カタログ燃費:26.2km/L
実燃費平均:19.41km/L
世界的に有名なハイブリッドカーの代表格、プリウスをベースに開発されたプリウスα。プリウスで不評だった室内空間の狭さを克服するためミドルサイズにし、3列シートも備わって実用性がアップしました。
その代わりプリウスよりも燃費が悪くなっているということで、どの程度燃費が悪化してしまうのか気になる方も多いのではないでしょうか。
上記カタログ燃費と実燃費平均を見ていると、プリウスと比較した場合は確かに燃費が大幅に悪化しています。それでもこのサイズのハイブリッドカー全体からしてみれば低燃費ですし、平均で19.4km/Lですから、人によればカタログ燃費を達成する人もいるはずです。
そこでオーナーの実燃費記録を拾い、自分でも燃費を計測してみることによって、状況ごとに燃費がどれほど異なるのかについて検証してみました。
各オーナーの実燃費記録を紹介
「酷暑で5km程度走行して、14km/L。今までで一番悪い燃費です。郊外と高速を織り交ぜたドライブであれば、22km~26km/Lになりました。サイズのことを考慮すると十分すぎる燃費、大満足です」
「エコドライブを心がければ、すぐに20km/Lになりますが、エコドライブをしなければそれなりです」
「常にパワーモードをして街乗りで常時20km/L程度です」
「1年間乗ったトータル燃費が23.7km/Lです」
「真冬は21km/L、夏場には24km/L程度になります」
「今までの統計で、街乗りでは15km~20km/L、高速では20km~25km/Lです。いずれも満タン法で計測しました。120kmの長距離ドライブをしたところ、メーター読みで27.5km/L(5人乗車)になりました」
「街乗りで何も気にせずに乗ってみたところ、平均で22km/Lといったところです」
「毎日20kmほどの走行ですが、通年で20km/L程度になっています」
「満タン法で平均23km~27km/Lで満足です」
「平均で19km~20km/L程度、冬場には17km~18km/Lにまで落ちています」
最低でも15km/L、最高では27.5km/Lといったところで、燃費記録にはとても幅があります。短距離で何も気にせずに走ると、15km/L以上20km/L未満になることが多いようです。
高速道路や郊外で走ると20km/L以上25km/L未満、そこに長距離ドライブという条件が重なると27km/Lを超えることもあると、オーナーの実燃費記録は示しています。
エコモードとパワーモードおよびノーマルモードがありますが、パワーモードでも20km/Lになることから、ノーマルモードでも十分な燃費記録が出そうです。
走行レポート。プリウスαを実際に運転してみたら・・・
確かに通常のプリウスよりも大きくなっています。
大きいですが、ずんぐりむっくりとはしていません。横から見ると流れるようなラインが見え、プリウスの外観のスタイリッシュさはしっかりと残っています。この度乗車したグレードはS(7人乗り)でした。
特別な装備は特になく、クルーズコントロールも付けられていません。
中を見ると、プリウスでは気になってしまった後部座席の狭さが完全に克服されていることに気がつきました。後部座席が広い・・・さらにサードシートまで備わっている。サードシートも特に狭いということはなく、荷室も確保されています。ミドルサイズによる恩恵は大きいようです。
運転席に座ってみて最初に気がついたのは、座り心地がやや硬いこと。高速走行をしていると気にならないのですが、市街地をゆっくりと走っていると硬さが運転手の腰椎とでん部を跳ね返し、痛みを感じさせます。
それでもプリウスよりは座り心地が良いようです。体に伝わる振動や室内音が大きく軽減されています。シートが硬い以外は良い乗り心地です。
アクセルを踏んで走り出します。発進時はやはりハイブリッドですから、ガソリン車と比べるともたついてしまうのは否めません。EVからガソリンへの切り替わりはとてもスムーズでした。ドライブモードによって全く違った印象を受けるというのも特徴的です。
エコモードだとアクセルペダルを普通に踏んだとしても、ゆっくり踏んだときのようなじわじわとした加速になります。信号待ちの際に後続車両に気を使わなくてはなりませんが、発進時にゆっくりとアクセルを踏むというエコドライブの基本を意識せずとも実践できるのは利点だと感じました。
ただこれでは山登りや高速道路の走行はできません。完全に、流れの遅い平地専用です。
パワーモードに切り替えると、それだけでパワーが跳ね上がります。エコモードからパワーモードに変えるとそのギャップがとても大きく、違うエンジンになったのではないかと疑ったほどです。
坂道でも力強く走りぬけ、高速道路での加速性能も気持ちがよく、スムーズに流れに乗ることができます。
よく走りよく曲がり、よく止まるといった安定した走行性能があります。ハンドリングが軽いので取り回しもしやすいです。
低燃費を心がけたら
やはりハイブリッドカーに乗るからには低燃費に乗り回したいものです。動力性能や走行性能を確かめたところで、今度は低燃費を心がけて運転してみます。走った道は郊外で信号の少ない道です。
途中制限速度の厳しい農道を挟みました。走行距離は30km、余計な荷物も人も積まずにエコモードも使いません。
発進時にはゆっくりとアクセルを踏むのがエコドライブの常識ですが、トヨタのハイブリッドカーは少し違います。発進時に普通にアクセルを踏み込み、周囲の流れと同じ程度にまで加速するのです。
ある程度まで加速したら、今度はアクセルを離して回生と速度維持のためのEV走行をするように心がけておきます。これによって50km~60km/hでもEV走行ができるようになるのですが、それでもやはり減速していってしまうものです。
ある程度減速したところでまた加速します。それを繰り返していくと燃費が伸びるというのが、トヨタのハイブリッドカーで語られているエコドライブです。
ガソリン車では「できるだけ無駄な力を使わないように心がける」ことが大切でしたが、プリウスαなどでは「できるだけEVを使うことを心がける」ことが大切。ゆっくりと加速すると余計にガソリン消費が増えてしまうことがあります。
その結果として、燃費は25.5km/Lとなりました。短距離でこの燃費ですから、長距離なら27km/L以上というのも納得できます。
燃費なんて気にせず走ってみたら
プリウスαはどれだけ低燃費に走ることができるのかということを前提にして、これまで語ってきましたが、今度は逆に考えて「どれだけ燃費を激しくすることができるのか」ということにチャレンジします。燃費を悪くする条件には色々なものがありますが、今回実践したのは次のようなことです。
- 大人数かつ大荷物で乗車する
- エアコンをつける
- 急加速と急停止を繰り返す
- 坂道など大きなパワーを必要とする場面が多発する道で走る
5人乗りができるということで、自分を合わせて4人で乗車しました。旅行に行くついでの実験だったので、旅行かばんが4人分荷室とサードシートに積まれています。
篠山の峠の途中に突如として現れるピザ屋に行ってから一旦道を引き返し、違う篠山の峠を越えて京都亀岡まで行きました。走行距離は60km程度です。
実験内容はメンバー全員に告げていたので、遠慮なく急加速と急停止をしました。峠道になると常時パワーモードでアクセルを強く踏みっぱなしです。このような条件で走行をした結果、燃費は15.3km/Lとなりました。EV走行を心がけた場合とでは10km/L以上も差が出ています。
プリウスαについてさらに詳しく知りたい人は下記ページを参照してください。下記ページではグレード別に装備を細かく紹介しています。
>プリウスαのグレードはこう選べ。自分に適したグレードの選び方から売れ筋までを解説
まとめ
プリウスαはEV走行がうまくできるかどうかによって、燃費記録が大幅に変わります。15km/Lから25km/L程度まで、長距離運転で条件がよければ27km/Lを超えることがあるが、30km/Lを超えることは少ないという検証結果になりました。
エコドライブに執着するよりも、普段と同じように加速して、それからアクセルを戻しなるべくEV走行を続けるようにすると燃費が伸びます。
購入しようと考えている方・燃費が伸び悩んでいる方はご参考ください。
 
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