トヨタのヴェルファイアやアルファードと並ぶ、ホンダの上級ミニバンであるオデッセイ。
現行5代目にもなる車種ですが、2016年2月にハイブリッド車が生まれました。販売不振に悩まされていたオデッセイの売り上げが再度伸び始めたのは、このハイブリッド車のおかげだと言われています。
ミニバンのハイブリッド車と言えばトヨタのイメージが強いですが、ホンダのオデッセイHVも決してトヨタに負けてはいません。
良質な乗り心地と実燃費の低さとエンジンの静粛性はハイブリッドならではで、クオリティが高いです。
そんなオデッセイHVを購入しようと考えている人にとって悩ましいのはグレード選び。
多くのグレードが設定されているこの車種で、自分が得するグレードはどれなのかを見極めるのは、なかなか難しいです。
そこでオデッセイHVに設定されているグレードの特徴からその違いについて解説していきます。自分に適したグレード選びのため、ご参考ください。
オデッセイHVのグレード表
グレード | 定員 | 価格 |
---|---|---|
HYBRID Honda SENSING | 8人 | 3,750,000円 |
7人 | 3,836,400円 | |
HYBRID ABSOLUTE Honda SENSING | 8人 | 3,850,000円 |
7人 | 3,936,400円 | |
HYBRID ABSOLUTE・EX Honda SENSING | 7人 | 4,150,000円 |
ガソリン車にはすべて4WDのがありましたが、ハイブリッド車にはありません。
また、ABSOLUTE EXパッケージは7人乗りのみの設定となっています。
価格差は、7人乗りの場合グレード全体で約32万円、各グレード間だと価格差は10~20万円程度となり、8人乗りの場合だと10万円程度の価格差しかないです。
また、ガソリン車だと最安価で298万円程度、最高値で365万円程度の為、HYBRIDは最安価なものでもガソリン車の最高値グレードより高い価格設定となっています。
ハイブリッド技術を搭載しているということも理由として挙げられるでしょうが、ガソリン車との装備の違いなども理由となっているのでしょう。装備については追々詳しく見ていきますが、そういった理由もあり、ガソリン車よりもグレードごとの価格差が低く設定されています。

各グレードの特徴、捉え方
オデッセイHVには、HYBRIDとHYBRID ABSOLUTEの2タイプあります。そしてHYBRID ABSOLUTEに多彩な便利機能を追加したHYBRID ABSOLUTE EXが設定されているのです。
タイプごとによって異なるのは、高さです。HYBRIDは全高が1,695mmなのに比べ、HYBRID ABSOLUTEは1,685mmと10mm低くなっています。
最低地上高もHYBRIDは150mm、HYBRID ABSOLUTEは140mmと異なる仕様となっているのです。
ガソリン車だと2タイプでエンジンの仕様が異なるのですが、ハイブリッド車はエンジンは同様の仕様となっています。ガソリン車よりは違いが少ないということです。

さらに今回のマイナーチェンジで注目すべきグレードのポイントが、Honda SENSINGの標準搭載です。
これまでは上位グレードに飲みついており、標準グレードにはついていなかったのですが、今回の改良により全てのグレードに搭載されることになりました。
そこで、ここでは少しHonda SENSINGの内容について見ていきましょう。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)
ミリ波レーダーと単眼カメラで、先行車両・対向車・歩行者を検知し、衝突の恐れがあるとコンピュータが判断した場合、ディスプレイの表示や音にて警告。
それでも接近している場合には軽いブレーキをかけて体感的に警告をしてくれます。さらに緊急性が高まれば、ブレーキが強くなるという、心強いシステムです。
歩行者事故低減ステアリング
CMBSと同じ仕組みで路側帯の歩行者や車線を検知し、歩行者と衝突する可能性がある場合にディスプレイの表示や音で警告。ステアリングを回避方向へと自動制御し、ドライバーの回避操作を促してくれます。
ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
先行車両との車間距離と速度差を検知し、予め設定された車速内で加速・減速を行い、先行車両に追従します。適切な車間距離を保つように自動でアクセルおよびブレーキの制御を行うので、高速道路を運転するときの運転者の負荷を軽減することが可能です。
LKAS(車線維持支援システム)
車線を検知して車線の中央を維持するよう、ステアリング操作を支援、運転負荷の軽減に繋がり、予防安全にも繋がります。
路外逸脱抑制機能
車線を逸脱しそうな場合、ディスプレイの表示・ステアリングの振動で警告してくれます。同時に車線内へと車体を戻すよう、ステアリングを自動制御します。
誤発進抑制機能
名前のとおり、不注意による急発進を抑制して注意喚起を行ってくれる機能です。停車時・約10km/h以下で走行中、近距離に先行車両があると検知した場合に作動します。
後方誤発進抑制機能
停車時や10km/h以下の低速後退時、ほぼ真後ろの近距離にある障害物を検知して、ドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合の、急な発信を抑制します。
先行者発進お知らせ機能
信号待ちなどで、先行車両の発進に気づかずに停止を続けた場合に音と表示で警告してくれます。
標識認識機能
案外見落としがちになる道路標識を単眼カメラで認識し、ディスプレイにその内容を表示します。
オートハイビーム
夜間走行時、ハイビームとロービームを自動で切り替えます。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
各グレードの装備の差が大きければ、価格差が大きくても納得ができます。
装備の差が大きく、なおかつ価格差が小さければお得感が生まれる。どのグレードがお得なのか、どのグレードが自分に合っているのかを知るには、サイズの違いだけでなく、装備の違いについて知らなければなりません。
ガソリン車と装備の違いはあるのか、標準タイプ同士で違いがあるのか、などについて詳しく見てみましょう。
全グレード共通の標準装備
- LEDヘッドライト(ロービーム、マニュアルレベリング機構付)
- エコアシスト(ティーチング機能付)
- 両側パワースライドドア(イージーオープンドアハンドル/タッチセンサー/挟み込み防止機構/スライドドア・イージークローザー付)
- 全ドアワンタッチ式パワーウインドウ(挟み込み防止機構/キーオフオペレーション機構付)
- マルチインフォメーション・ディスプレイ
- メーター照明色(ブルー)
- 本革巻ステアリングホイール
- 2列目大型ロールサンシェイド
- LEDカーテンランプ(フロント)
- LEDルームランプ
- フロントウインドウガラス(IRカット<遮熱>/UVカット機能・遮音機能付)
- フロントドアガラス(IRカット<遮熱>/スーパーUVカット)
- エアロダイナミクス・カラードバンパー(クロームメッキモール付)(フロント/リア)
- エアロダイナミクス・ドアロアガーニッシュ(クロームメッキ調モール付)
- 電動サーボブレーキシステム
まずはガソリン車との違いを簡単に見てみましょう。
LEDヘッドライトや全ドアワンタッチ式パワーウインドウ、マルチインフォメーションシステム、本革巻ステアリングホイールなど、ガソリン車では全グレード共通ではなかった標準装備が、ハイブリッドでは多数あります。ハイブリッド専用装備があるのも特徴的です。
電動サーボブレーキシステムというのも、ハイブリッド車ならではのものです。
これは車が減速するときにモーターが作り出す電気を多く回収し、走るエネルギーに変えるシステムとなっています。
これは、電気の回生とも言われています。減速のエネルギーは摩擦熱として捨てられてしまうのですが、それをなるべく捨てないようにして電力として回収しているため、燃費性能が向上するというシステムです。
LEDルームランプは1列目シート用ルームランプ&左右独立スポットランプ・2列目/3列目シート用左右独立ルームランプが備わっています。
ガソリン車では標準タイプには装備されていませんでしたが、ハイブリッドでは全グレード標準装備です。
このように、ガソリン車ではグレードごとに異なる設定となっている装備の多くがハイブリッドでは全グレード共通の標準装備となっているため、ハイブリッドのベースグレードが、ガソリン車の最高値グレードよりもやや高い値段設定になっているのでしょう。
グレードごとの違いはガソリン車ほど多くはなさそうです。
HYBRIDの装備、インテリア、エクステリア
- フロント・フルオートエアコンディショナー+リア・マニュアルクーラー(プラズマクラスター技術搭載)
- 2列目プレミアムクレードルシート(オットマン/ボトルホルダー /角度調節式両側アームレスト付)<7名乗りのみ>
- 16インチアルミホイール
- インストルメントパネル&フロントドアパネル(木目調)
- 2列目/3列目シート用独立エアコンアウトレット
- 運転席用&助手席用バニティミラー付サンバイザー(照明なし)
全グレード共通の標準装備以外に、上記の装備がプラスされます。
特に変わった装備はありませんが、標準装備だけでも上級ミニバンと呼ぶにふさわしい上級の装備が揃っていると言えるのではないでしょうか。
ガソリン車のベースグレードだとこれらよりも下級の装備が付けられているものもありますが、ハイブリッド車は価格設定が高いということもあり、ベースグレードから装備が上級です。
運転席用&助手席用バニティミラー付サンバイザー照明なしなど、機能面で他グレードのほうが豪華にはなっていますが、走り出しには必要十分以上の装備内容となっています。
価格設定が高めなのは否めませんが、オデッセイHVの中ではベースグレードが特にお得感が高いと言えるのではないでしょうか。

HYBRID ABSOLUTEの装備、インテリア、エクステリア
- コンビシート(プライムスムース×ファブリック)
- 黒木目調スライドドアパネル
- インストルメントパネル&フロントドアパネル(黒木目調)
- 運転席用&助手席用バニティミラー付サンバイザー(照明付)
- センターピラーグリップ(クロームメッキモール)
- 17インチアルミホイール
- ABSOLUTE専用チューニングサスペンション
HYBRID ABSOLUTEには、以上のようなHYBRIDとは異なる装備が付けられています。HYBRID ABSOLUTEとHYBRIDの大きな違いはABSOLUTE専用の装備がついたかどうかでしょう。
アルミホイールもスポーティなタイプの17インチになりましたので、見た目がかっこよくなり、より走りやすくもなっています。
HYBRIDとの価格差は10万円ほどありますが、その差を埋めるには十分な装備・仕様の違いと言えるのではないでしょうか。

HYBRID ABSOLUTE・EXの装備、インテリア、エクステリア
- LEDアクティブコーナリングライト
- マルチビューカメラシステム
- Hondaスマートパーキングアシストシステム
- パーキングセンサーシステム
- 後退出庫サポート
- ブラインドスポットインフォメーション
- 運転席&助手席シートヒーター
- トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンディショナー(プラズマクラスター技術搭載)
- コンビシート(プライムスムース×ファブリック)
- 助手席4ウェイパワーシート(スライド/リクライニング)
HYBRID ABSOLUTE・EXは現行のオデッセイHVの中では最高級のグレードになります。価格も標準グレードのHYBRIDと比べると30万円程度の差がありますが、搭載されている装備を見てみても、決して高すぎる値段ではないでしょう。
それぞれの装備について簡単に説明していきましょう。
LEDアクティブコーナリングライトは、曲がる方向を照らし出してくれる機能です。ステアリング操作などと連動して、約40km/h以下でヘッドライトを点灯している場合に作動します。
ブラインドスポットインフォメーションは車線を変更するときなどに見えづらい位置(ブラインドスポット=にある車を検知し、その車のある方のサイドミラーで表示してくれる機能です。
そのほか、1列目左右席・リア席の3つの各ゾーンで温度設定ができるトリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンなど、便利な装備が揃っています。
HYBRIDの中でも、申し分ない装備を搭載しているHYBRID ABSOLUTE・EXですので、予算がある方でしたら、ぜひおすすめしたいグレードと言えます。

各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
オデッセイHVはグレード設定が多いためにややこしいと感じますが、よく見てみると各グレードごとの違いはとても単純でわかりやすく、それぞれの役割を持っているということがわかりました。
グレードを選ぶときには、そのグレードの持つ役割から決定してみても良いでしょう。
各グレードの役割を明確にするために、今一度グレードの魅力について整理し、さらにオーナーがどのようにしてこのグレードを選んでいるのかについて触れてみます。
ベースグレードで十分か、オプションで付けたすのか、それとも他のパッケージを購入するのか、判断の基準としてみてはいかがでしょうか。
HYBRIDの魅力、選んでいる人はこんな人

ガソリン車とハイブリッド車を比較し、ハイブリッド車を購入する決断をした人にとって、予算というのは大きな問題となっています。
十分にグレードを比較して検討し、最終的にベースグレードを選ぶ人もいますが、ただでさえ、ハイブリッド車はガソリン車の最高値グレードより高い値段設定となっているため、他グレードの検討の余地なくベースグレードを選択するという人もまた多いです。
ハイブリッド車はモーターがあることによって、加速性能がとても高くなっています。
ミニバンの加速とは思えないほどにスムーズな加速を実現し、Sモードにすると上り坂でさえもその加速力を失うことがありません。ECONでの燃費重視の走りであっても、十分な性能を持っています。
燃費も実燃費で20km/Lを超えることができ、非常に低燃費。そのようなオデッセイHVの性能に魅力を感じて購入を決意した人にとって、ベースグレードで装備が充実しているというのはとても大きな魅力となります。
全グレード共通の標準装備だけで必要十分以上あるというのが、購入決定の後押しとなることが多いようです。

HYBRID ABSOLUTEの魅力、選んでいる人はこんな人

エンジンに違いが無いためガソリン車のABSOLUTEのようなスポーティさは薄れてしまったものの、低車高・低重心のおかげでミニバン特有のロール感・フワフワとした乗り味は改善されています。
サスペンションが専用チューニングされているというのも、その理由のひとつです。HYBRIDよりも乗り心地が良いというところに魅力があります。
HYBRIDよりも装備が充実しているという点も魅力的。価格は高いと評価されることが多いものの、満足度は高い印象があります。

HYBRID ABSOLUTE・EXパッケージの魅力、選んでいる人はこんな人

利便性が高いですが、少し値段が高めでなかなか手が出せないのがHYBRID ABSOLUTE・EX。
それでも価格.comの口コミ数は2018年年6月時点で最も多いグレードなので、売れていることは確かです。
価格は他社同クラス車種と比較すると割安に感じる人が多いのですが、絶対評価をすると「高い」という印象を受けます。

総合的に売れているグレードを考察
オデッセイHVは各グレードの違いがハッキリとしているため、装備内容などを見て自分の需要と合うのかどうかによって選ぶべきグレードが変わります。
これはあくまでも選び方の一例なのですが、まずABSOLUTEが必要かどうかを検討し、それぞれの標準グレードを基準として検討を始め、自分に必要な追加装備によってパッケージを選ぶと良いでしょう。
その他の装備についてもオプションとして追加できるものもあります。オプションの追加で欲しい装備が揃うのであれば、ベースグレーを購入するのが最も得です。
 
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