スズキのスペーシアとOEM関係にある、ほぼ同じ車のフレアワゴン。
軽自動車として限られているサイズを活かして、室内スペースを広くとることを命題とした室内空間が売りの車です。
スペーシアとほぼ同じと言っても、それはパッケージなどの話。乗ってみると、案外「マツダらしい」と感じるところもあるんですよね。
そこがまたフレアワゴンの魅力のひとつというわけですが、この車には本当にたくさんの魅力が隠されているんです。
それは何か? これからじっくりと見ていきましょう。
マツダ フレアワゴン グレード表

グレード名 | 価格 |
---|---|
HYBRID XG | 1,333,800円(1,454,760円) |
HYBRID XS | 1,468,800円(1,589,760円) |
HYBRID車だけで、しかもグレードが2つだけという簡単な設定になっていますね。
本当は「カスタムスタイル」というものもあるんですが、今回は通常モデルだけ紹介します。
通常モデル2グレードの価格差は、約13万円とほどほどの大きさです。
その価格差にはどんな意味があるのか? それぞれどのようなキャラクター性があるのか? これから段階的に語っていきたいと思います。

各グレードの特徴や違いを解説
フレアワゴンは、グレード間に性能の違いがありません。XGとXSには装備の違いのみがあるんですが、どのような装備が搭載されているのかは後程語ります。
まずは、フレアワゴン共通の性能と、XGとXSのキャラクターをざっくりと紹介しましょう。
HYBRID XG
フレアワゴンに搭載されているのは、水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ VVTエンジン。
その最高出力は38kW/6,500rpm、最大トルクは60Nm/4,000rpmと軽自動車の基準の範囲内だなあというようなものとなっています。
この点はどの車も差別化しづらい部分ですよねえ。
ただ、フレアワゴンはそのエンジンに最高出力2.3kW/1,000rpm、最大トルク50Nm/100rpmのモーターが加わります。
リチウムイオンバッテリーを搭載し、燃費に貢献すると共に低速域でモーター走行やアシストを行ってくれるんです。
軽自動車の弱点は、トルク不足と動力性能に差をつけにくい点。
フレアワゴンはモーターアシストを得て、他と差別化すると共にトルク不足を補っているわけです。
低速域からでもスムーズな走りができる軽自動車は、なかなかないでしょう。
また、何気に「アイドリングストップから回復するときの、煩わしいスタート」が解消され、電動アシストされているとは思えないほどのスムーズな感覚が得られます。
そこにスズキの軽量設計技術が加わり、軽い走りができるんです。
燃費は2WDが30.0km/L、4WDが28.2km/Lとなっています。
装備はXSより簡略化されているものの、先進安全機能はしっかり標準搭載。ベースグレードとしてとても選びやすい車ですよ。

HYBRID XS
内外装の質感が若干高くなり、シートバックポケットやアームレストボックスなどの便利装備も搭載しています。
装備が充実したグレード、と公式ページに記載されていますが、まさに充実装備! 上位グレードとして大いに価値あるグレードです。

装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
装備を充実させたXSという上位グレードがあるものの、全車標準装備もかなり充実していそうですよね。
安全装備の充実度を見ると、嫌でも期待値が高くなります。そんなフレアワゴンの装備を、下記PDFから一部抜粋してじっくりと見ていきましょう。
http://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/pdf/flair-wagon/flair-wagon_specification_201804.pdf
全グレード共通標準装備
- デュアルセンサーブレーキサポート
- 誤発進抑制機能(前進時・後退時)
- 後退時ブレーキサポート
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト機能
- リアパーキングセンサー
- ピラーブラックアウト
- スライドドア(後席両側)
- フットレスト
- マルチインフォメーションディスプレイ
- ショッピングフック(インパネ/ラゲッジサイド助手席側)
- 助手席前倒し機構
- リアシート左右独立シートスライド&リクライニング機構
- フルフラットシート機構
安全装備の充実度が半端じゃないですよね。この価格の軽自動車に欲しいもの、あったらいいなあと思うものが全部詰まっている感じがします。
特に、普段使いする人が多いだろうから先行車発進お知らせ機能や、ブレーキサポートなどはありがたいですよね。
個人的には、シートの機構が充実している点や室内にこだわっているというだけあってピラーブラックアウトが搭載されている点などが、気に入っています。
フルフラットになるというのは、いいですよねえ。
しかも、フロントシートにはアームレストも用意されているんです。
フロントシートの幅が結構しっかりと取られていて快適だし、後部座席も決して狭くはなく、むしろ広い。膝とフロントシートとの間には、こぶし2つ入るくらいの余裕があります。
室内の雰囲気も決して退屈ということはなく、シートは織物が使われていて座り心地良好。
デザイン的な面で言えば、ダッシュボードやインパネまわりがかなりこだわられている印象があり、見ていると楽しくなってきます。
基本に忠実でしっかりしているだけでなく、痒い所にも手が届くというような充実した全車標準装備と言えるのではないでしょうか。

HYBRID XGとHYBRID XSの装備、特徴、異なる点
HYBRID XG | HYBRID XS |
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内外装の塗装関係以外は、XGの装備を変更したというよりもXGから全く新しいものを追加したというものがほとんどですね。
HYBRID XGに搭載されているのは、全車標準装備ばかりと言っても良いでしょう。
ただ、運転席シートヒーターに関しては少しややこしいんですよ。
運転席シートヒーターはXGにも4WDのみに搭載されていて、助手席は設定がありません。
XSは運転席シートヒーターを駆動方式に関係なく装備し、助手席は4WDのみとなっています。
他の装備に関してはそうややこしいということもなく、見ればわかるものが多いですねえ。
個人的に気に入っているのは、シートバックポケットやフロントアームレストボックスなど収納が増えている点です。
もともと収納が不十分な車ではありませんが、さらに追加されることで利便性はグーンと向上します。
また、ワンアクション電動スライドドアが搭載されたのもとても嬉しいところですよね!
軽ワゴンに乗るのなら、電動スライドドアは欲しいという方は多いんじゃないでしょうか。
これくらいの価格帯だと装備されていない車種もありますが、これは嬉しい。チルトステアリングも女性ユーザーにはありがたく、主婦が乗るならXSだなあと感じさせられます。
ほかにも、XSになるとルーフレールなどオプション搭載可能な装備も増えるため、興味があればオプションを見てみると面白いかもしれませんよ。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
マツダ フレアワゴンの魅力を性能や装備から語ってきました。
特に性能はほかの軽自動車との差別化がしっかりされていて、弱点も改善され唯一無二とも言えるようなものとなっています。
装備も充実しているし、もう少し価格が高くても買いたくなりそうですよね。
そんなフレアワゴンのグレード2つを、改めて評価するなら? 独断と偏見を交えたら、こうなりました。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
HYBRID XG | ☆☆☆☆ | 快適な走りと充実した安全装備に魅力を感じる方へ。 |
HYBRID XS | ☆☆☆☆☆ | 電動スライドドアが欲しい方へ。 |
HYBRID XGの評価
ガンガン走らせるような走りではないものの、低速から中速域の快適性は軽自動車随一と言ってもいいでしょう。
軽自動車は本来エンジンを回して走るというものであり、発進加速から低速走行はかなり苦手。
エンジンが回ってきてようやくトルクが出てくるというもので、これはもうどうしようもないと考えられていました。
だって、軽自動車には法的な制限があるから! そこを超えると「軽自動車」とは言えなくなってしまう。
だったら、苦手な低速から中速にかけての部分をモーターに補ってもらえばいいじゃないか! という逆転の発想の勝利というわけです。
しかも、100rpmからエンジントルクとそん色ない50Nmというトルクが発生するというのが凄まじい。
大きいトルクを使って動かすという、これまでの軽自動車になかった発想が気持ちいいです。
快適性に魅力を感じる方には、一度試乗してそれを体感して欲しいですね。
HYBRID XSの評価
全車標準装備からして充実度が高いですが、XSになるともう軽自動車に欲しいもの全部付いているという感じがしますね。
電動スライドドア、収納の追加、チルトステアリングなどなど「これが欲しかったんだよ!」とテンションが上がります。
装備の充実をはかりたい方や、電動スライドドアが欲しい方はXSを選ぶべきでしょう。

マツダ フレアワゴンの総合評価
フレアワゴンは、流行りのハイト系軽ワゴン、両側スライドドアが付いていて利便性と快適性が高い人気のスタイルをとっています。
ライバルはタントやN-BOXになるんでしょうが、走りを含めた快適性の高さはその二車種よりも上をいっているのではないでしょうか。
価格帯はカスタムスタイルを合わせるとN-BOXやタントと並ぶものの、価格と性能・装備のバランスをとるとコストパフォーマンスが特に高いと感じるんです。
絶対的な人気を誇る二つの車種よりも勝る部分がたくさんあると思わせてくれる、とてもいい車だと感じます。
 
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