「経済的ミニバンの星」
2001年に登場したノアも、最早ミドルサイズミニバンの代表格です。
ハイブリッド車は2014年3代目が登場した際に新設定されたもので、トヨタのミニバンハイブリッド車の中でも比較的新しい車となっています。トヨタのミニバンハイブリッド車は多数ありますが、その中でもノアHVは特に人気があると言っても過言ではありません。
人気の理由は、ガソリン車から大幅に向上した燃費性能です。確かに燃費性能は驚異的で魅力的ですが、そればかりに注目してしまってはいませんか?
車を購入するときに付きまとってくる悩み事が、グレード選びです。燃費だけでなく、グレードごとに何が違うのかを考えなければなりません。
外装・内装・機能などなど、グレードごとに異なる部分は必ずあります。せっかく経済的に運用できる車なのですから、出来るだけ出費を抑えて、お得な買い物をしましょう。
ノアHVのグレード表
グレード | 価格 |
---|---|
HYBRID X | 3,014,280円 |
HYBRID G | 3,142,800円 |
HYBRID Si | 3,269,160円 |
HYBRID Si“W×B” | 3,363,120円 |
トヨタのミニバンハイブリッド車は、ベースグレードにだけ8人乗りが設定されているものも多いですが、ノアは皆無です。4WDの設定もありません。
価格はグレードが上がるごとに一律約10万円の値上がりと、細かく刻まれています。グレード名だけ見ていても、アルファベットばかりでよくわからないし、価格だけを見ていても、どれだけお得なのかわからないですよね。
しかし、外装・内装・機能といった仕様の違いをよく見ると、自分に適したお得なグレードはどれかわかります!
価格は、それと比べて初めて妥当性が判断できるものです。価格と仕様を見比べて、グレード探しをしましょう。
各グレードの特徴、捉え方
特別仕様車はまずは置いておいて、基本的にはX・G・Siを覚えておけば問題ありません。最もベースとなるのが、Xです。日常的に必要な装備は一通り揃っていてお得。装飾や素材などでコストカットされています。
Gは快適性の高い機能を多数追加したもので、機能にこだわる人にとっては買い得なグレードです。Siはエアロパーツが追加された仕様となっており、特別感が感じられます。
特別仕様車Si”W×B”というのは、Siをベースに二つの便利機能を追加し、内装・外装が黒で統一されたグレードです。ブラックインテリアが好きだ、メッキがたくさんあるエクステリアが好きだという人のためのグレードと言って良いでしょう。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
全グレードで共通している仕様と、グレードごとに異なる仕様とを分けて把握することによって、グレードの違いは浮き彫りになります。まずは全グレード共通の標準装備の代表的なものを挙げてから、各グレードで異なる仕様となっている装備についてじっくりと見てみましょう。
なお、全車標準装備、各グレードごとの装備について詳細を知りたい方は、以下のPDFを参照ください。
X・G・Si:noah_equipment_list_201806.pdf
Si”W×B”:noah_special_equipment_list_201711.pdf
全グレード共通の標準装備
- クルーズコントロール
- モードスイッチ(エコドライブモード+EVドライブモード+パワーモード)
- 高遮音性UVカット・IRカット機能付ウインドシールドガラス(グリーン合わせ)
- Toyota Safety Sense
- 先行車発信告知機能
- SRSエアバッグ(運転席・助手席)+SRSニーエアバッグ(運転席)
- Bi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ
- ステアリングスイッチ(オーディオ+マルチインフォメーションディスプレイ)
- セカンドシート
キャプテンシート(超ロングスライド+リクライニング+横スライド+両側アームレスト付) - スマートエントリーシステム(運転席・助手席・バックドア/アンサーバック機能付)
+プッシュスタートシステム+スマートキー2個
このほかにも多数の装備が全車標準となっていますが、気になる装備だけを抜粋しています。これだけでもかなり充実した装備内容が、標準的に装備されていることが分かりますね。
その中でも『エンジン』と『Toyota Safety Sense』の2つについて、詳しく紹介していきたいと思います。
2ZR-FXEエンジン
総排気量1,800ccエンジンに、ハイブリッドシステムを加えてノアHVの動力性能は完成します。2トンもあるボディを支えるには、やや力不足です。
市街地を中心として走るのであれば問題はないでしょうが、高速道路の走行などにおいて不満が生じることがあります。峠道や山道などには不向きです。モーター駆動との併用で20km/L以上の燃費を記録することができるため、HVとしては優秀と言えるでしょう。
Toyota Safety Sense
トヨタ独自のセーフティ機能をまとめて装備されるパッケージのようなもので、以下の装備が装着されています。
プリクラッシュセーフティシステム(レーザーレーダー+単眼カメラ方式)
「チーターのようにピタッと止まる」という売り文句の機能。2種類のセンサーで進路上の車を検出し、衝突する危険がある場合、ブザーとディスプレイ表示でドライバーに警告してくれます。
そこからブレーキを踏むと、ドライバーのブレーキを踏む力をより強力なものにしてくれるアシストが加わります。ブレーキを踏まなかった場合、自動ブレーキを作動することで衝突回避をサポートするのです。
レーンディパーチャーアラート
「ウマのようにコースを守る」という売り文句の機能。道路上の白線(黄線)を認識しながら走行します。ウインカー操作を行わずに車線を逸脱する可能性がある場合は、ブザーとディスプレイ表示で注意喚起してくれる機能です。
オートマチックハイビーム
「ネコのように光をあやつる」という売り文句の機能。先行車や対向車のライトを認識し、ハイビームとロービームを自動で切り替えます。
LEDヘッドランプ(オートレベリング[ロービーム]機能付)+LEDクリアランスランプ
車両の前後傾斜に対応し、自動でヘッドライトの照射範囲を調整してくれる「オートレベリング機能」を備えています。近年流行りのLEDヘッドランプを標準装備。LEDでなければ買わないという方もおり、そういった方の選択肢を広げています。
HYBRID Xの装備、インテリア、エクステリア
- 195/65R15タイヤ&6Jアルミホイール
- フロントグリル(カラード+メッキモール)
- ウレタン3本スポークステアリングホイール
- ブラックセンタークラスターパネル
- ブラック インサイドドアハンドル(フロント・リヤ)
- ファブリック巻ドアトリムオーナメント(フロントドア)
- ブラックドアスイッチベース
- ブラックサイドレジスターベゼル
- リヤクーラー
- ファブリックシート
- オーディオレス(カバーレス) 4スピーカー
ベースグレードとなるHYBRID Xだけに装着されている装備は以上となります。見てもらうとわかるように、よく言えば最低限のインテリア、悪く言ってしまうと安っぽいインテリアの印象を受けてしまうインテリアがちょっと気になりますね。
ただ、使い勝手の良さを重視したグレードと考えると、最低限必要な装備が搭載されているので充分満足できる内容となっていますね。
また、Xを選ぶ場合、足りないと感じたものだけをオプションで追加していくことも可能です。そのため、とてもコストパフォーマンスが高いグレードと言えます。
HYBRID Gの装備、インテリア、エクステリア
- スーパーUVカット・IR機能+撥水機能付 グリーンガラス(フロントドア)
- スーパーUVカット機能付プライバシーガラス(スライドドア・リアクォーター)
- LEDフロントフォグランプ
- 本革巻3本スポークステアリングホイール
- ピアノブラック塗装 センタークラスターパネル
- メッキ インサイドドアハンドル(フロント・リア)
- 合成皮革巻ドアトリムオーナメント(フロントドア・スライドドア)
- フロントドアスイッチベース(ピアノブラック塗装)
- サイドレジスターベゼル(ピアノブラック塗装)
- リヤオートエアコン(リヤクーラー+リヤヒーター)
- 「ナノイー」
- ハイグレード/消臭機能付 ファブリックシート表皮
- 快適温熱シート(運転席・助手席)
- バックドアイージークローザー
- オーディオレス(カバーレス) 6スピーカー
HYBRID Gの追加装備は以上となります。
グレードアップされた装備が多いのに目が行きますね。
インテリアの各所にピアノブラック塗装がされていて、落ち着いた印象となっているのもうれしいポイントですが、注目してほしい装備はズバリシートです。
HYBRID Gに装着されているシートは消臭機能付となっており、どうしても染みつきやすくなる汗やたばこといった気になるニオイ対策に繋がります。大人数で乗ることを前提として考えられているので、かなり魅力的なポイントになるのではないでしょうか。
その上、抗菌・高ウィルスイオンのナノイーが搭載されたオートエアコンで、インテリアの質感を含め快適な空間となっているのが特徴的です。
また、このグレードからバックドアイージークローザーが装着されていて、女性や子供でも気軽にスライドドアの開け閉めが出来るようになっていることにも注目です。
HYBRID Siの装備、インテリア、エクステリア
- 205/55R16タイヤ&6J鍛造アルミホイール(BBS製)
- 専用エアロパーツ
- Bi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(ブラックエクステンション)
- エアロ専用/消臭機能付 ファブリックシート
HYBRID Siで新たに追加される装備は以上となります。
「え?これだけ?」と感じるかもしれませんが、HYBRID Siはどちらかというとインテリアよりもエクステリアの装備が充実しているグレードなんです。
画像で見てもらうとわかるように、フロント大型バンパーやリアバンパーをはじめ、フロントフェンダー、リアスポイラー、大型サイドマッドガードにエアロパーツが取り付けられ、見た目に大きな変化が出ています。
ただ、その分Gと比べるとスーパーUVカット機能が取り払われていたりナノイーが搭載されていなかったりと、グレードダウンした機能が装着されているのが難点ですね。感覚的にはXよりも装備が充実していて、Gよりは装備が少ない(グレードダウンしている)といったところでしょうか。
特別仕様車 HYBRID Si“W×B”の装備、インテリア、エクステリア

- アウトサイドドアハンドル(メッキ)
- バックドアガーニッシュ・リヤコンビネーションランプガーニッシュ(スモークメッキ)
- 専用エンブレム(ハイボクサル製)
- インサイドドアハンドル(フロント・リヤ)[メッキ]
- LEDルームランプ(フロントパーソナル・センター・リヤ)
- リヤオートエアコン(リヤクーラー+リヤヒーター)
- 合成皮革巻ドアトリムオーナメント(フロント/リヤ)
- 専用シート表皮(合成皮革+ファブリック&ホワイトステッチ)[消臭機能付]
- ワンタッチスイッチ付パワースライドドア[デュアル(両側)]
- オーディオレス(カバーレス) 6スピーカー
- 内装色(ブラックフロマージュ〈特別設定〉)
特別仕様車となるSi”W×B”で装着される特別装備は以上となります。Siではちょっと足りなかった利便性に富んだ装備が追加されているのがポイントですね。
中でも注目装備となるのは、元々オプション装備だったデュアルパワースライドドアが標準装備されている点。
コレはスイッチを押すだけでスライドドアが自動的に開いてくれるシステムで、両側に搭載されているのはうれしいポイントになるでしょう。買い物等で手がふさがっているときにぽちっと押すだけでドアが開くのは使い勝手が良いです。
その上イージークローザーも両側についているので閉めるときも楽ですし、挟み込み防止機能で安全性も確保されています。
次にインテリアを見てみましょう。
エクステリアは、ダークメッキ&スモークメッキがメインに変更されて精悍さが増しており、インテリアは天井から側面・インパネにかけてまでブラックで統一され、シックな印象となっています。黒を基調とした内外の雰囲気が好きだという方にとっては、価格の妥当性も高いと感じられるのではないでしょうか。
また、特別設定として内装がモノクロとなる『ブラックフロマージュ』も選ぶことが出来、インテリアから差別化が出来るようになっているのもポイントです。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
ここまでは、各グレードの仕様の違いについて説明してきました。
仕様を見ると、役割分担がとてもよく出来ているグレード体系だということがわかります。ユーザーがどのような意図でそのグレードを選ぶのか、装備を見ているだけでも想像できるでしょう。
ここで今一度、各グレードの特徴や魅力についてまとめてみます。また、それらを選んだオーナーたちの傾向・意見などについても触れてみましょう。
HYBRID Xの魅力、選んでいる人はこんな人
ハイブリッド専用装備や、HVとしての基本的な装備は一通り揃えています。
ノアは高速道路よりも街中を走るのに向いている車だということは、エンジンの説明で触れました。この「X」というグレードは、街中での日常使いが多くなる人にとって最適なグレードだと言えるでしょう。
Toyota Safety Sense Cが標準搭載され安全性能が高まり、市街地走行でのうっかりミスが防がれます。助手席側にパワースライドドアが設定されていることで、助手席にちょっとした買い物の荷物を載せるのにも便利です。
オーナーの中には、
「ロングスライドがびっくりするくらいに広い」
「3列目の折り畳みがワンタッチでできるのがすごい」
などと感じている方が大勢います。
頻繁に使用する部分の使い勝手がとてもよく、ガソリン車に比べて低燃費に運用できる。実用的かつ経済的で、しかも価格も抑えられているというのが、Xの魅力ということです。
クルーズコントロール以外、リヤオートエアコンやデュアルパワースライドドアはオプション追加することができ、欲しいところだけを揃えることができるというのも、このグレードを選びやすくしています。
HYBRID Gの魅力、選んでいる人はこんな人
Xではオプションで追加しなければならない装備が、一通りパッケージングされているのが魅力的なポイントです。
価格もXから11万円程度プラスするだけであり、Xから追加したい装備が複数ある場合はGを選んだほうがお得です。「ナノイー」やクルーズコントロールなどといった、オプション追加できない装備も揃います。
オーナーの多くが、
「満足感が高い」
「価格は多少高めかもしれませんが、満足度から考えると妥当です」
という風に考えています。
装備もメーカーお勧めの実用的な物ばかりなので、後悔することはないようです。上位のグレードに乗っているのだというプライドや見栄も満たすことができますよ。
HYBRID Siの魅力、選んでいる人はこんな人
専用エアロパーツを備えていながら、非エアロ仕様との価格差が抑えられています。
上級グレードであるGと比べると12万円程度、Xと比べると23万円程度の価格差です。エアロ代プラス16インチタイヤ&鍛造ホイール代だと考えると安いと感じるのではないでしょうか。
装備が一部簡略化されていますが、それを価格を抑えるためだと納得することができるか、装備が簡略化されるのは嫌だと感じるかによって、このグレードの価値も変わります。当然のことながら、購入したオーナーは「エアロがかっこいい」とご満悦の様子です。
実用性の高い機能を抑えてエクステリアに特別感を持たせている車は、家族からの反対を買うことも多いでしょう。非エアロ仕様との価格差が比較的抑えられているからこそ、家族に提案もしやすく、受け入れられやすいです。
ただGを検討していた家庭でなく、Xを検討していた家庭のほうが、Siを受け入れやすいのではないでしょうか。
特別仕様車 HYBRID Si“W×B”の魅力、選んでいる人はこんな人
エクステリア・インテリアのどこを見ても、黒・黒・黒。シックで大人の雰囲気を押し出しています。人によっては閉塞感を感じるかもしれませんが、高級感や落ち着いた雰囲気を感じるという人にとっては魅力的なパッケージでしょう。
また、内外装の装飾だけでなく、両側パワースライドドアやクルーズコントロールといった実用性の高い装備も追加されているのも注目すべきポイントです。
Siで装備内容に不満だし、もっとインテリアにも目を向けたい、そう思っている人にはオススメのグレードだと思います。
総合的に売れているグレードを考察
ノアHVは需要ごとにグレード分け、それが成功している車です。
グレード選びをする際には、ベースグレードであるXを基本としましょう。そこから、オプション追加できるもので欲しい装備だけを追加していくのが王道の選び方です。
追加したい装備が二つを超えればGを購入するほうがお得なことが多いですし、クルーズコントロールが欲しいならGを選ばなければなりません。欲しい装備によって選ぶグレードを変え、予算との都合を摺り合わせましょう。
せっかく経済的に運用できるのですから、買うときも経済的に。日常的に使う装備はどれか、であればどのグレードを選べばいいかをXをベースとして考えてみることをおすすめします。それが、ノアHVの賢い買い方ではないでしょうか。
 
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