マツダ・キャロルは、スズキ・アルトのOEM車です。
とにかく安いことが売りの車ですが、安いからといって闇雲にグレードを選んではいけません。安いからこそ、しっかりと違いを知って、吟味した上で購入すべきです。でないと、損をするかもしれません。
そこで、キャロルの各グレードの違いを知るために、それぞれの特徴をまとめてみました。
キャロルのグレード表
グレード | 価格 |
---|---|
GF | 847,800円 |
GL | 915,840円(1,021,680円) |
GS | 1,013,040円(1,113,480円) |
GX | 1,123,200円 |
私のキャロルに対する第一印象は、「安いな!」でした。
軽自動車としては安すぎない価格なのでしょうが、近年は軽自動車でも本体価格だけで150万円を超えるものが多いからか、キャロルがものすごく安く感じます。
冒頭でお話した通り、スズキ・アルトのOEMモデルとなっていますが、価格幅が若干異なりますのが特徴的ですね(アルトの最上級グレードは、4WDで1,245,240円)。
そんなキャロルは、アルトの特別仕様車を除いたグレードとなる、F・L・S・Xの4つに、「G」を付けただけと言う単純なものとなっています。
グレード間の価格差は、2WDのみで比べた場合最大で約27万円です。また、最小約7万円となっています。
各グレードの特徴、捉え方
GFは、とことん安さにこだわったグレードです。
エクステリアのデザインは他グレードと変わりませんし、装飾や塗装などもあまり変わりません。機能や装備などで大幅のコストカットがされています。
GLは、安いながらも安全装備を追加したグレードです。レーダーブレーキサポートが特徴的な装備となっています。
GSは、使いやすさにこだわったグレードです。運転手や乗員が快適に過ごせるような装備が追加されています。
GXは、フルオートエアコンやフロント・リヤスタビライザーなどといった様々な装備・機能を揃えた上級グレードです。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
最大約27万円もの価格差は、装備内容の違いによって生まれたものです。
キャロルはターボ車の設定が無いので、装備内容を見ればグレード間の違いが全てわかると言っても過言ではありません。
そこで、グレードごとの違いを明確にすべく下記PDFから装備をいくつか抜粋してみました。
carol_specification_201804.pdf
GFの装備、インテリア、エクステリア
- エンジンクラッチスタートシステム
- フロントパワーウインドー(ロック機能付)
- 手動ピポット式(ブラック)ドアミラー
- シフトタイプ(フロア)
- ブラック インサイドドアハンドル
- ブラック エアコンサイドルーバー
- ブラック エアコンサイドルーバーリング
- AM/FMラジオ/CDプレーヤー
- アンテナ(ピラー)
- 145/80R13 75Sタイヤ&13×4.00Bインチスチールホイール+フルホイールキャップ
- 電波式キーレスエントリーシステム(アンサーバック機能付)
唯一のマニュアル車となるGFは、価格も価格なので無い装備を挙げていけばキリがありません。
イモビライザーが無い、アイドリングストップが無い、スタビライザーがない……。そうではなく、「これがある」というところに目を向けてみましょう。
例えば、マルチインフォメーションディスプレイがあって、マニュアルエアコンもある。そして、4輪アンチロック・ブレーキシステムや電子制御制動力配分システムがあって、DSCもあるのです。
収納は多くありませんが、そのほとんど全てが全車標準装備となっている。挙げていくと、結構いろいろ装備されているものです。
必要最低限はしっかり揃っており、価格相応といえますね。
最初の車だから多くを求めないという人には、ちょうどいいのではないでしょうか。
GLの装備、インテリア、エクステリア
- レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)
- 誤発進抑制機能
- エマージェンシーストップシグナル
- ヒルホールドコントロール
- フロントドアガラス(UVカット機能)
- フロント・リアパワーウインドー(ロック機能・運転席オート&挟み込み防止機構付)
- アウタードアハンドル
- マルチインフォメーションディスプレイ(エコスコア表示・積算アイドリングストップ時間・節約燃料の表示機能が追加)
- エネルギーフローインジケーター
- シフトタイプ(インパネ)
- アイドリングストップシステム
エアコンサイドルーバーやエアコンサイドルーバーリングが、ホワイト塗装になっています。
特徴的なのが、レーダーブレーキサポートなどの安全装備ですね。
こういった先進装備は最上級グレードにしか無いものかと思っていたのですが、これには驚かされました。これで、キャロルに搭載される安全装備が揃ったのです。
それだけでなく、アイドリングストップまで追加されています。エコスコアや節約燃料表示といった、エコドライブをするのに必須の情報表示も追加……。
これだけの追加装備・機能があって、GFから7万円程度の価格差というのはお得感がありますし、もう少し高くても良いのではないかと思わせられます。まあ、安くてユーザーとしてはありがたいのですが。
GSの装備、インテリア、エクステリア
- リアシートヘッドレスト(上下可動式)
- UVカットガラス(フロント・フロントドア・リアドア/バックドア)
- ダークティンテッドガラス(リアドア/バックドア)
- 電動格納式リモコンカラードドアミラー(ボディ同色)
- バニティミラー運転席/助手席(チケットホルダー付)
- 後席両側 可倒式アシストグリップ
- 運転席シートリフター(4WDは助手席も追加)
加工や塗装などはGLと変わりません。
リアシートヘッドレストや運転席シートリフターなど、快適性をアップさせる装備が目をひきます。特にシートリフターはドライビングポジション調整に使えるので、運転手としては見逃せない装備です。
欲を言えばチルトステアリングが欲しいところですが、多くは望めないでしょう。チルトステアリングが欲しいならGXを選ばなければなりません。
GXの装備、インテリア、エクステリア
- オート格納機能(ドアミラー)
- LEDサイドターンランプ付(ドアミラー)
- 外気温計(エアコンパネル内)
- チルトステアリング
- インサイドドアハンドル(シルバー塗装)
- エアコンサイドルーバーリング(サテンメッキ)
- エアコンセンタールーバー(サテンメッキ)
- フルオートエアコン
- フロント・リアスタビライザー
- 165/55R15 75Vタイヤ&15×4 1/2Jインチアルミホイール
- イモビライザー
- アドバンストキーレスエントリー(アンサーバック機能付)&キーレスプッシュボタンスタートシステム
「急に色々増えたな!」といったところでしょうか。
フルオートエアコンに外気温計、イモビライザーにアドバンストキーレスエントリーやプッシュボタンスタートシステム……。
便利で役立つ装備や機能が急激に増えています。流石は最上級グレードといったところですよね。価格から考えて「搭載されて当然」な装備はあらかた搭載され、価格以上の仕様も詰め込まれています。
スタビライザーは、これまで全く装備されていなかったのに、いきなりフロント・リア両方に装備されているところが「急だなあ」と感じますよね。
スタビライザーは「片方だけでも付けたほうがいい派」と、「両方付けないなら付いていないほうがいい派」とに意見が分かれます。
後者は右手にだけ荷物を持つより、何も持たないほうが安定するというのと同じ理論です。これに関してはどちらが正しいのか、判断しがたいところがあります。
多くの車で、「低いグレードではフロントだけ、上級グレードで両方」という設定がされているのです。キャロルは後者の形で、両極端ですよね。
GXの装備の話に戻りますが、GXの装備内容は価格以上です。GSとの価格差と比較してみても、十分な内容と言えます。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
ここまででキャロルの各グレードの特徴が出揃いました。それでは、改めてそのグレードを選ぶメリットや魅力について考えてみましょう。
どんな人が買っているのかというところにも触れているので、購入決定の参考になさってください。
GFの魅力、選んでいる人はこんな人

GFの魅力は、そのものズバリ安さです。
安さ以外を理由にして、GFを選ぶ人はいないのではないでしょうか。
本体価格約84万円という安さは、価格が上がってきている昨今の軽自動車業界においては無類の安さを誇ります。
ただ、ミッションがマニュアルとなっており、オートマ限定免許を持つ方は乗れないのが難点です。そう考えると、GFは初めてのクルマと言うよりかは、マニュアル車の練習用としてはオススメですが、安くてもなかなか手を出しづらい1台と言えるのではないでしょうか。
2台持ちでコチラを通勤用にして、もう1台をドライブ用にしたい方にとっては魅力的に映ると思います。
GLの魅力、選んでいる人はこんな人

90万円程度の価格で、レーダーブレーキサポートやアイドリングストップなどが付いていると言うことで、コストパフォーマンスが高いと感じている人が多いです。
安く安全装備が揃い、エコドライブに必要な機能も揃う。単身者の運転する軽自動車として必要なものがほとんど揃っています。
ここからオートマ限定免許でも気兼ねなく乗れるので、「子供の初めての車は、私(親)が持つことになったけど出来るだけ安く……」という人にはぴったりです。
そのため、購入者は単身者が多いのではないでしょうか。
口コミを見ると「親の最後の車」「中古車を買うつもりが新車でキャロルを買った」という人がいます。中古車を買うつもりだったのに新車を買ったというのは、安さが理由でしょうね。
GSの魅力、選んでいる人はこんな人

リヤシートのヘッドレストや電動格納ドアミラー、運転席シートリフターが装備されているところにGSを選ぶメリットがあります。
実際この部分を理由にして購入している人が口コミで見られました。運転席シートリフターは運転手、リヤシートヘッドレストは乗員の快適性を確保するのに必要ですからね。
100万円を超えますが、価格は「安い」という評価を得ています。
GXの魅力、選んでいる人はこんな人

フロント・リヤ両方のスタビライザーが搭載されている点と、フルオートエアコンが魅力のグレードです。それ以外は価格と比べて「妥当」「当然だよね」という装備ばかりと言えるでしょう。ただ、これら二つは違います。
フロント・リヤ両方のスタビライザーが搭載されるのは、これより価格帯が上の車種でも上級グレードのみというものが多いです。フルオートエアコンは本体価格120~130万円台の車に多く見られ、110万円程度でこれが手に入るのはやや珍しいと言えます。
価格帯の低い車種の最上級グレードとして、とても高い価値を感じるのです。
したがって、少し予算に余裕がある人が購入していると考えられます。
総合的に売れているグレードを考察
昨今の免許取得事情を踏まえて総合的に売れているグレードを考察すると、おすすめなのはGLでしょう。「安い」というキャロルの恩恵を得られながら、安全装備が充実している為、初めてのクルマ・最後のクルマにはぴったりだと思います。
90万円台で安全装備をしっかり揃え、アイドリングストップという燃費を抑える機能もついている。安い軽自動車として、この上ないほど良くできたグレードではないでしょうか。
ただ、MT車に限定して冬期間の乗用車として乗りたい方や、別に車を所有しているうえで、いわゆる”遊べる車”が欲しい方にとっては、GFもおすすめと言えますよ。
 
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