようなオーナーの意見からも、20Sの魅力は伝わるでしょう。
20S-L Packageの魅力、選んでいる人はこんな人

L Packageは、クロームメッキ加工・ピアノブラック加工など、他グレードよりも豪華な加工が施されています。
同価格帯の他社の車と比較して、「十分な品質」だと考える人が多いです。ただし、高級感とまではいきません。あくまでも「チープだとは感じない」「プラスチック感が薄い」といった程度です。
両側電動スライドドアが標準装備となっていて、17インチアルミホイールが魅力的。17インチは乗る前には「変えたいなあ」と考える人が多いようですが、乗って見ると案外乗り心地がマイルドなので気に入っている・そのままにしているという人が多い傾向があります。
ホイールが大きいと走行安定性などは増しますが、乗り味が硬くなるものなのですが、それが最小限に抑えられているのです。人馬一体、高い走行性能をより強く感じることができるということから、走りを楽しみたい人にも、L Packageは人気があります。
20S-CELEBLEの魅力、選んでいる人はこんな人
Lパッケージとは違う路線を突き進んでいるCELEBLEの魅力は、質感の高さでしょう。
各所のインテリアだけではなく、シートの色も変更することで、内装が整ってちょっとした差別化を図っていますし、マフラーカッターが取り付けられていることによって、前後左右どこからみても差別化を図ることが出来ます。
しかし、エクステリアの装備については細かな変更点が多く、気づかない場合がほとんどの為、Lパッケージの方に人気は流れてしまっています。
そのため、セレーブルの購入を決めた人は、「差別化を図りたい」「細かな部分にも注目したい」といった方が多い傾向にあります。
総合的に売れているグレードを考察
各グレードとも、均等に売れているといった印象ですね。
20Cの口コミもネットでは多数見られますし、中間に位置する20Sは選ばれやすく、いたるところで評価を耳にします。特別仕様車であるCELEBLEも、その特徴のわかりやすさ・魅力から、選ばれやすいです。
マツダは、各グレードごとにファンを付けるのが上手ですね。コスパを求めたい人・少しはインテリアの質感も重視したい人・こだわりを持っている人……グレードによる住み分けがしっかりと出来ています。
それらのうち、自分がどの分類に入るのかを考えれば、購入すべきグレードが見えてくるでしょう。
わからない場合はベースグレードを購入することを、おすすめします。全車標準装備が充実していますし、オプション設定も豊富です。おおむね満足できる装備が揃っており、追加する装備の選択肢も広いので、選ぶ楽しさもあります。
 
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