アウトランダーは三菱が製造販売をしている、ミドルサイズのクロスオーバーSUV。エアトレックの後継車種として販売されていますが、そのサイズはエアトレックよりも一回り大きい大柄なもの。アウトランダーというのは、エアトレックの輸出名だったそうです。
初代は2005年から2012年にかけて発売され、現在は2代目。その大きさから、ファミリーカーとしての購入を考えている人も多いのではないでしょうか。そのように考えるのであれば、ファミリーカーとして向いているグレードを選ばなければなりません。
グレードによって装備が異なり、装備が異なれば用途が異なってきます。そこで、購入する際に重要なグレードの違いについてまとめてみたので、ご参照ください。
アウトランダーのグレード表
グレード | 価格 | 燃費 |
---|---|---|
20M | 2,668,680円 | 16.0 km/L |
20G | 2,805,300円 | |
20G Plus Package | 3,083,940円 | |
24M | (2,940,840円) | (14.6 km/L) |
24G | (3,077,460円) | |
24G Plus Package | (3,356,100円) |
( )内は4WDの内容を記載しています。
価格差を見てみると、MからGへグレードアップする場合は約14万円、GにPlusPackageが付くと約28万円となっています。
200万円台が300万円台になるのですから、この差は大きいと言っても良いでしょうし、ナビパッケージを購入するのを躊躇する人は多いはずです。ここに諸費用がかかってきますから、値引きがあったとしても支払い総額はとても高くなることが想定できます。
グレードは2タイプで覚えよう
2018年8月にマイナーチェンジがおこなわれたため、グレードはより見やすくなっており、MとGの2つだけ。セーフティパッケージもありますが、単に装備をプラスしただけの仕様にすぎません。
また20M・24Mとありますが、これらは主にエンジンの排気量に違いがあります。
どちらもSOHC16バルブ4気筒エンジンを利用しており、排気量は20Gが2L(2000cc)、24Gが2.4L(2400cc)となっています。20Gが2000cc、24Gが2400ccエンジンだと覚えるとわかりやすいでしょう。
Plus Packageって何?
PlusPackageは、グレードの基本装備に加えて7インチWVGAディスプレイメモリーナビゲーションをはじめとした、追加装備を搭載したグレードです。基本的にはマイナーチェンジ前のNavi Packageのようなイメージです。
装備されるナビはミュージックサーバーに1回分の地図無料更新、地デジTVチューナー、リヤ&サイドビューモニター、ビルトインETCユニット、ボイスコマンド機能、リンクシステム(Bluetooth通信対応ハンズフリー&オーディオ機能、USB入力対応)が付いてきます。
他にもインテリア各所の装備が変更されているため、約28万円プラスして付け足す価値はあるのではないでしょうか。
各グレードの違いを分かりやすく解説
ここからは各グレードの装備内容について見てみましょう。20Mと24Mではエンジンが違うということは説明しましたが、他にどのような違いがあるのかを装備内容を比べることによって、各グレードの違いを明らかにしていきます。
今回は代表的なものを抜き出して比べてみました。
抜き出した装備内容は、下記PDF主要装備一覧によるものです。三菱公式のものなので、全部見てみたいという方は、ご参照ください。
20M、全グレード共通の装備
- e-Assist
- ウインカー付電動格納式リモコンドアミラー
- ハイコントラストメーター(常時照明点灯タイプ/レオスタット[照度調整機能])
- マルチインフォメーションディスプレイ
ECOスコア
ECOドライブアシスト
トリップメーター
オドメーター
外気温計
平均燃費
航続可能距離
ドライブモードインジケーター<4WD車>
メンテナンス表示 - ECOモードスイッチ
- 本革巻ステアリングホイール(メッキ&ピアノブラックアクセント)+本革巻シフトノブ
- パドルシフト
- 左右独立温度コントロール式フルオートエアコン(クリーンエアフィルター付)
- シフトパネル(シルバーリング)
- アクティブスタビリティコントロール[ASC]
- 運転席&助手席SRSエアバッグ
- SRSサイド&カーテンエアバッグ、運転席SRSニーエアバック
- ヒルスタートアシスト
- 電動パーキングブレーキ/ブレーキオートホールド
- キーレスオペレーションシステム(キーレスオペレーションキー×2)+エンジンスイッチ
- 自動防眩ルームミラー
- ステアリングオーディオリモコンスイッチ
このほか、LEDヘッドライトなど必要最低限のものはすべて揃っています。本皮巻ステアリングホイールや本革巻シフトノブが標準装備されていますが、シート生地は全グレードファブリックシートとなっているのが特徴的です。
それでも基本的な装備は全部ありますから、この価格帯の車としては必要十分といったところではないでしょうか。
その上、マイナーチェンジ後はe-Assistが標準装備となっている点や、ABSやSRSエアバッグが標準装備されているのもありがたいです。安全運転を心がけていれば、これだけでも十分安心できます。特にエアバッグは前方のみならず、サイドにも付けられていて、前後左右の衝撃を緩和できるようになっていて安心です。
20Gの装備、インテリア・エクステリア
- ウインカー付電動格納式リモコンドアミラー(カラード)
- マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)[ルームミラー内]
- 自動防眩ルームミラー(マルチアラウンドモニター付)
- エレクトリックテールゲート(セーフティ機構付)
- 18インチラウンドリムタイプアルミホイール+225/55R18タイヤ(マッド&スノー)
以上が20Gに搭載される追加装備となります。
「え?これだけ?」と思った方も多いと思いますが、標準装備がかなり多かったと考えると妥当なラインではないでしょうか。
中でも気になるのはエレクトリックテールゲートです。
この装備はキーレスオペレーションキーの操作でテールゲート(トランク部分のドア)を自動開閉できるシステムとなります。そのため、両手に荷物を持って手がふさがっている状態や、地面に荷物を置きたくないときなどに便利です。
他にも前後左右のカメラから情報を読み取り、真上から見ろしているような視点の映像で駐車がしやすくなる、マルチアラウンドモニターがついているのはうれしいですね。
20G Plus Packageの装備、インテリア・エクステリア
- リヤスポイラー
- マルチアラウンドモニター(バードアイビュー機能付)
- 自動防眩ルームミラー
- ステアリングカメラスイッチ
- 7インチWVGAディスプレイメモリーナビゲーション(6スピーカー)
20Gの装備に加えて、上記の装備が20G Plus Packageに追加されています。先ほども紹介した通り、7インチWVGAナビが標準装備されているのもうれしいですが、ほかの装備についてもちょっと見ておきましょう。
リアスポイラーは簡単に説明すると、高速域の運転を安定させることが出来る装備で、主に速度が出やすい高速道路での安定した走行が可能となっています。
また、PlusPackageでは自動防眩ミラーに装着されていたマルチアラウンドモニターがナビのモニター画面で表示、ステアリングスイッチで操作ができるようになるため、使い勝手が良くなっているのもポイントです。
24Mの装備、インテリア・エクステリア
- ドライブモードセレクター(プッシュボタン)
24Mはドライブモードセレクターが追加されていること以外を除くと、装備内容は同じです。ただ、ドライブモードセレクターとはどのようなシステムなのでしょうか。
ドライブモードセレクターというのはその名前にあるとおり、走行環境・走行条件に合わせてドライブモードを切り替えることができる機能で、ボタンプッシュ式です。「AWE ECO」・「NORMAL」・「SNOW」・「LOCK」の4つの切り替えが可能で、シチュエーションに合わせて切り替えることで走行のしやすさや燃費が変わってきます。
「AWE ECO」モードだと、通常走行時は2WDで走行し、滑りやすい路面状況になると4WDで走行するシステムとなり、良い燃費記録が期待できます。
「NORMAL」モードは基本的なアウトランダーの走行性能が行かされているモードで、乾燥舗装路や濡れた路面などを、低燃費で軽快な走りを実現しています。
「SNOW」モードはその名の通り、主に雪道などの滑りやすい路面において安定した走行ができるモード。雪国にお住まいの方にとってはかなりうれしいモードですね。
「LOCK」モードは、雪道や登坂路等で悪路走行をする場面で、優れた走破性を発揮するモードとなります。パワーを求めたいときはこのモードを使うと良いでしょう。
24Gの装備、インテリア・エクステリア
24Gは24Mで紹介したドライブモードセレクター以外は、20Gと同じ装備内容となっております。
エレクトリックテールゲートはもちろん装備されていますし、インテリア・エクステリア各所にMよりも上質に見えるような装備へと変更されているのが特徴的ですね。
ただ、違うところを上げるとすれば、オプション装備にS-AWCというメーカーオプションが追加されていることです。
このシステムは回時にラインが外に膨らむことなく、自分のイメージした走行ラインをそのままに走る、旋回時のライントレース性に優れ、高速直進・レールチェンジにおいて車体が振られずに走りが安定します。さらに雪道でもスリップが小さくなり、安全かつ力強い走りをすることを実現しています。
ドライブモードセレクターと併せて、かなり安定した走破性を体感できそうですね。
24G PlusPackageの装備、インテリア・エクステリア
24G PlusPackageもここまでと同様に、追加されている装備はドライブモードセレクター以外は全て20G PlusPackageと同様です。
ただ、4WDとなっているのはポイントといってもいいでしょう。
アウトランダーのようなSUVはどうしても悪路走行をしたい方が多い傾向にあるため、できることなら2WDよりも4WDの方が使い勝手は良いと言えます。
最高グレードだけあって価格は高めですが、その分に見合った装備内容なので高い走破性と、利便性を併せ持つ1台となっているのが特徴的ですね。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
それぞれのグレードの違いを見てきましたが、20Mと24Mの違いはエンジンとドライブモード、そしてメーカーオプション位だということが分かりましたね。そう考えると、それぞれの魅力というのはいったいどこにあるのか、どういう人が購入しているのかが気になってしまいます。
そこで、各グレードのオーナーの口コミから、どこに魅力を感じている人が多いのか、どういう人が購入している傾向があるのかを考えてみました。
20Mの魅力。選んでいる人はどんな人?
「オプションを追加しなくてもいいくらいに、標準装備が充実しているため、割安に感じました。」「エアバッグ、LEDヘッドライトの標準装備はもっと大々的に取り扱ってもいいのでは?」
20Mの口コミを見てみると、その魅力はやはり充実した装備内容と価格だということが分かります。
確かにベースグレードはハロゲンライトが搭載されているというSUVも多い中で、LEDヘッドライト搭載というのはポイントが高いです。SRSエアバッグもオプション装備という車が多いですから、標準装備されているのはアウトランダーの利点と言えます。
そんな充実した装備内容があるために、相対的に見て価格が割安だと感じるのです。エンジン性能については2000ccで2WDと、そこまで大きな期待はできませんが、それでも街乗りやちょっとしたレジャーでの遠乗りでも問題が無いほどの性能はあります。
高速での合流・追い越し時、加速するまでにややタイムラグがあるのが2000ccエンジンの欠点ですが、それに慣れてしまえば不満はなくなるでしょう。
これは推測になりますが、価格の安さから選んでいるのはファミリー層だと考えられます。7人乗りで居住性が高く、アウトランダーという車種自体ファミリー層が多いのではないかと考えられます。
20Gの魅力。選んでいる人はどんな人?
20Mと比べて主に機能面での追加がされている20Gは、大きな車だけあって駐車が苦手な人でも気軽に停めることが出来るのが魅力となっているようです。
口コミを見てみると「ルームミラーにバックモニターが写るからちょっと見づらい」「操作がミラーになるのでオプションを付ければよかった」といった意見も観られるので、一概にアラウンドモニターが使い勝手がいいとは言えないのも事実です。
ただその反面、エレクトリックテールゲートは主に主婦層からの評価が高く「両手に買い物袋を持っても開けれるから楽」「子供を抱っこしながら荷物を積める」といった意見もあるので、利便性だと言ってもイイでしょう。
そのため、選んでいる人はファミリー層の中でも、特に女性の方が運転する機会が多い家庭だと考えられます。
20G PlusPackageの魅力、選んでいる人
20G PlusPackageの魅力はやはり純正ナビが標準装備されていることでしょう。ナビをわざわざ購入する手間がありませんし、アラウンドモニターも画面上で表示されるようになり、ステアリングスイッチで操作ができるのも利便的です。
ただ、それ以外にメリットがないのもまた事実で、価格がどうしても高いので手を出しづらくなっているようです。
そのため、購入する人は20Gと同様に、ファミリー層で女性の運転が多い家庭だと考えれられます。
24Mの魅力。選んでいる人はどんな人?
「直進安定性が高く、加速にラグもありません」「ハンドルを切ればスっと曲がってくれて運転しやすく、走行性能が高い」と、エンジン性能や走行性能に関する口コミが多いです。20Mと24Mの違いは主にエンジンの排気量と駆動方式なので、それらの口コミが多く・評価が高くなるのは当然のことでしょう。
価格に関しては低評価が多く、「安い」という評価はあまり見られません。2WDの20Mと比べると約30万円ほど高くなり、装備内容にも違いが出ている車種が他社にありますから、それと比べるとアウトランダーのグレード毎の相違点というのは少ないです。
そういった点で「お買い得感」が無いのでしょう。
ただ、20Mと同じベースグレードであり4WD仕様になっただけ、そう考えると30万円程度の価格差は妥当だと考えることが出来るのではないでしょうか。他社の車を見てみても、同グレードのFFと4WDの価格差が大きいのはよくある話です。
よって、物の見方によって評価が変わるグレードなのではないかと考えられます。
SUVは4WDを選ぶ人が多いですから、アウトランダーの購入を決めた時点で20Mを選択肢から外す人も多い事も考えられるので、購入者層はファミリー・独身男女あらゆるユーザーが該当します。
24Gの魅力。選んでいる人はどんな人?
考え方としては20Gの時と同様です。
魅力的なポイントとなるのは、やはり駐車のしやすさと利便性の高さ。それに加えて4WDの駆動方式が魅力的に感じるが多いです。
特に雪国にお住まいの方にとっては、「路面が滑りやすい冬の時期の運転が怖くない」「モードの切り替えができるから気軽に運転できる」といったドライブモードの切り替えについて評価している方も見られます。
そのため、推測ですが選んでいる人は雪道を走るファミリー層や、スキーやスノーボードといったウィンタースポーツが趣味の方が多いと考えられます。
24G PlusPackageの魅力、選んでいる人
ナビがついてより一層アラウンドモニターが見やすくなった点は、20Gの時と変わらない魅力である反面、最高グレードだけあって価格がかなり高い為、どうしても24G PlusPackageに決めきれない方が多いようです。ナビがつく・つかないで価格が約30万も変わるので、多少見づらくてもコスパをとって24Gの購入する方が多い傾向にあります。
そう考えると、24G PlusPackageは金銭的に余裕がある方で、ウィンタースポーツが趣味な独身層に多いと考えられます。
総合的に売れているグレードを考察
アウトランダーはその大きさ・広さから、ファミリー層に人気があります。独身者であったとしても大人数人で出かけることがよくあるという人が、アウトランダーを選ぶことが多いです。この大きさのSUVとしては価格が低くお求め安いですから、最上位グレードでもコストパフォーマンスがいいという口コミが多いのも納得できます。
その中で総合的に売れているグレードは何か、そう考えると24Gでしょう。利便性・安全性・走破性の3拍子がそろっているので、家族で利用したり遠出をしたりと様々なシチュエーションでアウトランダーの存在が欠かせなくなります。
ただし、この車の魅力は、充実した標準装備と、7人乗りができるほどの広い室内空間・居住性があり、コストパフォーマンスが高い点です。その魅力が最大限際立っているのは何かと考えると、ベースグレードの20Mや24Mになります。
そう考えると、アウトドアよりも街乗りを重視したい方は20Mを、とにかくどんな路面でも走破性が優れていることを重視したいのであれば24Mもオススメです。
PlusPackageは見積もりをしてもらった後に、予算にまだ余裕がある場合に検討するといいのではないでしょうか。
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。
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