車が走るときの効果音は? そう、「ブーン」……ダイハツ・ブーンですよね。
ダイハツ・トヨタの共同開発から、現行型はダイハツが一貫開発を行った車種となりました。トヨタのパッソがブーンのOEMという位置づけなんですよね。
どちらも名前・見た目共にかわいらしい見た目だけに、軽自動車と比較する声も大きいです。
ブーンは、装備は軽並みだけど走りは軽より上! 軽自動車の枠を飛び越えた軽自動車という言葉が相応しい、名前からして楽しげなダイハツ・ブーンの特徴を紹介しましょう。
ダイハツ ブーン グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
X | 1,150,200円(1,351,080円) |
X”SAⅡ” | 1,215,000円(1,415,880円) |
X”Lパッケージ” | 1,258,200円(1,453,680円) |
X”LパッケージSAⅡ” | 1,323,000円(1,453,680円) |
X”GパッケージSAⅡ” | 1,447,200円(1,642,680円) |
CILQ | 1,431,000円(1,626,480円) |
CILQ”SAⅡ” | 1,495,800円(1,691,280円) |
CILQ”GパッケージSAⅡ” | 1,657,800円(1,853,280円) |
Gパッケージ以外は、「SAⅡ」搭載・非搭載が選べるという新設設計がいいですよね。
SAⅡは要らないなあという方もいるでしょうから、そういう方にとってベースグレード以外の選択肢があるのは良いことです。
SAⅡ搭載・非搭載はあるものの、グレード数は基本的に「X」「X”Lパッケージ”」「X”Gパッケージ」「CILQ」「CILQ”Gパッケージ”」の五つとなっています。
最低価格と最高価格の差は約50万円とさほど大きくはありません。
最低価格も最高価格も、軽自動車並みですね。最低価格にいたっては、最近の軽自動車より安いと言えるかもしれません。
安いと嬉しいけど、不安になってきますね。期待半分・不安半分背負ったまま、各グレードの特徴を見ていきましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
ブーンのグレードは全部で五つ、中でも「X」と「CILQ」というのが基本中の基本となります。その二つをベースに、各パッケージがあるというわけですね。
ここからは敢えて、「X」「CILQ」の基本グレードと各パッケージとを分けて解説したいと思います。
X
XとXILQとでエンジン性能が異なるかと思いきや、エンジン性能は全グレード統一のものです。
搭載されているエンジンは、水冷直列3気筒12バルブDOHC横置エンジン。その最高出力は51kW/6,000rpm、最大トルクは92Nm/4,400rpmとなっています。
性能を見るだけだとよくわからないかもしれませんが、実際走ってみると軽自動車の走りの質感とは大きく異なっているんです。直進安定性が高く、アクセルを踏み込むとしっかり加速してくれる安心感があります。
もちろん胸をすくような加速感はありませんが、日常使用ならまず不満が出ない程度の加速をしてくれて十分楽しめるんですよ。
また、軽自動車にありがちな「道路の継ぎ目や段差の衝撃が思い切り伝わる現象」も、ブーンにはほとんどありません。ダンパーがしっかり受け止めてくれているのがわかります。
加速感が軽自動車と異なる…それもある。安定感が軽自動車より高い…それもある。だけど、ブーンの走りにとって一番良いところは、高い質感と乗り心地です。
CILQ
エンジン性能が同じなら何が違うのか? 答えは内外装にあります。Xと比べると、スポーティな印象を持たせているんです。
Xに比べてライトは丸くかわいらしいものの、釣り目になって「やる気」をアピールしています。グリルもン在韓の大きい形になり、ヘッドライトとハッキリ区別されました。
Xだと、ライトとグリルが繋がっていてグリルの存在感が弱いんですよね。
内装も、CILQはスポーティなデザインに統一されています。「CILQ(シルク)」の名前にある通り、上質な雰囲気が感じられるんです。特に、シートの色合いが黒記帳のツートーンというのもいいですよね。
シートは起毛シートだから触り心地も良く、まるでシルク!
Xよりも上質感が大幅アップしていて、見た目と質感にこだわる方にピッタリなグレードです。
“SA Ⅱ”
SAⅡは、ダイハツの先進安全装備スマート・アシストⅡの略称。全グレードに標準搭載というような形を取っているものの、非搭載モデルも選べるようになっています。そんなスマート・アシストⅡの内容は次の通りです。
- 衝突回避支援ブレーキ
- 衝突警報機能(対車両・対歩行者)
- 車線逸脱警報機能
- 誤発進抑制制御機能(前方)
- 誤発進抑制制御機能(後方)
- 先行車発進お知らせ機能
先行車と衝突しそうになったといの緊急ブレーキ、衝突危険性がある場合の警報機能、車線を逸脱しそうになった時の警報機能などなど、たくさんの安全装備が詰め込まれています。
その中でも個人的に特に嬉しいと感じるのが、後方の誤発進抑制制御お機能と、先行車発進お知らせ機能です。
駐車時など、後方に誤発進しそうになることは気を抜いていたら案外多いですからねえ。
通勤中の長い信号待ちには、先行車発進お知らせ機能を使って少しでも気を抜いてストレスを減らしたいです。どれも必須とは言えないものの、あれば格段に安全性がアップし、ストレスフリーになりますよ。
“Lパッケージ SA Ⅱ“
Xよりも装備を少し豪華にしたグレードです。
CILQにLパッケージが無いのは、CILQは最初からLパッケージと同等の内容を備えているのが理由となっています。
具体的にどういう装備があるのかは後ほど詳しく紹介しますが、一部だけ見てみましょう。
たとえば、6:4分割可倒式リヤシートや運転席シートリフターなどの快適装備、UV&IRカット機能付ガラスなどが追加されています。
“Gパッケージ SA Ⅱ“
Lパッケージよりも更に、装備を豪華にしたものです。
たとえば、本革3本スポークステアリングホイールやメッキシフトレバーボタンなど内装をグレードアップしたものが多いですね。
Lパッケージで実用性の高い機能の追加、Gパッケージは内装の質感アップというのがテーマとなっているようです。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
ブーンはエンジン性能が全グレード統一、内外装や装備が各グレードで異なるということでした。
ただ、実際どんな装備が用意されているのかはほとんど語っていません。今度は、装備を基準にして、各グレードの特徴を比較してみましょう。
なお、装備内容は下記PDFから一部抜粋しています。
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/boon/pdf/equipment.pdf
全グレード共通標準装備
- デュアルSRSエアバッグ(運転席/助手席)
- ABS(EBD機能付)
- VSC&TRC
- ヒルホールドシステム
- エマージェンシーストップシグナル
- 衝突安全ボディ<TAF>
- iSOFIX対応チャイルドシート固定バー&トップテザーアンカー(後席)
- エアフラップ(フロント)&エアスパッツ(リヤ)(2WD)
- LED式ハイマウントストップランプ
- フロントセンターアームレスト(ボックス付)
- 助手席シートバックポケット
- マルチインフォメーションディスプレイ
- カップホルダー(前席:ワンプッシュ式オートオープン)
- ショッピングフック(フロント)
- 上下調整式フロントヘッドレスト
価格帯が低いため、全車標準装備は結構少ないです。個人的に全車標準装備の中で「これはいいなあ」と感じるのが、収納が豊富というところ。
助手席シートバックポケットが全車標準装備なのはいいですね。これは軽自動車だとグレード別設定が基本ですから。
他にも、カップホルダーやショッピングフック、ボックス付アームレストがしっかり用意されているところが好印象です。
他の装備は特筆するようなところはないものの、安全性には気を配られているなあと感じます。衝突安全ボディの採用し、基本的な安全機能は全て搭載、しかも全グレードにSAⅡの搭載・非搭載を選べるというところが良いところです。
XとLパッケージの装備比較
X | X”Lパッケージ” |
---|---|
|
|
Lパッケージの目玉は、やはり6:4分割可倒式リヤシート・シートリフター・オートエアコン・キーフリーシステムでしょうねえ。
どちらもこの価格帯の車だとグレード別設定としてお馴染みの装備ですが、Lパッケージの時点で付くのならLパッケージを選びたくなります。
そうなるとXの存在意義が薄いなと感じるのが難点ですが、それは予算的な逃げ道というか最終手段的なものとして認識していれば良いのでしょうね。
Lパッケージを選んだ方が、シートアレンジも出来てインテリアがより使いやすくなります。後席を両方倒したら、大きな荷物も楽々載せられるようになり、買い物や旅行利用などブーンが活躍する幅が増えますよ。
CILQだけの装備比較
- ドアミラーターンランプ
- シルバー塗装ドアアウターハンドル
- フロントグリル(サテン調メッキ+艶有りブラック塗装)
- ピラーブラックアウト
- グレードエンブレム(バックドア)
- Bi-Angle LEDヘッドランプ(オートレベリング機能・LEDクリアランスランプ付)
- フロントフォグランプベゼル(シルバー塗装リング付)
- 自発光式2眼メーター(タコメーター/シルバー加飾付)
CILQにしか搭載されない装備を集めましたが、一番の目玉はピラーブラックアウトとBi-Angle LEDヘッドランプでしょう。
LEDヘッドランプはXもGパッケージで搭載されますが、それは通常のもの。1灯の光源だけで切り替えができるBi-AngleはCILQだけなんです。
これによってハイ・ロービームの切り替えがスムーズになるとともに、眼球が一つになったかのように感じられデザイン的によりキリッとした印象になりました。
また、ピラーブラックアウトによって屋根を低く見せスポーティ感が強調されています。
これはCILQがスポーティな内外装をテーマにしているため設定された仕様ですが、こういう細かな仕様変更をしているところにこだわりを感じますよねえ。
他にも自発光式2眼メーターやシルバー塗装など、各所でスポーティな雰囲気を出しています。
“Gパッケージ SA Ⅱ“
- スーパーUV&IRカット機能付フロントドアガラス
- スーパーUVカット機能付スモークド リヤドア・リヤクォーターガラス
- LEDヘッドランプ(オートレベリング機構付)(X”Gパッケージ”のみ)
- 本革巻3本スポークステアリングホイール(メッキオーナメント/シルバー加飾付)
- メッキシフトレバーボタン
- メッキインナードアハンドル
- リヤスピーカー
- 14インチアルミホイール
Gパッケージは、スーパーUVカットと本革巻きステアリングホイール、14インチアルミホイールが装備の目玉と言えるでしょう。
特に「スポーティ」をテーマにしているCILQにとっては、14インチアルミホイールになるのは良いことですよね。より走行感覚に安定感が生まれ、スポーティにもなりますから。
また、これによって4WD車の存在意義も他のグレードより大きくなっているように感じます。
スーパーUVカットガラスに関しては、そこまで必要性を感じない方もいるかもしれませんが、女性には特に嬉しい装備ではないでしょうか。余計な紫外線と赤外線両方をカットしてくれるため、とても肌にいいですよ。
各グレード・パッケージの評価 こんな方にオススメ!
ダイハツ・ブーンの各グレードの特徴が出そろいましたね! 性能は同じだから、装備と価格・内外装のデザインだけで選べるのが良いところ。
XがいいかCILQがいいか、パッケージはどれを選ぶかSAⅡは搭載・非搭載どうしよう?
色々と迷うと思いますが、個人的な独断と偏見で各グレードの「こんな人にオススメ!」を語りたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
X | ☆☆ | 予算に余裕が無いけど、軽よりワンランク上の質感を体感したい方へ。 |
CILQ | ☆☆☆ | スポーティなモデルが良いという方へ。 |
X“Lパッケージ” | ☆☆☆☆ | インテリアの快適度・利便性を上げたい方へ。 |
各グレード“SAⅡ” | ☆☆☆☆☆ | 安全性を向上させたい方へ。 |
X・CILQ”GパッケージSAⅡ” | ☆☆☆ | さらに上の質感を求める方へ。 |
Xの評価
個人的に、一番存在意義が薄いと感じているグレードです。全体的に足りないんですよね。Lパッケージが良くできているからこそそう感じるわけですが…。
そんなXグレードにとって一番良いところは、価格が特別低いところですよね。昨今の軽自動車にもこれほど安いものは、なかなかありません。近年は150万円前後当たり前の世界ですから。
昔は、軽自動車と言えば「特別安い車」でした。そういう車を求めていて、なおかつ軽自動車よりも質感高い走りを求める方には、Xグレードはピッタリではないでしょうか。
CILQの評価
CILQは、最初からLパッケージと同等以上の装備を搭載していて、さらにスポーティな印象を付与したグレードです。
Bi-Angle LEDヘッドライトが最初から搭載されているのも、いいところですよねえ。
あのヘッドライトもデザインの一部だからこそですが、XだとLEDヘッドライトは最上級グレードのみなので、ここにもCILQとXとの差を感じます。
個人的には、XよりもCILQのエクステリアの方がカッコ良くて好みですね。ただ、その分CILQは価格が高めなので万人にオススメはしづらいというところがあります。
趣味の世界なので、「これいいなあ」と感じる方には躊躇いなく購入をオススメしますよ。
X“Lパッケージ “の評価
X”Lパッケージ”になって、初めてブーンは完成するような印象があります。6:4分割可倒式リヤシートによって、買い物と旅行に使いやすくなって用途が広がりましたからね。
他にも実用的な装備の追加が多く、選びやすいのも魅力的。ベースグレードと比べると、積極的に選べる要素が多いというのが、オススメ度が高い理由です。
各グレード“SA Ⅱ” の評価
一番オススメなのは、X”Lパッケージ”にSAⅡを搭載すること。Xを選んで安全性だけでも高めるべくSAⅡを搭載するのも、アリですね。
SAⅡを搭載させると、Xの役割がデフォルトよりさらに高まる気がします。
先進安全装備は必須とは言えないものの、有ると無いとでは安全性が大違いです。もしものときがこないように予防できるのは、SAⅡのような先進安全装備だけ。
「使わない」と感じるかもしれませんが、頻繁に活躍しないよう心がけるという意味で安全運転に寄与することもあるため、搭載させた方が良いでしょう。
“Gパッケージ SA Ⅱ“の評価
Xだと、LEDヘッドライトが欲しい方にはオススメのグレードです。内装の質感も本革巻きステアリングホイールによって高められていますし、14インチアルミホイールによって走りの質感もさらに高くなっています。
LEDライト目当てに購入するとしても、他の要素が強いため後悔するようなことはないのではないでしょうか。
ただ、CILQだとLEDヘッドライトが最初から装備されている分選びづらいかもしれません。それでもCILQ+14インチアルミホイールは魅力的ですけどね。
ダイハツ ブーンの総合評価
ブーンは、軽自動車的な特徴を持ちながらも、走りの質感はしっかりコンパクト・ハッチバックというなかなかに楽しい車です。
走りの質感と乗り心地に比重を置き、装備は敢えて抜くことによって価格帯も低く、軽自動車ユーザーにとっても良い選択肢となる車なのではないでしょうか。
賛否両論ある車種ですが、軽自動車づくりの技術をしっかり活かしてコンパクトカーをつくるという取り組みは面白いです。
一般的なコンパクトカーよりも長いボディ、広い室内空間、使いやすいインテリア……。
そして、質感が向上した走り。
名前の通り「ブーン」と走らせたくなる、楽しい車です。
 
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