トヨタ・アベンシスといえばイギリスで生産されヨーロッパ向けに販売されている車種です。ヨーロッパではステーションワゴンとセダンのガソリンモデルが販売されている他、2.0リッターのディーゼルエンジンモデル(最高出力145ps、最大トルク32.6kg.m)も選択可能です。ただ、国内では現在セダンタイプの取り扱いは無く、ディーゼルモデルもヨーロッパと日本の排ガス規制の違いにより販売が困難なため販売予定がありません。
つまり、今日本で販売されているアベンシスといえばステーションワゴンタイプのみとなります。そんなステーションワゴン・アベンシスが2015年10月にビッグマイナーチェンジを果たしました。「なぜマイナーチェンジにビッグがつくの?」と疑問に思われたあなたのために、旧型からの変更点をご紹介していきたいと思います。
変更点
エクステリア
マイナーチェンジのため車格はほぼ変わらず、サイドからの見た目も違いは特にありません。しかし、エクステリアにおいてフロントとリアのデザインを一新することで、「かなりスポーティーなイメージが演出されている」というのが今マイナーチェンジの特徴と言えるでしょう。
フロント
トヨタがグローバル市場で表現するキーコンセプト「キーンルック」が採用されました。これまでヨーロッパの人々の感覚に合わせた外観で「日本人にとっては地味なイメージ」が強かったアベンシスですが、鋭い目つきとどっしりとした雰囲気を演出することで「スポーティーなイメージ」へと一新されました。ヘッドライトからエンブレムへ向けてVの字でデザインされたフロントマスクは「スタイリッシュで好き」という方も多いのではないでしょうか?
リア
リアのデザインにも派手さが追加されました。
フロントのイメージが変われば当然リアも変わるものです。ゲートの中央に設置されたエンブレムから「羽のように伸びるアルミのパネルと内から外に広がるテールランプの一体感」がマイナーチェンジ前のボテッとしたリアデザインを派手なイメージに変えてくれています。また、テールゲートの上に設置されたアンテナはシャーク型のものを採用することでデザインとの調和を図っています。
インテリア
基本的な部分は変えずフロントとリアのイメージを変えてスポーティー感を演出したエクステリアに対し、インテリアは「フルモデルチェンジなみじゃないの?」と言える変わりようです。「最もこだわった改良点である」という開発者の声がインパネ周りやシートによく現れているなという感じです。
インパネ
スポーティーかつ近代的なデザインに一新です。
ヨーロッパの人達は元来上質感には敏感であるため、モデルチェンジ前のインパネ周りも「シンプルな中の上質感」で表現されていました。しかし、モデルチェンジ後はスポーティーな印象を含めた「バランスの取れたデザイン性と上質感」に変わりました。平坦だったメーターはシリンダーデザインを加え立体的に。そして中央に設置された4.2インチのモニターから左右に広がるデザインのおかげで、「モデルチェンジ前はのっぺりとしていたダッシュボードの部分」が一新され、デザイン性の高さと上質感を演出しています。
シート
上質感とホールド性が向上しています。
上質感を演出するにあたってシートとインテリアの一体感は重要なポイントですが、少し単調だったモデルチェンジ前に対し、イタリアの高級人工皮革「アルカンターラ」を上手く組み合わせることで質感とデザイン性の向上を図っています。またシートのホールド性を高めてあるので自然な運転姿勢がサポートされ遠出や長時間の運転も楽なります。つまり、スポーティーなイメージと共に操縦安定性が向上するという両得な仕様となっているのです。
エンジン性能、燃費
基本的な部分は変わらないのに燃費は向上させています。
エンジンそのものはモデルチェンジ前と変わっていない中で「とにかくフルチューニングを施した」という開発者の声によると、各部品の摩擦抵抗を減らす努力や、CVTの最適化に取り組むことでプラス1km/Lという燃費向上を果たし「平成27年度燃費基準に達することができた」とのことです。
劇的な燃費性能の改善を果たし登場する近年のフルモデルチェンジ車種を目にしていると、「たったのプラス1km/Lかぁ」と安易に思ってしまいそうですが、実は大きなことなのですよね。だって「実燃費がリッター9km/L代と10km/L超えてくるかどうか」って結構大きな違いに思うのは私だけでしょうか?
装備
先進安全性能「Toyota Safety Sense C」を標準装備です。
セーフティー・センス・Cは「近い距離を正確に認識しやすいレーザーレーダー」と「遠くや周りの状況を認識しやすい単眼カメラ」による2つの視覚(センサー)を有し、危険の察知や事故を未然に防ぐための安全性能を3つ備えているサポートパッケージです。
衝突回避
「プリクラッシュセーフティーシステム」は衝突回避を目的とした安全性能です。システムが前を走る車などに衝突する可能性が高いと判断すると、ブザー音による警報とディスプレイへの表示によってドライバーに回避行動を促します。ただし、このシステムは「絶対にぶつからない」と言った類のものではなく、あくまで衝突を回避・軽減するためのものなので過信は禁物です。
車線のはみ出し
「レーンディパーチャーアラート」は車線からのはみ出しを見張ってくれる機能です。疲れてボーッとしている時や、ついよそ見をしてしまい「車線をはみ出してしまいそう」だとシステムが判断した時にブザー音による警報とディスプレイへの表示によって知らせてくれます。「ってことは車線変更でも警報が鳴るってこと?」と思ったあなた、車線変更時にウィンカー操作はしていますか?ちゃんと運転者の意思(ウィンカー操作)がある場合には警報は鳴らない仕組みなので安心して下さい。
自動でライトを切り替え
「オートマチックハイビーム」は自動でハイ(ロー)ビームへ切り替えてくれる機能です。通常、暗い夜道を走る時には視認性を高めるためにハイビームを利用する方が多いでしょう。ロービームだけでは歩行者などに気付くのも遅くなってしまい危険ですからね。一方で、対向車が来た時に切り替え忘れ相手に迷惑をかけることもあります。そんな時に役立つのがこの機能です。先行車や対向車など周りの状況に合わせて自動で切り替えてくれるので手動で切り替える煩わしさが減るだけでなく、お互いの安全性にも繋がる便利な機能と言えるでしょう。
以上のような先進安全機能ですが、各機能のON/OFFのスイッチが搭載されていて「必要なければ切ることができる」所もまた特徴的です。
スペック(表)
前モデル
全長 | 4,780mm | 室内長 | 2,015mm |
---|---|---|---|
全幅 | 1,810mm | 室内幅 | 1,495mm |
全高 | 1,480mm | 室内高 | 1,185mm |
ホイールベース | 2,700mm | ||
車両重量(Xi) | 1,470kg | ||
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC | 排気量 | 1,986cc |
タンク | 60L | 使用燃料 | プレミアムガソリン |
最高出力 | 152ps/6,200r.p.m | ||
最大トルク | 20.0kgf.m/4,000r.p.m | ||
燃費(JC08モード) | 13.6km/L |
今モデル
全長 | 4,820mm | 室内長 | 1,980mm |
---|---|---|---|
全幅 | 1,810mm | 室内幅 | 1,495mm |
全高 | 1,500mm | 室内高 | 1,185mm |
ホイールベース | 2,700mm | ||
車両重量(Xi) | 1,470kg | ||
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC | 排気量 | 1,986cc |
タンク | 60L | 使用燃料 | プレミアムガソリン |
最高出力 | 152ps/6,200r.p.m | ||
最大トルク | 20.0kgf.m/3,800r.p.m | ||
燃費(JC08モード) | 14.6km/L |
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。
コメントを残す