トヨタ・ハリアーによって切り開かれた日本のクロスオーバーSUV市場。
そのハリアーの後を追い、マツダの個性を生かした代表作としてCX-5が登場しました。
これまで一部の人たちを対象としていたこのマーケットにあって、オフロードだけなく街中を気持ちよく「走ること」を楽しめるクルマとして、その存在意義を存分にアピールしたモデルとして、登場から5年経った今でもなお高く評価されています。
その背景には子供を中心とする実用性を重要視する家族中心のクルマから、「自分」のため、あるいは時代回帰して本来の「運転していて楽しくなる」クルマが改めて求められるようになってきたという背景もあるのでしょう。
それまでのSUVというと、専用のプラットフォームを用いた重量級のクルマというイメージだったものが、最近では乗用車のプラットフォームを転用したものとなり、おのずと乗り心地や荷物スペースもより広いものを備えることが当たり前のようにもなってきました。
今回は実際に現物を見せてもらいながら、このクルマの魅力とその価値を探ってみました。
訪問したのは地元のマツダディーラー。同行してくれたセールスマンの話を聞きながら、これまで知らなかったことまで含めて色々と教えてもらってきました。
マツダに行く前に下調べ
どうせ買うなら納得のいく価格で購入したいですよね。そのためには、ただディーラーに飛び込んでもまったく相手になりません。
上手い商談をするためにも、ある程度の知識を付けておく必要があります。
今回私が調べたのは3点。CX-5の値引き相場と競合車種、そして納期についてです。
まずは、CX-5の値引き相場です。相場というのは中々に難しいのですが、大体5万円~15万円が妥当だと言われています。
というのも、マツダは値引きに関して渋いという特徴があり、車両価格での値引きは、本当に難しいとのこと。何とか5万円以上の値引きはしたいものです。
続いて競合車種、CX-5を購入予定の方なら分かるかと思いますが、一般的にトヨタのハリアーや、日産のエクストレイルなどがあげられます。
価格において、このライバル車とCX-5を比べると、エクストレイル・223万<CX-5・246万<ハリアー279万という順番になります。
どっちと比べても20万以上の差がありますね。提示された価格次第では、この2車種も考えているから、ちょっとこの値段じゃ購入不可能だ、という発言をするのも、一種の武器だと言えます。
最後にCX-5の納期ですが、こちらは時期によっては2か月、長くて3か月ほどかかることがあるようです。
生産時期にもっても、納車までの期間に差が出ている模様。交渉時にあまりにも長い期間を提示されるようなら、「ハリアーはもっと早く納車できそうなんですよ」とか言ってみたら、値引きに変化でるかもしれません。
最低限、この3つのポイントは覚えておきましょう。
ディーラーへGo!エクステリア、インテリアは?

CX-5というと鮮烈な赤い塗装のイメージが強いですが、今回見せてもらったのはブラックマイカというシックな塗装のクルマでした。
今でこそ当たり前になったものの、CX-5が登場したときはその割り切った外観に目を見張ったものでした。
長いフロントノーズと共に、ボンネットからフロントフェンダーにかけてボリューム感あふれるデザインになっています。
マツダ共通のフロントデザインの中でも目元がシャープに見えるのはLEDランプを組み込んだヘッドライトユニットのせい。
セダンよりも高い車高、しかも車高をさらに高く見せる視覚的なデザインも取り入れつつも、優れた走行性を示す意外感が大きなインパクトになっています。
今でも斬新さを失うことなく、特徴的なイメージでいるのは、その基本的なコンセプトが卓越したものだったからなのでしょう。

スピード感のあるエクステリアの中でも特徴的なリアのエアロフィン。
ハリアーと共にSUVとしての定番イメージを築き上げ、その後に続くクロスオーバーSUVの「お決まり」デザインとなりました。
曲面を多用したボディデザインも独特のグラマラスなムード。ミニバンとは違った意味で、所有していることが誇らしくなるデザインです。
がっしりした下半身にコンパクトにまとまったキャビンという構成。
車幅の大きさを最大限利用するというのではなくデザインの多様性に使っている思い切りの良さを感じます。
インテリアに関して

運転席に座れば運転に必要な情報が最小限の視線移動で得られるように配置されているのはクルマ好きには嬉しいところ。
左手を下したところにはコマンダーコントロールと称する各種機能をコントロールするスイッチ類が配置されており、手を伸ばすことなく視線移動することなくコントロール出来てしまうという快適さ。
シートも座り心地が良く、室内の静かさも群を抜いており、より高級感を感じさせてくれる大きな要素になっています。
乗り馴れた国産車から見れば随分とサッパリとしたデザインの前席。見方を変えれば実用性に徹したユーロッパ車のような雰囲気さえ漂います。
これも海外にも同じモデルが輸出されていることによるのでしょうか。
大き目なシートはサラリとしたジャージ風の感触で、シートバックは薄くて固い触り心地です。
本革巻きステアリングホイールも手に馴染む感触で、ステアリングスイッチの触感も良く、意外なところにも配慮されていることがわかります。(なおこの写真撮影後に中央部の液晶モニター部がより高い位置に変更になり、視線の移動がより少なくて済む改良がされています。)

結構な車幅がありながら、フロントガラスの形状のせいか横方向の感覚も掴みやすく、クルマの大きさを感じさせません。
メーターは指針含めてホワイトバックライトで、液晶部もホワイト表示となって洗練された都会的なイメージでまとめられています。
PROACTIVE以上のグレードになるとフロントガラスに照射されるヘッドアップディスプレイが追加されて主要な走行情報が瞬時に確認でき、運転に集中できる最新仕様も取り入れられています。

幅広なボディのお陰で外観から想像する以上に後席はゆったり。
前席との間隔もシートの高さも十分で、この手のクルマにありがちな居住性の制約を感じさせません。
シートバックはリクライニング可能なのと3分割で前方に折り畳むこともでき、長物の積載にも対応しているのはさすがSUVというところ。
中央部だけを倒せばスキーを積んでも左右に座れるところは嬉しい仕様です。
幅だけでなく高さもある荷物スペース。
後席を全部倒せば広く効率のいい空間が確保されます。ただ床面が高くてちょっと不便なのは残念なところ。
広さはスバルレボーグと同じ500Lとのことです。
ライバル車に負けない特徴はどこ?
せっかくディーラーに来たのですから、聞いておきたいのはココ、特徴です。
やはりCX-5の特徴はマツダのディーラーさんに直接言ってもらいたいですよね。ちゃんと聞いてきました。会話形式でご紹介したいと思います。


同じような金額差で比較検討するって言ったらハリアーっておそらくガソリン車の方になるんですね。だからハリアーのガソリン車になると基本的には多分2000ccになると思うんですよ。
あの重量クラスで2000ccとなると、もうちょっと加速感とか、パワーが欲しい、そういったところがSUVには求められるっていう部分もあると思うんですね。
正直内装で言えば、ハリアーの方が断然上です。ただ、ハリアーのガソリン車とCX-5のディーゼル車だと多分金額だけでは近い所になってくるんですけど。
その金額で比較すれば、ディーゼル車の方はパワフルなトルクもありますし、燃費も基本的には優れているわけですから、あとは維持していく上で、軽油になりますよね。あとは次世代自動車っていうカテゴライズになので、初回車検の時の重量税っていうのが免税になったりするんですよ。




以上がCX-5の優秀と言えるべき部分になります。
要するに、価格の割にSUVに求められるパワーが高く、環境面で優れているということなんですね。
私自身も内装だけ見るのであればハリアーかなと思っていましたが、価格の割にハイパフォーマンスであるということが分かって勉強になりました。
実際の商談紹介!

いよいよ本題。商談に入っていきます。今回は見積もりを作成するところから、見積もり後の値引き交渉まで会話形式でご紹介していきます。

装備の差がまずアダプティブLEDヘッドライト、後はブラインドスポットモニタリングと言って、真ん中の車線を走っていて、例えば右の後方から車が接近してくると、右のサイドミラーに車が接近してますというランプが付くものです。
後はレーンキープアシストと言って、車線から出そうになると、警告と一緒にハンドルから車線を逸脱しないように戻してくれる、ハンドルのアシストが入る。これら3つの装備が、プロアクティブになると標準で付いてきます。


最後にクロスD、Lパッケージになると、基本的にはもうレザーシートですね。あとはシートヒーターやパワーシート、専用の19インチのアルミホイールだったりとか、フォグランプがLEDのものが標準で付いたり。
後はレーダークルーズコントロールやスマートシティブレーキサポートっていう、低速域用のブレーキサポートが付けられ、安全装備もフル搭載の上級グレードです。


8万6400円でセーフティークルーズパッケージっていうのを付けるか付けないかの選択が出来て、レーダークルーズコントロールと、あとは高速域用のブレーキサポート。スマートシティブレーキサポート、あとはリアのパーキングセンサーとフロントのフォグランプ、こちらハロゲンですね。後はドライバーアテンションアラートがあります。


基本的にはキーで普通に開けるんで、それ以外の方法で施錠を解除したりすると、鳴ったりしますし、ドアやボンネット、あとはリアゲートとかが正規の方法じゃない状態で開いたりするとその瞬間、もう鳴ります。



なんだかんだで、良さそうなオプションがたくさんありますね。セールスマンの言葉巧みなテクニックに惑わされてしまっているように感じますが、これがまた本当によさそうに感じてしまうんですよ。
続いて見積もり終了後の会話になります。(※見積書は下に公開していますので、詳しくはそちらを参考にしてください。)

付属品店頭引き渡し、21万8525円。こちらの内訳がバイザー、マット、ナビ、ETC、あとETCのセットアップ登録料とバーグルアラームと、ボディコーティングのものをお付けしてあります。
あとは別途支払い費用22万3730円。こちらの内訳、仮に9月にお車を登録した時に発生する9月からの自動車税ですね。9月から来年の3月まで。取得税、重量税は免税でかかりません。後は自賠責保険で言えば初回車検来るまで、3年分ですね、4万40円。登録の代行として車庫証明とナンバーを取得する代行費用とそれに掛かる印紙代。
あとはメンテナンスパックです。こちら8万200円。CX-5のディーゼルはラージクラスに該当しますが、この8万200円が新車36か月プランに該当します。お車お渡しさせて頂いて、最初1か月から6か月までは無料点検っていうのが付いています。お渡しから1年後に法定1年点検という点検が。ここからが有償の点検になってきますが、1年点検と2年目の点検、新車なので3年目が初回車検ですね。
各1年の点検と、その間に、マツダ独自のマツダセーフティーチェック、半年ごとの点検が1回あるので、半年ごとに点検をして頂くんですけど、毎回オイルを交換するのと、2回に1回、フィルターの交換が入っております。これがお車ご納車から初回車検費用まで込みでお作りしてあります。


一気にやっぱり落ち込みますよね。その時の方が基本的には僕らも、販売させてて頂かないとご飯食べていけないので。付き合って頂いてるお礼として、その分お値引きで還元させてくださいっていうのはよくある話です。


はい、ということで何とか10万の値引きに成功しました。
最初に調べていた値引き額目標を上回ることが出来て非常に嬉しく思っています。ただ、もう少し粘れば、もっと値引きしてもらえそうな気がするのですが、今回はここで撤退です。
見積書公開

今回は10万円値引いてもらいましたが、マツダからはあまり多くの値引きは期待できないようです。
それもディーゼル減税は本体価格を値引かないことが条件なので、オプション品や下取車による値引きとなってしまうとのこと。
ただ金額が大きくなるナビがSDカードによるアドオン方式で割安なので、金額的にはさほど大きな差になりません。
見積もりの詳細
【ご検討車種】
銘柄 :マツダ
車名 :CX-5
色 :ジェットブラックマイカ(ブラック)
車種仕様 :CX-3 XD PROACTIVE 2WD SKYACTIV-D 2.2 6ECAT ジェットブラックマイカ
車種コード :GG2 52 L3 1
【お支払い総ご予算①】 3,493,255円
車両本体価格 | 3,051,000円 |
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車両店頭引渡価格(8.0%) | 3,051,000円 |
付属品店頭引渡価格1(8.0%)② | 218,525円 |
付属品店頭引渡価格2(8.0%)③ | |
現金価格計(消費税込) | 3,269,525円 |
割賦手数料 | |
別途支払費用(消費税込)④ | 223,730円 |
任意保険料 | |
販売価格合計 | 3,493,255円 |
使用済車引取お客様支払額 ⑤ | |
ご購入条件合計 ⑥ | 3,493,255円 |
お支払総ご予算 ① | 3,493,255円 |
下取車価格 | |
下取車残債(-) | |
下取車リサイクル預託金相当額 | |
使用済車引取販売店支払額 ⑦ | |
下取車使用済車充当額計 | |
お支払い条件合計 ⑥ | 3,493,255円 |
消費税等合計 | 245,415円 |
【別途支払費用明細】
自動車税(9月より) | 22,500円 |
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自動車取得税 | |
自動車重量税 | |
自賠責保険料(37ヶ月) | 40,040円 |
税金保険料計 | 62,540円 |
(販売諸費用) | |
検査登録手続代行費用 | 24,000円 |
車庫証明手続代行費用 | 19,200円 |
納車費用 | |
下取車手続代行費用 | |
各種費用等課税分小計(消費税込) | 43,200円 |
(預り法定費用) | |
検査登録 | 3,380円 |
車庫証明 | 2,500円 |
下取車 | |
公正証書作成費用 | |
リサイクル預託金額合計 ⑧ | 11,330円 |
印紙税 | 200円 |
非課税分小計 | 17,410円 |
諸費用等計 | 60,610円 |
資金管理料金 ⑨ | 380円 |
その他費用課税分小計(消費税込) | |
パックDEメンテ | 100,200円 |
マツダ延長保証 | |
別途支払費用合計 ④ | 223,730円 |
【販売車両リサイクル関連費用】
シュレッダーダスト料金 | 7,500円 |
---|---|
エアバッグ類料金 | 1,900円 |
付論類料金 | 1,800円 |
情報管理料金 | 130円 |
リサイクル預託金合計金額合計 ⑧ | 11,330円 |
資金管理料金(消費税込) ⑨ | 380円 |
販売車両リサイクル法関連費用合計 | 11,710円 |
【付属品明細1(消費税込)】
DHOE アクリルバイザー | 25,714円 |
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FE1D フロアマット(ラクジュアリー)消臭機能付 | 30,857円 |
KW3L ナビゲーション用SDカードPLUS | 48,600円 |
HC7Y 14&15モデル(三菱電機)スマートインETC | 27,340円 |
ETCセットアップ手数料 | 2,700円 |
HD4K パーグラアラーム | 18,514円 |
WAOJ ボディコーティングMGシリーズ(MG-5) | 64,800円 |
付属品計 1 | 218,525円 |
付属品店頭引渡価格計1 ② | 218,525円 |
まとめ
現在のハリアーが日本専用モデルであるのに対してCX-5は全世界共通のモデルであることの違いが様々な部分で見て取れ、例えば豪華なインテリアのハリアーに対してシンプルさが目立つCX-5とでは国民性の違いまで感じられてしまいます。
言い換えれば世界中で乗られているのと同じモデルを日本でも乗られると思えば、CX-5の内装のコンセプトも、どことなくヨーロピアンな雰囲気のクルマであると言うことも出来るでしょう。
とにかく走ることにかけては抜群に楽しめるCX-5だからこそ、自らステアリングを握って運転することを楽しむ方にとっては所有していることの満足感を感じられるクルマと言うのが結論でした。
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。