中型FRセダンは今となっては本当に貴重な車ですよね。
セダンの人気が低迷している中で、典型的な中型セダンの趣を残した車を自動車業界最大手のトヨタが手掛けたというだけでマークXの面白さや凄さがなんとなく伝わるでしょうか。
現代の国産FR車の中で、マークXは確実に「最も成熟している車」と言えます。
一方アテンザはスポーティかつ高級車然とした風貌が人気の、マツダのDセグメントセダンです。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのどちらかを選ぶことができ、ディーゼル車は6MTを選ぶこともできます。ディーゼルの大きなパワーを自ら操る感覚に酔いしれることができるという、MT好きにはたまらない車です。
そんな二台を比較してみたら、どのような特徴が見えるでしょうか?
気になったので、マークXとアテンザを徹底的に比較したいと思います。
目次
価格・ローンについて、どっちが安い?
ベースグレードの価格
マークX | アテンザ | 価格差 | |
---|---|---|---|
価格 | 2,916,000円 | 2,797,200円 | 118,800円 |
3年ローン(月々) | 81,000円 | 77,700円 | 3,300円 |
5年ローン(月々) | 48,600円 | 46,620円 | 1,980円 |
任意保険料金
マークX | アテンザ | 価格差 | |
---|---|---|---|
21歳以上 | 361,600円 | 388,600円 | 27,000円 |
26歳以上 | 361,600円 | 388,600円 | 27,000円 |
30歳以上 | 361,600円 | 388,600円 | 27,000円 |
価格差は5年ローンで月々1,980円、イッキュッパです。
そう表現すると、少しお得感がありますよね。少なくともマークXの方が圧倒的に高いなという印象は受けないのではないかと感じます。
特にマークXを視野に入れている方にとっては、気にならない程度でしょう。
ただ、任意保険料金は年間2万7千円あります。この差をどう表現するかは個々人によって変わるでしょう。個人的には内外装や装備などの特徴に満足して購入するのであれば、気にならない程度だと感じます。
維持費と価格はそれだけで考えるのではなく、自分がどちらを気に入っているかという気持ちと照らし合わせて考えるべきですよね。深く気に入っていれば価格差や維持費の差もある程度は気にならなくなりますから。
【マークX】VS【アテンザ】装備を比較してみた
自分が気に入った車なら価格や維持費に対する考え方も変わる……ということで、まずは装備を基準としてマークXとアテンザの違いを見ていきたいと思います。
グレードによって装備は異なりますが、敢えてベースグレード以外のグレードの装備も含めて比較してみましょう。
Toyota Safety Sense P 【マークX】
マークXとアテンザに関しては、安全装備をはじめとする装備はほぼ互角です。特に安全装備に関しては両方とも独自の先進安全装備を搭載しています。
マークXのToyota Safety Sense Pはプリクラッシュセーフティシステムや、レーダークルーズコントロールなどが全車標準装備されているんです。
プリクラッシュセーフティシステムは、歩行者検知機能と衝突回避支援機能が付いています。
単眼カメラとミリ波レーダーとを使って、車両や歩行者を検知して衝突危険性があると判断された場合には衝突回避支援の自動ブレーキがかかるという仕組みです。
レーダークルーズコントロールは、定速走行と減速・追従走行制御を行います。
ミリ波レーダーを使って前方車両との車間距離を検知して、設定車速内で前方車両の車速に合わせて速度を調整してくれるという機能です。車間距離を一定に保ちながら、走行できます。
ただ、全車速追従機能はマークXには搭載されていません。
i-ACTIVESENSE 【アテンザ】
アテンザの先進安全装備は「i-ACTIVESENSE」と総合的に呼ばれています。
その機能は細かくグレードごとに分けられていて、全車標準搭載となっているのはブラインド・スポット・モニタリングや車線逸脱警報システム、アドバンスト・スマート・シティブレーキサポートなどです。
中間グレード以上だと、レーンキープ・アシスト・システムやアダプティブ・LED・ヘッドライトに関しても標準搭載されるようになります。
個人的には、死角になる部分をモニターに表示させる「ブラインド・スポット・モニタリング」が気に入っている機能です。
これに関してはマークXには搭載されていない機能なので、アテンザに少し優位性を感じます。
ただ、レーンキープ・アシストが全車標準ではないというところに関してはマークXに軍配が上がるでしょう。中間グレードを選ぶのであれば、先進安全装備に関してはマツダの方が豪華かなといった印象です。
快適装備などがあまり変わらないので、安全装備の違いがそのまま装備の違いの印象になります。価格とのバランスはアテンザの方が良いのではないでしょうか。
装備に対する口コミ
それでは、両車種の装備に向けられた口コミを見てみましょう。
マークX | アテンザ |
---|---|
装備の内容や走りを考えるとかなりお得です。専用の足周りに19インチのアルミタイヤ!最高。 | マイナーチェンジが毎年のように行われて、i-ACTIVESENSEなどの先進安全性能が追加されたりしていて凄いと思います。 |
FR6気筒を搭載して装備もそれなりでこの価格……FRや6気筒に価値を見出せるなら、「装備はもう少し豪華にして欲しい」とは感じません。満足できます。 | メモリー機能付き電動シートが装備されているところがいいですね。 |
あらゆる装備が付いてチューニングもされて、とても安いです。 | 装備と性能のバランスを考えても、価格は高くも安くもない「買いたい人が買う」というベストプライスのように感じます。 |
コスパの良さが光ります。全体的な装備内容の良さと、この価格とのバランスがいいですねえ。 | オートクルーズは高速道路などで大活躍。精神的疲労感がとても緩和されて、ありがたいです。 |
もう少し装備が豪華であれば、と思います。先進性の高い機能や装備が安全装備以外でも欲しいところですね。 | 400万円から500万円クラスの車に匹敵するほどの性能と装備。価格です。素晴らしい出来! |
マークXは何か一つの装備を挙げて良さを語るというよりも、装備と価格とのバランスを見てコストパフォーマンスが高いと褒める声が大きいです。
特筆するような装備はあまりないかもしれないし、先進性の高い装備も安全機能以外ではあまり搭載されていないため面白さはないかもしれません。
ただ、この価格帯の車には搭載されていて欲しい装備が多数用意されているので、大きな不満もでないでしょう。
全体的にまとまりが良い装備内容です。
一方アテンザには、「この装備がいいね」「この機能がいいね」という声が多く見られます。特に個人的に感じるのは「シートのメモリー機能がとてもいいなあ」ということです。
この機能は上位グレードにのみ標準搭載されていて、中間グレードにはオプションとなっています。
ただ、マークXにはメモリー機能の設定が全くないんです。この価格の車なら「最低限」ではないものの、メモリー機能があった方が嬉しいですよね。
高級車種には決まって搭載されている機能ですから、高級車に片足を突っ込んでいるマークXとアテンザにはあってほしいなと感じます。
基本的に装備はほぼ互角ですが、やっぱり「ほぼ」なんですよね。細かく見ていくとアテンザの方が優位性を感じるようになっていると言えるのではないでしょうか。
両モデルのエクステリア・インテリアを比較
装備には大きな違いが無いものの細かく見ていくとアテンザの方が豪華に見える部分が多いということでしたが、「大きな違いが無い」と言うとボディサイズもそうなのではないかと感じます。
セダン同士、ボディサイズにはどのような差があるのかを見てみましょう。
マークX | アテンザ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
全長 | 全幅 | 全高 | 全長 | 全幅 | 全高 | |
250G/20S | 4,770 | 1,795 | 1,435 | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
250S/20S PROACTIVE | 4,770 | 1,795 | 1,435 | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
250RDS/25S Lパケ | 4,770 | 1,795 | 1,435 | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
350RDS/XD | 4,770 | 1,795 | 1,435 | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
XD PROACTIVE | – | – | – | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
XD Lパケ | – | – | – | 4,865 | 1,840 | 1,450 |
全体的にアテンザの方が大きいですね。全長は95mm、全幅は45mm、全高は15mmマークXよりも大きいです。ただ、全体的なサイズのバランスとしては似たようなものでしょう。
同じようなバランス感を保ちながら、サイズだけ大きくなっているといったところですね。
サイズのバランスがあまり変わらないので、ボディサイズが見た目の印象の違いに大きな影響を与えているということもないように見えます。ただ、エクステリアのデザインは全く違ったものですよね。
そこで、今度はエクステリアのデザインとインテリアの雰囲気を口コミから比べてみたいと思います。
エクステリア・インテリアに対する口コミ、オーナー意見
それでは、両車種に寄せられオーナー口コミを見て行きましょう。
マークX | アテンザ |
---|---|
賛否両論ありますが、個人的には好きなタイプのエクステリアです。 | 新鮮味はないものの、優美で綺麗なフォルムで魅力的です。ボディラインが美しく、そしてまたカッコイイ。 |
高級感のある内装でいいですね。ただ、少しおじさん臭いかも? | 適度に「囲まれている」という雰囲気があり、スポーティなインテリアです。シートの質感もいいですよね。 |
お世辞にもカッコイイ顔とは言えません。所有欲が満たされないデザイン。面白味がありません。 | WEB広告を見て「カッコイイなあ」と思い、実際に車を見に行って購入を決意。インテリアもスッキリしていて気に入っています。 |
大規模マンションの部屋のような内装です。高級感はあるものの、無味無臭に感じられます。 | エクステリアに所有する喜びがあります。あと、威圧感も。 |
エクステリアは少し若作りしすぎ? 内装はとても良いです! | 内装は今時の車といった感じ。高級感はそれほどないけど、価格相応かな。 |
マークXのエクステリアは「若作りしすぎ」という意見も見られ、賛否両論あります。
現行マークXはターゲットの年齢層を少し下げることを目指して作られているため、フロントフェイスが少し若いんです。
「おじさんセダン」と言われてきたマークXに若々しい顔立ちをさせるということで、元からのファンにとっては不満要素となっています。
若い世代には好かれることもあるものの、内装や装備が据え置きなので全体的に「おじさんセダン」という雰囲気を拭い去ることはできず、中途半端です。
そのまま中間層や高齢層に向けた路線を継続するか、思い切って内装や装備をもう少し若々しくした方がよかったのではないかと個人的には思います。
アテンザに関してはエクステリアもインテリアも評価が高いですよね。
有無を言わせないカッコ良さが、アテンザにはあります。堂々とした顔立ちに、流麗で美しいフォルム。
「マツダカラー」と呼ばれる赤をボディカラーとして選ぶことで、アテンザはより男らしい覇気を放つようになります。誰に見せても、どこから見てもカッコイイと頷くのではないでしょうか。
インテリアはマークXの方が高級感があるように感じますが、オーナー的にはアテンザの内装にも満足しているようです。高級感を全面的にプッシュしすぎていないところが、かえって良いのかもしれませんね。
高級感とおじさん感というイメージは、近いところがありますから。
【マークX】と【アテンザ】燃費がいいのはどっち?
価格と保険料と同列に語られることの多い要素と言えば、燃費ですよね。燃費もお金に関わる部分なので注目する人も多いと思います。
そこで、マークXとアテンザの燃費の差をJC08燃費と実燃費の両方から比較してみましょう。
マークX | アテンザ | |
---|---|---|
250G/20S | 11.8km/L(10.6km/L) | 17.4km/L |
250S/20S PROACTIVE | 11.8km/L(10.6km/L) | 17.4km/L |
250RDS/25S Lパッケージ | 11.8km/L | 16.0km/L |
350RDS/XD | 10.0km/L | 19.6km/L |
XD PROACTIVE | – | 19.6km/L |
XD Lパッケージ | – | 19.6km/L |
マークXはV6エンジンを搭載しているため、燃費は度外視していると考えて良いでしょう。排気量も350RDSは3.5L、それ以外は全て2.5Lと大きいです。
完全に走りに特化した形になっているため、燃費を気にしすぎるとかえって楽しみが失われます。維持費よりも楽しみを優先させる方でなければ、厳しいかもしれません。
アテンザはガソリングレードは2.0Lと2.5Lの水冷直列4気筒を搭載し、燃費も重視する形になっています。XD以降はクリーンディーゼルエンジンですが、エンジンは直列4気筒直噴ターボを搭載していて走行性能も非常に高いです。
燃費を重視しながら、マークXにも負けないほど高い走行性を誇っています。
エンジン性能的にはマークXの方が上ですが、足回りやハンドリングの調整など全体を含めれば、個人的にはアテンザの方が面白い走行性能になっていると感じるんです。
そのため、走りと燃費両方を重視するならアテンザに軍配があがるのではないでしょうか。
燃費に対する口コミ
それでは、燃費に関する口コミも見て行きましょう。
マークX | アテンザ |
---|---|
片道10kmほどの都内での通勤で渋滞路を走ったんですが、6気筒で8km/Lなら全く悪くはないと思います。 | 東京から金沢を1000kmドライブしたんですが、なんと無給油でした! 遠乗りをすると21km/Lくらいになり、感動。 |
平均で8~9km/Lです。高速乗りが多いと燃費がこれくらいですが、市街地メインだと7~8km/Lくらいですかね。 | 遠乗りだと18~20km/L程度になることもあるものの、市街地だと15~16km/L程度出れば良い方。 |
平均7、8km/L程度。可もなく不可もなくといったところです。 | 市街地走行で12~13km/L程度で、高速を長距離巡航すると21km/L程度になります。 |
エコモードを常用して10.5km/Lくらいですかね。ただ、燃費に神経質になるのは面白くないかと。 | 夏場の街乗りは15km/L程度で、冬は12km/L程度です。高速道路はどちらも18~20km/L程度。 |
街乗りでは8km/Lを切って、遠乗りの場合は13km/Lを超える。V6ならこれくらいでは? | 高速道路ではモード燃費を超えるので、非常に満足しています。 |
両方ともに共通して言えるのが「JC08燃費と大きく乖離していない」ということです。JC08燃費と比べると納得できるという方も多く、燃費に関して不満を抱いているという方はほとんどいません。
それどころか、マークXもアテンザも場合によってはJC08燃費より良い数字が出ることもあるということなので、非常に良いと言えるのではないでしょうか。
【マークX】・【アテンザ】にはどんな人が乗っているの?
これまでマークXとアテンザの特徴や魅力を語ってきましたが、二台それぞれに異なる魅力があると言えそうですよね。
お互いに優位性のある部分が違い、需要も違うように見えます。そこで、マークXとアテンザのオーナーはどんな人が多いのかを調べてみました。
オーナー10名に対して調査した結果が、こちら!
【マークX】に乗っている人はこんな人!

40代が最も多いですが、50代が0人なのが意外ですよね。現行のマークXの顔立ちが気にくわないため離脱した方が多いのかもしれません。
または、50代以降はクラウンに流れているのでしょうか。いずれにせよ、マークXのメインユーザー層は40代で、30代がそれに続く形となっているということです。
また、20代が1名いるのが気になりますよね。エクステリアくらいにしか感じられない人も多いとは言え、若年層に向けたイメージ戦略が実を結んでいるのかもしれません。
インテリアに関しては今回「おじさんくさい」という口コミを紹介しましたが、その一方では「若い」という意見もあります。こういう部分は年齢層によって感じ方が違うようです。
若年層に関してはエクステリアのイメージもありますが、V6エンジンを搭載していることもあり、面白いなと思って購入した方も多いのではないでしょうか。
実際、購入者のほとんどが「重視したのはスポーティさである」と語っていました。次点で高級感を重視しています。用途は多くの方が日常使い+レジャーと答えました。
やはり、レジャー利用しないとマークXの真価は発揮できないのでしょうね。
【アテンザ】に乗っている人はこんな人!

マークXに比べて年代が幅広いですよね。中心となっているのは30代・40代の中間層ですが、20代も1名・50代にも2名のオーナーがいました。
若々しい外見と親しみやすいインテリアから20代にも支持され、その質感の良さや走りの良さから中間層や50代にも支持されています。
どの年齢でも「セダンに求めるもの」はある程度同じで、年齢によって「これは不要」という部分があるでしょう。
アテンザはセダンに共通して求められるものをうまく押さえていて、その上で余計な部分を削ることによって幅広い年齢の方に受け入れられる車となっているのかもしれません。
用途や重視した項目は、ほとんどがマークXと同じでした。大枠としては「スポーティな車が欲しい」「高級感のある車が欲しい」という需要があり、その中でマークXとアテンザとでは細かく需要が分岐しているのではないでしょうか。
比較結果
マークXはエクステリアに若々しいイメージを持たせ、年齢層を下げようと試みた結果20代にも若干ですが支持されるようになりました。
V6エンジンを搭載するFR車という、国内では非常に珍しいタイプの車で一定の層に需要があります。
アテンザはカッコよさと親しみやすさを演出し、幅広い年齢層に愛されています。走りを重視しながらも燃費も捨てきらないスタンスは、現代日本の車社会によく馴染むと言えるでしょう。
昔ながらの「エンジンスペックにこだわった」中型セダンが欲しいなら、マークX。
現代社会に馴染むカッコよくも走りと燃費両方にこだわったセダンが欲しいのなら、アテンザ。
そのように考えてどちらを購入するかを決めると、幸せな買い物ができるのではないでしょうか。
 
車の乗り換えで「ほとんどの方が損をしている」その盲点とは。
私はこの方法で毎回新車を30万円安く購入しています。覚えておいて損はありません。
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