スズキのカプチーノと言うと、知らない人は「ん? ディーラーでカプチーノ出してるの?」と思うかもしれませんね。
20年前に人気があった軽オープンスポーツカーなんですよ、カプチーノ。
かわいい名前からは想像できないほどカッコよく、本格派だったんです。
軽オープンカーと言えば現在もコペンがありますが、軽自動車の中だとオープンスポーツカーは少数派。
ハイトワゴン一辺倒になりがちな軽自動車市場に、かつて人気を誇ったカプチーノが復活するのではないかと言われています。
そんな熱い展開にほだされながら、スズキ・新型カプチーノの最新情報をお伝えしましょう。
スズキ・カプチーノをおさらいしてみよう

スズキのカプチーノが復活するという噂がありますが、その噂について語る前にスズキのカプチーノがどんな車だったのかを軽くおさらいしてみたいと思います。
スズキの歴史は軽自動車の歴史、その一部となったカプチーノ、その特徴とは?

スズキの歴史は軽自動車の歴史 カプチーノはこんな車
スズキが自動車製造販売を始めたとき、最初の車は軽自動車だったんですよね。
しかも、日本発の軽自動車だったという、軽自動車の先駆けとなった会社なんです。初の軽自動車、名前はスズライト。
その後ライトバンやジムニー、アルトなど様々な軽自動車を出してきました。
スポーツモデルのアルトワークスもありましたねえ。とにかくスズキは、軽自動車に対して結構挑戦的だったわけです。
カプチーノが発売されたのは、19991年。
スポーツカー全盛期の時代に発売されました。ほぼ同時期に、マツダAZ1とホンダのビートという軽2シータースポーツカーが発売されたんです。
ただ、その中でFR方式を採用していたのはカプチーノだけだった!
本格スポーツカーには欠かせないFR駆動という駆動方式に、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションという本格派な設計と性能に心を打たれた人が多く、人気となったわけです。
軽自動車の中だと随一の、運転が楽しい車とされていました。
1995年にマイナーチェンジされてさらに本格派が加速したんですが、1998年10月に事件が起こりました。
バブルの崩壊に伴ってスペシャルティカー市場が低迷し、スポーツカーが下火に。
加えて、軽自動車の規格変更が行われて車種整理の対象となったため、生産販売が終了したんです。
栄光はたったの7年程度で幕を閉じた、悲劇の車と言えましょう。
1995年式のカタログ情報を見てみよう
グレード名 | 価格 |
---|---|
660MT | 157.5万円 |
660AT | 171.3万円 |
排気量 | 658cc |
---|---|
エンジン種類 | 直列3気筒DOHC |
最高出力 | 64PS (47.07kW)/6,500rpm |
最大トルク | 10.50kgf・m (103Nm)/3,500rpm |
10-15モード燃費 | 20km/L |
全長・全幅・全高 | 3,295mm・1,395mm・1,185mm |
室内長・室内幅・室内高 | 835mm・1,180mm・1,005mm |
ドア数・乗車定員 | 2枚・2名 |
FR駆動の軽オープンスポーツカーということで、トルクが大きく103Nm! 現行車種だとN-BOXやS660が104Nmと近い数値になっており、同じ103Nmの車種はディアスワゴンなどのワゴン車ばかりです。
軽量化された2シーターの車で103Nmというのはあまりに十分すぎる性能で、十分なだけでなく安定して運転を楽しめるくらいのものなんですよ。
グランドツーリング的に街中を流して、風を楽しみながら駆け抜けることができる。
馬力も軽自動車の規格ギリギリで高性能だし、FRという特徴もあり、人気の理由がスペックを見ただけでなんとなくわかりますね。

新型カプチーノの最新情報! 復活って本当? どんな感じなの?

スズキ・カプチーノの歴史と先代のグレードをおさらいしましたが、人気だったのに7年しか販売されていないというのはあまりに惜しいですよね。
スポーツカーの需要がかなり低くなってしまった今となっても、その復活を待ち望む人は多いです。
コペンやS660に浮気せず、毎年「新型まだか」と待ち続けている人もいます。そんな待ち遠しい新型カプチーノ、結局どうなるのでしょうか?
2018年7月現時点、まだ噂の段階だけど…
2018年7月現時点で、カプチーノが復活するというのは噂段階の話です。公式からの発表は何もなく、カモフラージュカーの目撃情報などもありません。
ただ、某カーマガジンが予想CGを掲載したことで、その噂が一気に盛り上がりました。
その後、軽オープンカーをスズキが開発しているという情報が流れ、予想CGが複数出回ることで「これはカプチーノではないか」という憶測が強くなったわけです。
軽オープンカーを復活させるという動きがあるのは不自然ではありませんが、まだまだわからないというのが現状だというのを、まずは脳内にインプットしておきましょう。
諸々アルトワークスから流用する?
スズキの軽自動車スポーツモデルと言えば、アルトワークスが思い浮かぶという人が多いですよね。
アルトワークスも実は一度幕を下ろしたモデルなんですが、2015年12月に復活しました。
そんなアルトワークスから、諸々流用するのではないかという予想がささやかれています。
アルトワークスのエンジンは、直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジン。型番はR06A型というもので、最高出力64PS/6,000rpm、最大トルク10.2kgf/3,000rpmとなっています。
これが流用されるとなると、トルクが以前より少し下がる形になるということですよね。
その分、軽量化は以前よりも進んでいると思うので、走る楽しさは健在となるのでしょう。
アルトワークスも、乗った人のほとんどが「楽しい」「興奮した」と語っています。
発進時から力強さを感じさせられて、加速が鋭く痛快。
走りを楽しみたいという方にとって、「これが欲しかったんだ!」という走行性能をそのまま表現したのが、アルトワークスなんです。
プラットフォームもアルトワークスから流用すると考えられており、走りの楽しさは受け継がれるでしょう。
むしろ2シーターオープンカーとなることで、より強くアルトワークスの走りの楽しさを感じられるようになると思われます。
噂の信ぴょう性、問題は売れそうかどうかだけど…
走りの楽しさに磨きがかかるだろう新型カプチーノですが、この噂の信ぴょう性がどれだけあるかが気になるところだと思います。
個人的な独断と偏見を交えながら、信ぴょう性を語りたいんですが、問題になるのは「売れるかどうか」です。
会社が新商品を出すとき、昔の商品を復活させるとき、気にするのは売れるかどうか。
売れない車を現代に蘇らせても、コアなファンが喜ぶだけですからね。最初はグンッと売れるかもしれませんが、その後下火になってしまってはいけません。
新しい層を獲得できるかどうかが、鍵になります。
現在、カプチーノと似た特徴を持つ軽オープンカーの売り上げはどうなっているのでしょうか。
Honda S660が最も近い車ですが、この売上が意外と芳しくないんですよね。
コペンに比べると新しい分まだ月販は多いですが、安定して売り上げているのはコペンのほう。
コペンは現在も月販200台前後で比較的安定していますが、S660は150前後から450くらいまでと振れ幅が広いんですよ。
初動もコペンより売れず、一度もフルモデルチェンジすることなく自然消滅するのではないかと言われています。
昔、Hondaはビートという軽2シーターオープンスポーツカーを出しましたが、それもあまり売れませんでした。
その時はカプチーノと競合していましたし、販売から数年で色々な煽りを受けたので売れない理由もわかるんです。
ただ、今は同時期に強力なライバルが登場したわけでもなく、ただ売れていません。
こういう趣味性の強い車の売れ行きというのは、景気に左右されます。
長く続いたデフレから若干ですが回復の兆しが見えてきている現在、趣味性の強い車の需要も増えそうなものですが、どうなんでしょうねえ。
コペンが安定して売れ続けている分、軽自動車における趣味車の需要がコペンによって満たされていると考えることもできるかもしれません。
スポーツ車や趣味車の需要を抱えている人が、景気回復によってもう少し高めの車に手を出している可能性もあります。
普通に販売戦略からすると、S660の低迷を受けてカプチーノ復活を見送るというのが自然かもしれませんね。
ただし、スズキというのは常に意外性のあるメーカーです。
アルトワークスが復活した理由は、「軽ターボMT車が、コペンとS660しかない。S660が出る前はもっと少なく、選択肢が限られ過ぎているため」のようなんですよ。
その理由から考えると、カプチーノ復活の可能性も見えてきます。
ただ、だからこそ「アルトワークスを出したためカプチーノはなし」という見方もでき、噂の信ぴょう性は肯定的にも否定的にも捉えることができるんです。
個人的には、新型カプチーノが幻に終わる可能性が4割、復活する可能性が6割程度と考えています。
復活するとしたら、2018年秋・冬ごろには何かしらの発表があるかもしれません。

まとめ
新形カプチーノの最新情報をお伝えしてきましたが、まだ本当に発売されるかは不明です。
スズキというメーカーは市場の売れ行きとは結構逆のことをしてくることがあり、「少ないからこそ敢えて販売するんだ」というところがあります。
発売されるのなら歴史に幕を閉じてから20年となる今年、2018年10月あたりに何かしらの動きがありそうなものですね。
とりあえず10月を目安に「動きはないか」とアンテナを張って、期待しすぎず待ちましょう。
 
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