背が高いミドルサイズミニバンの中でも特に有名で人気の高いのが、ホンダのステップワゴン。
1995年5月にホンダのクリエイティブ・ムーバー第3弾として発表され、以降5代目の現在に至るまで長年親しまれ続けています。20年近くでエクステリアの雰囲気も大幅に変わり、時代に沿った形となりました。
床の位置が低めに設計されており、乗り降りしやすく、居住性・走行安定性ともに優れています。
エンジンも1,500ccのターボエンジンが採用され、ミドルサイズミニバンとしては低燃費でありながら高い実用回転域の駆動力を持ち合わせていることが、人気の理由のひとつです。
そんなステップワゴンを購入するにあたって、最初に考えなければならないのが、どのグレードを購入するのかということ。グレードによって価格と装備が異なり、どれを選ぶのかによって損・得が決まります。
グレードごとの違いを明らかにし、自分に合ったグレードはどれなのか見極めましょう。
ステップワゴンのグレード表
グレード | 価格 |
---|---|
B・Honda SENSING | 2,455,920円 (2,715,120円) |
G・Honda SENSING | 2,661,120円 (2,898,720円) |
G・EX Honda SENSING | 2,862,000円 (3,078,000円) |
Modulo X Honda SENSING | 3,419,280円 |
※()内は4WD価格
Modulo X(モデューロX)はFFのみ、つまり2WDにだけ設定されています。
価格差をみてみると全体で約96万円ですが、モデューロを除いた場合の価格差は約40万円となるので妥当なラインと言えます。
また、G・EXとモデューロXとの間には上位グレードとなる「SPADA(スパーダ)」が設定されており、段階を踏んでモデューロへとグレードアップしているのですが、今回はスパーダを省いて基本グレードのみで考えて行きましょう。
ピンからキリまで価格の幅は大きいですが、装備や仕様の違いがその価格と釣り合うか、もしくは上回っていれば高価格のものを選んでも得だと言えます。価格だけでは損得の判断が付けられないので、装備や仕様の違いについても見てみましょう。
各グレードの特徴、捉え方
ステップワゴンの基本グレードとなるのはBとG、そしてModulo(モデューロ)Xの3つだけ。EXはGグレードの上位互換だと考えておくとわかりやすいです。
各グレードの特徴を簡単に見ていくと、全グレード共通の標準装備に必要最低限の機能を付けたベースグレードとなる『B』、充実した安全装備をはじめとした各種装備がそろった『G』。『ModuloX』は最上級のグレード、というよりかはとにかく『走行性能』にこだわったグレードとなっているのが特徴といえますね。
また、Bはコストパフォーマンスがとても優れていて、車の装備に関して強いこだわりがある場合にはおすすめできませんが、そうでない場合は価格も低くおすすめです。
Gは比較的低価格で充実した安全装備をつけることができ、オプションでナビを付けることができるようになりました。ヘッドライトがLEDではないなど気になる点もありますが、Bよりは利便性も高いため、Bでは満足できない場合にはGを検討すると良いでしょう。
G・EXはヘッドライトがLEDになり、アルミホイールが装備されています。利便性だけでなくインテリアの質感・雰囲気の向上もされていて、満足度の高いグレードです。上級シリーズのスパーダやモデューロより安い価格で必要十分な装備が手に入ります。
モデューロXは最上位グレードです。エクステリアには専用パーツが付けられ、シートも一新されています。見た目にこだわる人でも、利便性にこだわる人でも満足できるのがこのグレードです。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
各グレードの特徴について軽く触れたところで、今度は装備内容を基準として各グレードの特徴を見てみます。
各グレードの代表的な装備について取り上げ、どの装備・機能が異なっているのかを明らかにし、価格と釣り合う内容となっているかを考えてみましょう。
また、自分が欲しい装備がそろうグレードはどれかを見ることも大切です。
全グレード共通の標準装備
- Honda SENSING(ホンダセンシング)
- 運転席/助手席i-SRSエアバッグシステム
- オフスイッチ付 アイドリングストップシステム
- 運転席ハイトアジャスター
- パワーウインドウ(運転席<挟み込み防止機構付/ワンタッチ式>/助手席/スライドドア)
- リアヒーターダクト
- 車速連動オートドアロック(テールゲート連動)
- 2列目キャプテンシート(両側アームレスト付)
- 高熱線吸収/UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア/リアクォーター/テールゲート)
以上のような、基本的な装備が全グレード共通の標準装備となっています。i-SRSエアバッグはホンダのエアバッグシステムとして近年ではお馴染みのものです。SRSエアバッグよりも高い保護性能と低衝撃性を実現しています。
運転席ハイトアジャスターは座席の座面を上下させることのできる機構です。高級車に装備されることの多い機構ですが、近年では女性が運転する機会の多いファミリー向けの車種に多く採用されています。
これがあると男女かかわらず運転しやすいポジションを見つけることができるので、非常に便利です。
パワーウインドウは運転席のみという車種も多いですが、ステップワゴンでは助手席やスライドドアにも全グレード標準で装備されています。UVカット機能付のプライバシーガラスもファミリー層にはうれしい装備ではないでしょうか。
全グレード共通の標準装備だけでも様々な装備が充実しており、利便性が高いですね。
また、標準装備の中でも一番の魅力となるのが、全グレードに『Honda SENSING』が装備されている点です。
グレード表を見た時に「グレードの後ろについている、”HondaSENSING”って何?」と感じた方も多いと思いますので、装着される装備についてここで簡単に紹介しておきます。
衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉
単眼カメラとミリ派レーダーによって先行車両・対抗車両・歩行者を検知し、衝突の回避支援を行う機能です。ディスプレイ内の表示・警告音に加え、ステアリングの振動にて警告をし、それでも回避操作が見られない場合にはブレーキが自動で作動します。
歩行者事故低減ステアリング
路側帯の歩行者や車線検知し、歩行者側の車線を逸脱して歩行者との衝突が予測されるとディスプレイ内の表示および警告音で注意喚起をします。ステアリングを回避方向へ制御する機能もあって便利です。
渋滞追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
Honda SENSINGで最も日常的に使用する機能です。前走車との車間距離と速度差を検知し、設定された速度内で自動で加減速を行い、前走車に追従します。
LKAS(車線維持支援システム)
車両が車線中央を維持するよう、ステアリング操作を支援してくれます。ACCと併せて、高速道路等での運転負荷が軽減される機能です。
路外逸脱抑制機能
車線を検知し、車線を逸脱しないようにディスプレイ表示・ステアリングの振動で警告を行うと同時に、車線内へと戻すようにステアリングの制御を行ってくれます。大きく逸脱すると予測される場合には、ブレーキ制御によって逸脱が抑制されます。
誤発進抑制機能
駐車場などで急発進を行い、前方障害物とぶつからないようにするため、または信号で急発進し前方車両に衝突しないようにするための機能です。停車時や約10km/h以下で走行中に作動。ディスプレイ表示や音で注意喚起を行います。
先行車発進お知らせ機能
先行車が発進しているにも関わらず、こちらが発進しない場合に警告をしてくれる機能です。
標識認識機能
標識の見落としをしないように、ディスプレイに標識の内容を表示してくれます。
Bの装備、インテリア、エクステリア
- マルチリフレクターハロゲンヘッドライト(マニュアルレベリング機構付)
- LEDハイマウント・ストップランプ(通常タイプ)
- オーディオレス(2スピーカー)
- アクセサリーソケット(フロント×1個)
- トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンディショナー(4WDのみ)
- フロント・フルオートエアコンディショナー(左右独立温度コントロール式)+リア・マニュアルクーラー(2WDのみ)
- パワースライドドア(リア左側のみ)
- 電波式キーレスエントリーシステム(キー1個付)
- マルチインフォメーション・ディスプレイ(タイヤ角度モニター/ECOドライブ ディスプレイ/エネルギーフロー/経過時間/外気温/平均車速 表示機能など)
- コンビニフック付1列目シートアームレスト(運転席側のみ)
- 16インチスチールホイール+スチールラジアルタイヤ+フルホイールキャップ
ヘッドライトがLEDではなくマルチリフレクター式ハロゲンランプとなっている点など、上位グレードに比べてグレードの低い装備・機能が付けられている部分が多数あります。キーレスエントリーやマルチインフォメーションディスプレイなどもそのひとつです。
また、4WDには上位グレードと同じトリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンが付けられているという点は高く評価できます。トリプルゾーンコントロールというのは、その名前の通りで3箇所別々に温度調整ができる機能です。
トリプルゾーンとは運転席・助手席・後席の3つのゾーンを意味します。乗車する人ひとり一人に合わせて温度調節ができるので、男女・大人子供関係なく快適な車内環境を作ることが可能です。
FFを選択するか、4WDを選択するかということは走行性能だけでなく、車内快適性にまで影響します。Bを選ぶ場合には走行性能と快適性の両方を検討し、自分たちには4WDが必要かどうかを十分に吟味すると良いでしょう。
Gの装備、インテリア、エクステリア
- セキュリティアラーム(国土交通省認可品)
- 6スピーカー
- アクセサリーソケット(フロント・リア1個ずつ)
- トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコン(4WDのみ)プラズマクラスター技術搭載
- フロント・フルオートエアコン+リア・マニュアルクーラー(2WDのみ)プラズマクラスター技術搭載
- パワースライドドア[両側](イージーオープンドアハンドル/タッチセンサー挟み込み防止機構付)
- Hondaスマートキーシステム(キー2個付)&パワースイッチ
- 室内確認用ミラー付サングラスボックス
- コンビニフック付シートバックテーブル(運転席/助手席)
- シートバックアッパーポケット(運転席/助手席)
- 各種インテリア
インテリアイルミ―ネーション(フロンドアライニング他)
シルバーメッキエアコンアウトレットノブ
高純度シルバー塗装インナードアハンドル
ロールサンシェイド(スライドドア両側) - わくわくゲート
- IRカット〈遮熱〉/UVカット機能付 フロントウインドウガラス
- IRカット〈遮熱〉/スーパーUVカット フロントドアガラス
Bと異なる装備・機能の中で代表的なものをまとめました。
エアコンにプラズマクラスターが搭載されていたり、各種インテリアが華やかになったりと、エクステリア・インテリア・各種快適装備と大きく手が加えられています。
中でも特徴的なのは、Gグレードから搭載されている「わくわくゲート」ではないでしょうか。
この装備は簡単に説明すると、バックドア(トランクドア)が2通りの開け方ができるようになっている物で、車の後ろにスペースがない場合でも、ドアを横に開くことで荷物の積み下ろしも楽にできますし、3列目のシートから乗り降りするときにも便利な装備となっています。
子供でも楽に開閉が出来るので、アウトドアやちょっとしたドライブ時にも使える装備ですね。
G EXの装備、インテリア、エクステリア
- LEDヘッドライト(ロービーム、オートレベリング/オートライトコントロール機構付)
- 運転席&助手席シートヒーター
- トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコン(2WD・4WD両方)プラズマクラスター技術搭載
- グラブレール(運転席/3列目左右)
- コートフック(2列目右側、3列目左右)
- センターテーブル(インストルメントパネル内蔵型)
- 調光機能付LEDルームランプ(LEDマップランプ付/1~3列目)アンバー
- 木目調インパネミドルパッド
- フロントドアアームレストパッド
- スライドドアライニングパッド
- 照明付 運転席用&助手席用バニティミラー付サンバイザー
- 16インチアルミホイール+スチールラジアルタイヤ
ヘッドライトがLEDになり、スチールホイールからアルミホイールになったというのが、Gからの最も大きな変更点ではないでしょうか。
トリプルゾーンコントロールも駆動方式による違いなく装備されており、運転席や3列目左右にグラブレールが装着され、シートアレンジの幅が広がったのも好印象です。
また、特に運転席・助手席のインパネの配色が木目調になったことで、より落ち着いた雰囲気になっていると思います。
こうして価格と見比べてみても満足できる内容ではないでしょうか。特にヘッドライトやアルミホイールに関しては絶対必要条件として挙げている人も多いです。そういった場合、G・EXは様々な装備・機能が備わっているためお得と言えるでしょう。
Modulo Xの装備、インテリア、エクステリア
- アクティブコーナリングライト
- LEDハイマウント・ストップランプ(スモークタイプ)
- 専用装備
フォグライト(専用デザイン)
ブラック コンビシート(プライムスムース×ソフトウィーブ)&専用インテリア
17インチアルミホイール+スチールラジアルタイヤ(専用デザイン)
Modulo X専用サスペンション - ダブルホーン
- ETC2.0車載器ナビ装着用スペシャルパッケージ
- フロント・フルオートエアコンディショナー(左右独立温度コントロール式)+リア・マニュアルクーラー
- ディンプルレザー&スムースレザー/ピアノブラック調 本革巻ステアリングホイール
- インテリアイルミネーション(バイオレット)
- パドルシフト
以上のほかにも、インテリア内さまざまな場所にダーククロームメッキ加飾が施されており、利便性だけでなくインテリアの雰囲気向上も図られています。
専用エクステリアや専用デザインもまた、見た目に変化を加えており、Modulo Xの見た目が気に入ったという方は購入検討の価値があるのではないでしょうか。なお専用エクステリアには、以下のようなものが含まれます。
- フロントグリル
- フトンロエアロバンパー
- フロントビームライト
- ドアミラー(プレミアムスパークルブラックパール)
- リアロアディフューザー
画像を見比べてみるとわかりますが、フロントデザインが大きく異なっています。特にグリル周辺が強調され、より存在感が強くなっているのがわかるでしょう。このような見た目に関する変更点、利便性の向上などがModulo Xで注目すべき点です。
最上位グレードと言うにふさわしい存在感と、インターナビが標準装備となっている・便利な機能がすべて詰まっているといった利便性の高さから考えると、この価格になっているのも納得ができます。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
ステップワゴンはグレードごとに装備内容が大きく異なり、どのグレードも選ぶ価値のあるグレードだということがわかりました。
ここで今一度各グレードの魅力を整理し、どのような人が選んでいるのかを知ることで、自分のニーズと一致するグレードはどれか、考えてみましょう。
Bの魅力、選んでいる人はこんな人

Bの魅力は、ステップワゴンを低価格で購入できるという点です。おそらくは予算が余るという人が多いのではないでしょうか。
ファミリー向けの車ということで、出来る限り節約して経済的に乗りたいという人が多いはずです。そのような方にはBが選ばれており、こちらとしてもおすすめできます。
しかし、ヘッドライトがマルチリフレクター式であり、ナビの装着が出来ないという点は気になる人も多いでしょう。その点が気になるという方はBは避けるべきです。
あくまでも乗り出しに最低限必要な装備さえ揃っていれば良いという場合に、Bを選ぶべきでしょう。
Gの魅力、選んでいる人はこんな人

安全面で選んでいる人が多いです。Honda SENSINGが搭載されていて、なおかつナビも装着できるようになっているため、非常に選びやすいグレードとなっています。
特に高速道路を頻繁に利用する人はACCの必要性が高いと感じ、ACC目的でGを選ぶようです。
必要な機能は大方揃っており、オプションでナビも追加できます。ヘッドライトにこだわらないのであれば、機能・価格面で考えて割安です。
G・EXの魅力、選んでいる人はこんな人

近年ではLEDヘッドライトがとても普及してきており、新しく乗り換えるならLEDヘッドライトが欲しいと考える人が多くなってきているようです。そういった方にはG・EXが選ばれています。
LEDヘッドライトが装備され、その他必要最低限以上の機能も備わっていてお得感が高いです。割安とまではいきませんが、価格の妥当性が高く、選びやすいのも魅力のひとつとなっています。
Modulo Xの魅力、選んでいる人はこんな人

最上位グレードであるため、装備内容が豪華です。エクステリアも専用パーツが装備され雰囲気が変わっていますし、ブラックコンビシートも魅力的。9インチインターナビと、それに連動したドラレコが標準装備というのも良い点です。
しかし、ステップワゴンの購入者層を考えると価格設定が高いため、選びにくくなっています。予算に大きく余裕がある場合はまだしも、そうでない場合は追加予算を出してまで購入しようとは思わないでしょう。
魅力のあるグレードではありますが、予算に大幅な余裕がない場合には検討する余地がないグレードと言えます。
総合的に売れているグレードを考察
装備と価格のバランスや、口コミ数などから見て、最も売れているグレードはGでしょう。充実した機能と割安な価格設定が功を奏し、多くの人に選ばれています。ただやはり最初はベースグレードであるBを基準として検討してみてはいかがでしょうか。
より上位のグレードを購入するかどうかは、Bを検討して物足りないと感じたときに決め、足りない装備内容と予算の限界とをすり合わせてグレードを選ぶことをおすすめします。
このようにグレードを選べば、予算に余裕のある人でも、あまり余裕のない人でもお得にステップワゴンを購入することができるのではないでしょうか。
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。
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