唐突ですが、車は単なる道具です。
アウトドア好きな方にとってそのような感覚を持ち合わせている方も多いことでしょう。
では、アウトドアに適した車とはどんなものが思い浮かぶでしょうか?中には未舗装の場所を想定しSUVを思い浮かべるかもしれませんし、日頃の生活と両立できそうなミニバンを思い浮かべる方もいるでしょう。
そして「自分にはミニバンが適してそうだ」という思いが固まった後には「どんな機能が役に立ち、どんな場面で力を発揮するのか」そんなことを考える方もきっと多いはずです。
そこで、今回の記事では「アウトドア向きのミニバンの条件」を初めとし、「おすすめのミニバンランキングとその魅力」、そして最後に「SUVとの比較」という流れの中で、あなたの趣味をより楽しむための車選びの手助けをできたらと思います。
アウトドア向きのミニバンの条件

アウトドア向きのミニバンといえば必要な荷を積めて安全に行って帰れることです。
もちろん細かい部分を考えるともっと色々ありまので、ご自身の用途を具体的にイメージしながらまずはじっくり考えてみましょう。
用途について
「ミニバンならアウトドアにも活用できるかなぁ」と言う漠然とした思いでいる方よりも、「春は花見とバーベキューが恒例行事」「夏は家族でキャンプしたい!」「秋は趣味のサイクリング」「冬はスノボー(スキー)に毎年行っている」
と明確な用途がイメージ出来ている方のほうが当然ミニバン選びも楽しくなります。
例えば車中泊をしながらの旅を楽しむ方もいるように、時としてミニバンを宿代わりとして考える方も多いでしょう。
そんな場合には、快適に眠りを得るための車中泊用のマットの購入、そして可能な限り段差のないシートアレンジが可能なミニバンや、スペースを広く取れカスタマイズしやすいミニバンを選ぶのもまた重要と言えるでしょう。
荷室に関して
アウトドアを楽しむにあたって荷室が広いに越したことはありません。
ただ「どうしても自転車を荷室に積みたい!」といったように、大型の道具を荷室に積むことを重要視する場合を除き、積載能力で困るミニバンは少ないといえるでしょう。
何故なら、3列目を格納してしまえば大抵の荷物は載せられるからです。また、格納方法として跳ね上げタイプと床下格納タイプが有りますが、床下格納タイプの方が空間を広く使えるという利点があります。
その他、荷室に利便性を求めるのであれば、荷室までの地上高の高さにも目を向けて下さい。
力自慢の男性陣はさて置き、通常「大きくて重い荷物を腰の高さまで持ち上げる」のは大変ですし、椅子代わりに腰掛ける事ができるのも実は便利です。
そして床が低いということは室内高も確保されている事が言えるので、シート間の移動はしやすく開放感も得られます。
一方で荷室の広さを考えるとコンパクトタイプのミニバンは適さないように感じるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。
例えばキャンプにおいて「荷物に制限があれば、人はそれに応じて必要な物を吟味し工夫をするもの」というアウトドア好きの方の言葉もあるように、家と変わらないような環境でのキャンプも良いけど「必要最低限の道具のみで過ごすこと」もキャンプの楽しみ方の一つですよね。
このように考えると、コンパクトミニバンを選択肢から場外する必要は無いと言えるでしょう。
安全性能について
「安全性能といえばエアバッグ」というのが一般的なイメージですが、アウトドアを楽しむ方にとっての安全性能は他の部分にもあります。
例えば、自動ブレーキシステムは「万が一に備える」安全機能といえますし、クルーズコントロールという機能は車速を一定に保つものですが、遠出をすることも多いアウトドア好きにとっては、運転のサポートとエコドライブに役立つ機能です。
その他にもスキー場に行くなら4WDシステムは発進や登坂時の安定性を生んでくれます。
ミニバンにおいて一般的な4WDシステムといえば「滑ったことを認識する事で必要な力を後輪に配分する」という簡易的なものが多いですが、近年は「路面の状況や走行状態をセンサーで検知し、状況に応じて切り替える」AWDと呼ばれる次世代の4WDシステムも搭載されつつあります。
また「必要に応じて手動でも切り替えられる」本格的な4輪駆動が可能な車種もあり、それぞれが状況に応じた安全や安定に関わる機能といえます。
Lクラスミニバンは適していないのか
Lクラスのミニバンは場合によっては適さないかもしれません。
アウトドアを楽しむメンバーによって状況が変わる場合もあります。
例えばLクラスのミニバンです。これは大人の旅であれば後部座席も乗り心地がよく、満足度は高いかもしれません。
しかし、家族でのお出かけの場合「後部座席はふわふわした感じがして酔ってしまう」という声があるように、お子さんにとっては道中の繰り返されるカーブに加え酔いやすい環境となってしまうかもしれません。
その他にもアウトドアといえば、山や海・川と言った場合がほとんどだと思いますが、道が狭い可能性も大いにあります。
この場合もやはり大きな車体であることが、何かあっても「運転が不慣れなママさんとは変わりづらい」などマイナスに働くことも考えられます。もちろん可能性の話であり、乗る人によって感覚も違います。
何より、キャンプ場にLクラスのミニバンで来るファミリーも多くいますのであしからず。
アウトドアにオススメなミニバンランキング
さて、これまでアウトドア向きのミニバンの条件を考えてみましたが、そんな条件を元に3車種ほどピックアップし順位づけしてみました。
ただし、販売台数といった数字を考慮したものではなく、あくまで上記の条件に沿った車種を口コミ等を含めた個人的見解からの選定であることをご了承下さい。
順位 | 車種名 | 価格 | ワンポイント |
---|---|---|---|
1位 | デリカD:5 | 240万円 | 4WD性能 |
2位 | ステップワゴン | 229万円 | 3列目シート床下格納 |
3位 | セレナ | 225万円 | 安全性能 |
※価格はベースグレードを参照
デリカD:5

アウトドアに適したミニバンといえばダントツでデリカD:5。
ファミリー向け路線が多いミニバン市場においてデリカD:5ほどアウトドアに適した車はありません。
「そういうコンセプトなのだから当然」といえばそれまでですが、アウトドアといえばSUVという方も多い中、高い支持率を得ているのが現状です。
4WDシステムと安全性
ミニバンの4WDシステムといえば「滑ったことを認識してから適切な動力を他の車輪に割り当てる」という簡易的なものが多い中、デリカD:5の4WDシステムはひと味違います。
路面状況や走行状況に応じて適切な駆動力を配分してくれる「安心性能」としての4WDと、悪路や雪道・登坂など滑りやすい状況で力強い走りと安定性を発揮する「いわゆる4輪駆動」の2つのモードを手動で切り替えられるという特徴があります。
また最低地上高が他のミニバンより高いことで、豪雪地帯などでもスタックしにくい作りである他、「人の内臓を守る助骨を思わせるような骨組み」を持った硬いボディーは衝突から同乗者を守ってくれます。
さらに、走行の安定性や静粛性にも一役買っているのも見逃せませんね。
下記ページにはデリカD:5の値引き取材をまとめています。デリカD:5を購入したい方はこちらも合わせてお読みください。
>【見積書公開】三菱デリカD:5値引きレポート
意外と知られていない快適性
アウトドア×ミニバンという公式において評価の高いデリカD:5だけに、車中泊に役立つベッドキッドなどの豊富な社外品パーツにより快適な空間をカスタマイズできることも魅力の一つと言えるでしょう。
また、シートを温めてくれる機能は同乗者の寒さを和らげる他、ドアミラーに降り積もる雪や霜がついて見えにくい場面も意外と多いですが、「そんなところまで温めてくれるの?」というささやかな機能は、「無くてもいいけど、あればあったでありがたい」と感じる方も多いのではないでしょうか?
以上のように、アウトドア好きでなければあまり注目されることのないデリカD:5ですが、実はミニバンの中でも乗り心地や走行性能で高い評価を得ている車なので、「人気車種で人と被るのがあまり好きじゃない…」という方にとっても快適な1台と言えるかも知れません。
ステップワゴン

3列目シートの床下格納で荷室が広く取れるステップワゴンが2位。
ミニバンといえば「3列目は格納できて荷室の広さを確保出来る」と言うのは当然の機能といえますが、その多くは両サイドに跳ね上げるタイプです。
もちろんそれでも問題ないと感じる方も多いかもしれませんが、床下に格納できる事による空間の自由度は他の車種にはない魅力です。
わくわくゲート
そんな床下格納によって生まれる空間をさらに活かすのが「わくわくゲート」で、その実用性はかなり高いと評判です。
「思った以上に使えて、ほぼ横開きばかり使っている状態」というオーナーもいるほどで、これまでミニバンのハッチバックに対し「開け閉めが面倒…」「スペースの問題で開きづらかった…」などの不便を感じていた方にとっても大きな魅力と言えるのではないでしょうか。
また、わくわくゲートを利用して乗り降りする子供の笑顔を決め手とするパパさんも意外と多いのが現状です。
トータルバランスが良い
さて、ステップワゴンの持つ個性的な一面のみに注目しがちですが、実は多くのオーナーの評価を総合すると、そのトータルバランスの良さも大きな魅力と言える事がわかります。
例えば、荷室までの高さが445mmと低いことで、重たいキャンプ道具やアウトドア・スポーツで利用する大型の道具等の乗せ降ろしも楽になります。
また、標準装備ではないものの、その安全支援システムは遠方まで出かけることも多いアウトドア好きオーナーには助かる機能ばかりです。
その他にも静粛性で高い評価を得ている点やダウンサイジングによる節税にも貢献している点を含めると、「個々の性能比較では劣る場合もあれど、他車では実現できていないトータルバランの良い1台」がステップワゴンと言えるのではないでしょうか。
しかも2016年春にも登場予定のハイブリッド車が加わると更に人気が高まること間違いなしでしょう。
セレナ

安全性能で選ぶ方も多いセレナが3位。
アウトドア旅行は楽しい半面「帰り道は皆お疲れモード」ということも多く、ちょっとした不注意が事故につながってしまう恐れもあります。
そんな中、「安全性能が魅力でセレナに決めました」という声もあるようにセレナの安全性能の充実度には評価が集まっています。
安全性能の魅力
セレナの代表的な安全性能といえば「エマージェンシーブレーキ」でしょう。高速道路などではちょっと油断すると前方の車に近づきすぎてヒヤッとしたことはありませんか?
そんな衝突の可能性が高まった時に音と表示で知らせてくれるだけでなく、自動でブレーキを作動し衝突を回避・軽減を目的とした機能です。
その他にも車線を外れると警報を鳴らしてくれる機能や、運転者の注意力の低下をハンドル操作から察知し音と表示により休憩を促してくれるという機能があります。
ボーッとしがちな帰り道において「無理が生じ始めていることを自覚する」キッカケをくれる安全性能とも言えます。
もちろん、安全性能に頼りきりと言うのはよろしくありませんが、事故を起こしてしまう前にキケンを知らせてくれる頼れるパートナーと言えるのではないでしょうか。
SUVと比較してみる
アウトドアといえばSUVと言う人も多いでしょう。ただ、趣味の車としては魅力しか感じない方も多いですが、「街乗り時のちょっとした不便や、家族のことを考えた時にも同じ満足度でいられるか?」という点では疑問が出てくる方も多いのではないでしょうか?
そこで、SUVのメリットは比較対象とする時点で認識しているはずなので、ここでは敢えてデメリットに目を向けて考えてみたいと思います。
街乗りも考えないといけない
実用性はやはりミニバンのほうが上です。
アウトドアで活躍するSUVと言えども、やはり街乗りのことも考えないといけません。趣味へ向かう道中は気にならない静粛性も街乗りだと気になるかもしれません。
アウトドアに出かける頻度がそんなに多く無いのであれば、スライドドアがないことや荷室の狭さ、そして床が高いことなど、SUVの持つ不便さばかりが目立ってしまうことだって考えられます。
その結果、早い段階で買い替えを検討する事になってしまっては元も子もありません。
そういった点も考えると、やはり小さなお子さんを抱えるファミリー層にはミニバンが適しているといえますし、街乗りにおける実用性も当然ミニバンの方が高いといえるでしょう。
趣味だけではく生活が基盤ということを忘れずに
趣味の車を持つなら理想は2台持ちです。
幅広い世代から支持を得ているSUVですが、やはり趣味の車という意識のほうが強く、独身者や子供が巣立ったシルバー世代に合った車という考え方が主です。何故ならファミリー層にとっては様々なシーンにおいてミニバンであることの利点のほうが大きいからです。
例えば、もしチャイルドシートを使用するような小さなお子さんがいる家庭でしたら、底床設計で広い開口部を誇るスライドドアを搭載したミニバンのほうが乗せ降ろしも容易で実用的ですし、室内高が確保されているミニバンは子供の世話にも大きな利点を発揮してくれます。
また。注意力の低い活発なお子さんがいるご家庭では、隣の車にぶつけてしまう気苦労を取り除いてくれるものスライドドアという機能です。
その他にも、ファミリー層にとって車は夫婦兼用であるため、5ナンバーサイズに収まっていることを望む方が多いのが現状です。
それはシエンタやヴォクシー(ノア)、そしてステップワゴンやセレナといった不動の人気車種が販売台数上位を占めていることからも伺えます。
つまり、SUVを購入するのであれば「もう1台燃費や取り回しの良いコンパクトカーを所持する」といった2台持ちが理想といえるかもしれません。
ただ、その分維持費がかさむというデメリットも当然生じますので、あまり現実的ではないご家庭も多いと思います。
そこで、小さなお子さんがいるうちはファミリーカーであるミニバンにするというのも現実的な選択肢と言えるのではないでしょうか。
アウトドアにおすすめなミニバンまとめ
さて、いかがでしたでしょうか?アウトドアを趣味とする方にとっては機能性や実用性を重視する方のほうが多いと思います。
そんな中アウトドアにおける利便性と、ファミリーカーであるミニバンの持つ利便性は通じるものがあります。日常生活との兼ね合いを意識しつつ、満足の行く1台が見つかるといいですね。そしてこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
 
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