グレード選びの鍵は、この車が持つキャラクターにあります。
趣味の車として、また実用車として幅広い用途で人々から人気を集めているデミオ。ガソリン車・ディーゼル車の二つのタイプが設定され、それぞれにいくつかのグレード・パッケージが設定されています。
特にSNS上で人気を集めているのはディーゼル仕様のXDですが、人気だからといって何も考えずにXDを購入してはいけません。
「これがいいなあ」という漠然とした考えはあるでしょうが、一度しっかりと各グレードの特徴を比較して、購入決定を行いましょう。
デミオのグレード表
グレード | 価格 | ||
---|---|---|---|
2WD | 4WD | ||
C | 15C | 1,393,200円 | 1,598,400円 |
S | 15S | 1,490,400円 | 1,695,600円 |
15S ツーリング | 1,733,400円 | 1,938,600円 | |
15S ミストマルーン | 1,782,000円 | 1,987,200円 | |
15S ノーブルクリムゾン | 1,792,800円 | 1,998,000円 | |
15S ツーリング Lパッケージ | 1,814,400円 | 2,019,600円 | |
MB | 15MB | 1,560,600円 | – |
XD | XD | 1,814,400円 | 2,019,600円 |
XD ツーリング | 2,014,200円 | 2,219,400円 | |
XD ミストマルーン | 2,062,800円 | 2,268,000円 | |
XD Lパッケージ | 2,073,600円 | 2,278,800円 | |
XD ノーブルクリムゾン | 2,073,600円 | 2,278,800円 |
Cグレードをはじめ、SグレードやXDグレードのミストマルーン・ノーブルクリムゾン以外には、ATのほかに6MTも用意されています。
ATに加えて6MTも設定されている車種は、ミッションのタイプによって価格が異なるということはなく、6MTの価格は2WD価格と同様です。
最低価格が約139万円、最高価格が約228万円で、価格差は約89万円となっています。ただ、グレード・パッケージ設定が非常に豊富なため、価格だけで「価格差が小さい」と判断することはできません。
価格差はあくまでも、各グレードの評価を自分なりにつける際の参考になさってください。

各グレードの特徴、捉え方
基本的なグレードは、通常仕様エンジン搭載車のC・S・MBに加えて、ディーゼル仕様エンジン搭載車のXDの4種類です。まずはこれらについて、簡単に紹介しておこうと思います。
Cグレードは、インテリアコーディネートをギリギリまで抑えることによってコストカットを図った廉価グレード。ブラック/シルバーを基調としたインテリアが特徴となります。
Sグレードは、便利な装備・機能を追加することによって快適性を向上させた、普及グレードです。インテリアの質感もまた、向上しています。コマンダーコントロールという操作系統が特徴です。
MBグレードは、1.5L直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」を搭載したグレード。主に運転性能が向上していて、より快適なドライブを楽しむことが出来ます。
XDは、ディーゼルエンジンを搭載しているところが最大の特徴となり、Sグレードとと同一仕様の装備を多く備えています。
「Touring(ツーリング)」は、LEDヘッドランプやアナログタコメーターなどを搭載しているところが特徴です。基本的には、15S・XDともに同一仕様の装備が追加されます。
「Touring L Package」は、二種類のシートタイプ・インテリアコーディネートを選ぶことのできるグレードです。シートの色を基調として、様々な加工・装飾が施されています。
特別仕様車となる「Mist Maroon(ミストマルーン)」は、シックな色合いと素材のコーディネーションにこだわっていて、高級感を感じられる加工・装飾が施されているモデルです。
同じく特別仕様車の「Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)」は、赤と白を基調とした深みのあるコーディネーションが魅せる大人の質感が楽しめるグレードです。
デミオ購入検討中の方はこちらもチェック!下記ページではデミオの買取相場について記載しています。
>【2017年版】デミオ買取相場の傾向と査定に出す際の注意点
将来的にデミオの買取額がどこまで下がるのか見ておくことは大切です。
装備を基準にグレードの特徴を見てみる
各グレードともに、簡単な特徴を紹介しました。
デミオは装備内容とインテリアの雰囲気で、グレードの違いを語ることができます。複雑そうに見えますが、案外グレード体系は単純なのです。
そこで、代表的な装備の違いを挙げることによって、各グレードの特徴を簡単に比較してみましょう。
装備は下記PDFから一部抜粋しています。より一層深く比較をしたいという方は、ご参照ください。
http://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/pdf/demio/demio_specification_201807.pdf
全グレード共通の標準装備
- 運転席&助手席SRSエアバッグ
- ダイナミックスタビリティ・コントロールシステム[横滑り防止機構]<DSC>&トラクションコントロールシステム(TCS)
- ヒル・ローンチ・アシスト(HLA)
- LEDリアコンビランプ
- インテリジェント・ドライブ・マスター(コーチング機能、ティーチング機能)
- チルト&テレスコピックステアリング
- 運転席ラチェットレバー式シートリフター
- SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS Gベクタリングコントロール(GVC)
- SKYACTIV-CHASSIS(スカイアクティブ・シャシー)
- i-stop
インテリジェント・ドライブ・マスターのティーチング機能は、スコアを表示してくれるだけでなく、アドバイスまでしてくれるというものになっています。
ただし、各グレードのオーディオレス仕様に付けられている同機能は、スコア表示のみの仕様となっているので、注意が必要です。
インテリアの装飾・加工は、グレードごとで細かく異なる仕様となっています。メカニズム関連が、全グレード共通仕様となっている部分が多いです。
メカニズムで特に目を引くのが、スカイアクティブでしょう。G-ベクタリングコントロールが、高速走行・悪路での安定性を高め、揺れを軽減し、「思ったとおりに走れる」ようにハンドル操舵を調整してくれます。
そして、スカイアクティブ・シャシーがマツダの掲げる「人馬一体」を表現してくれるのです。中低速域での軽快感と爽快感や乗り心地を高め、私たちに走る喜びを提案してくれます。
これら二つが揃っていることによって、あらゆるドライブシーンにおける「安心感」と「一体感」そして「快適性」が実現されているのです。これがデミオが提示する「走りの喜び」となっています。
デミオの根本の部分がどのグレードでも変わらず、変わるのは装飾や機能だけであるというところが、嬉しいですね。どのグレードを選んでも車のよさが失われないという部分は、大いに評価できます。
15Cの装備、インテリア、エクステリア
- ハロゲンヘッドランプ(ロービーム:マニュアルレベリング[光軸調整]機能付)
- 電動格納リモコンカラードドアミラー
- マニュアルエアコン(花粉除去フィルター付)
- 4スピーカー
- 外部接続ハブ(USB端子×1/AUXミニジャック)
- 185/65R15 88Sタイヤ&15×5 1/2Jインチスチールホイール+フルホイールキャップ
- 電波式キーレスエントリーシステム(アンサーバック機能付、リアゲート連動)
- セグメント液晶オーディオディスプレイ
- インパネデコレーションパネル(助手席)/コンソールサイドデコレーション(ブラック)
- ステアリングホイールベゼル(ブラック)
廉価グレードとしては、とてもよくできた装備内容と言えます。
確かに、他グレードと比べれば「コストカットされているなあ」と感じざるを得ません。特にインテリアの装飾や加工は、満足できるものではないでしょう。ブラック装飾や単純なメッキ・シルバー加工がほとんどで、目新しさがなければ豪華感もありません。
ただ、機能や装備は基本的なものがしっかりと揃えられており、不足しているとは言えないでしょう。
マニュアルエアコンが不満の種となりそうですが、それ以外は必要十分と言えます。価格のことを考えると、納得できる出来です。
「デミオの走り」だけを体感したいのであれば、この程度で十分ではないでしょうか。

15MBの装備、インテリア、エクステリア
- エンジン(SKYACTIV-G 1.5)
- 185/65R 88Sタイヤ&15×5 1/2Jインチアルミホイール(軽量アルミ)
15MBはCグレードをベースにエンジンやホイール等といった変更がされていますが、それ以外は基本的には一緒です。
そのため、エンジンまでこだわりたい方や、デミオの高い走りを感じたい方にはオススメですが、機能性を考慮するならSグレードを選択すると良いでしょう。
15Sの装備、インテリア、エクステリア
- スマート・シティ・ブレーキ・サポート[前進時](SCBS F)&AT誤発進抑制制御[前進時]
- ダークティンテッドガラス(リアドア/リアゲート)
- オート格納機能付電動格納リモコン式カラードドアミラー
- 7インチWVGAセンターディスプレイ&コマンダーコントロール
- タコメーター(デジタル)
- リアルームランプ
- マップランプ(フロント)
- リアシート6:4分割可倒式シートバック
- 6スピーカー
コマンダーコントロールは、センターディスプレイに表示できる項目の全てを操作可能としたコントローラーです。ナビゲーションやオーディオ操作もできます。シンプルで使いやすいボタン配置がされており、操作がしやすいのが特徴です。
手元を見ずとも操作ができるので、運転中でもナビやオーディオの操作ができます。
全体的に装備を見ると、15Cよりも利便性が向上したと言えます。リアシートが6:4で倒すことができるようになり、シートアレンジも可能となりました。ディスプレイも見やすい7インチのものが採用されており、情報が自然と目に入るようになっています。
個人的にひとつ残念なのが、タコメーターがデジタル仕様ということです。加速していく際に針が動く感じが好きだという方が多く、私もまたその一人です。デジタルは単に数値だけを見る分には便利ですが、デザイン性・趣味性に欠けます。
また、アナログだと「どれくらい加速している」というのがパっと見でわかりやすいです。数値ではなく、メーター全体の何割ほどエンジンが回転しているのかが見た目でわかるので、直感的な回転数の調整ができます。
良いところもあれば悪いところもあるのですが、15Cと比べると満足できる出来です。

15S Touring(ツーリング)
LEDヘッドランプやレイセンサーワイパーなどの便利な機能を搭載し、運転席&助手席シートヒーターといった機能を備えることで、快適性を高めたパッケージです。
ステアリング・シフトノブ・パーキングレバーに本革を巻くなど、インテリアの質感も向上しています。
15S Touring L Package
15S Touringの装備内容と同じですが、インテリアのタイプを選ぶことができるという違いがあります。インテリアのタイプは、ピュアホワイトシートとブラックシートの二つです。
ピュアホワイトシート仕様は、「白を基調して、一部にレッドがアクセントとして入ったインテリアコーディネーション」。ブラックシートは、「黒を基調として、一部にシルバーを入れたインテリアコーディネーション」となっています。
15S Mist Maroon(ミストマルーン)
特別仕様として、シートやインパネ、エアコンルーバーベゼルなどに、グランリュクス®・ディープレッドを追加しています。また、タイヤもアルミホイールへと変更されている(高純度ダーク塗装)のが特徴的ですね。
15S Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)
黒と白の凛とした空間に、艶やかな紅色のシートが官能的な専用のインテリアです。
単純な黒や白では作り出せない、深みのある大人の空間に仕上がっています。
XDの装備、インテリア、エクステリア
- トノカバー
- ナチュラル・サウンド・スムーザー
- 185/65R15 88Sタイヤ&15×5 1/2Jインチアルミホイール
- マフラーカッター
- フロントグリル(上部ピアノブラック塗装)
- フロントグリルガーニッシュ(グレーメタリック塗装)
上記以外の装備・機能は、インテリアコーディネーション含めて15Sと同じです。
装備の面では、15Sとその各パッケージで完成しているのでしょう。重要なのは、1.5Lディーゼルエンジンを積んでいるということです。それに伴って、スチールホイールはアルミホイールへと変わっています。
ディーゼルは音がうるさいという意見もあるので、ナチュラル・サウンド・スムーザーの存在も重要でしょう。

XD Touring
クルーズコントロールが標準装備されている点が、特徴です。
また、フロントフォグランプ(LED)も搭載しており、実用性の高いパッケージに仕上げています。基本的には、15S Touringと同様の装備や機能を備えています。
XD Touring L Package
フロントフォグランプの加飾が、XD Touringと異なります。Lパッケージ特有のインテリアコーディネーションは、15S Touring L Packageと同じです。
XD Mist Maroon(ミストマルーン)
Mist Maroonで追加される仕様・装備は、15S Mist Maroonと変わりません。
XD Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)
Noble Crimsonで追加される仕様・装備は、15S Noble Crimsonと変わりません。
各グレードの魅力や選んでいる人の傾向
各グレードの「装備内容や機能、インテリア」に焦点を当てて、デミオの各グレードの特徴について説明しました。
装備やインテリアを語ることで、各グレードの違いを理解することが出来ると述べましたが、ご理解いただけたでしょうか。
まだ語り足りない部分があるので、今度は「各グレードの魅力」に視点を置いて、グレードの特徴について語りたいと思います。

15Cの魅力、選んでいる人はこんな人

15Cの魅力は、安さです。
内装の質感は劣りますが、加工や装飾がまったく施されていないわけではないので、同価格帯の他車種よりは質感が良いでしょう。装備内容も不十分とは決して言えず、必要十分。余計なものが付いていないので選びやすいです。
デミオと言えば、1.5Lディーゼルエンジン搭載車のXDというイメージがあるでしょう。ただ、短距離走行が多く高速道路の利用が少ないなら、通常仕様でも十分加速を楽しむことができます。
選んでいる人は、市街地走行がメインという方が多いです。
15Sの魅力、選んでいる人はこんな人

15Cと同様の性能を誇りながら、装備や内装が15Cよりも豪華になっているところが魅力的です。
スポーティさを求めてデミオを購入するという方が多いですから、タコメーターは最早必須と言えるでしょう。「使わない」という方もおられますが、加速時にメーターを見て参考にするという方もまた大勢おられます。
デジタルなところが気になりますが、XDでもタコメーターはデジタル仕様です。アナログ仕様が良いという方には、Touringをおすすめします。
タコメーターよりも注目したいのが、コマンダーコントロールです。マツダが、2016年の一部改良で力を入れた部分でもあります。これの有無で利便性が大きく変化するので、重視したいところです。
デミオのユーザーは、スポーティさと快適性を求めている方が多い傾向があります。、15Cよりもユーザー層に寄り添った仕様となった15Sは、15Cよりもおすすめできます。
15S Touring
本革が多く使われインテリアの質感が向上している点と、アナログタコメーターが魅力的です。15Sでも十分快適性が高いですが、それをさらに超える装備設定となっており、お得感があります。
15S Touring L Package
インテリアコーディネーションが選べるというところが魅力的で、内装にこだわりを持っている方にとってはとても嬉しい選択肢となっています。
Tailored Bronwもまた内装にこだわっていますが、それより装備が充実しているところも、このパッケージの魅力です。
15S Mist Maroon
インテリアの布地の質感は、他のグレードより圧倒的に高いでしょう。
装備内容はTouringではなく15Sに準拠しているため、価格も抑えられています。内装の色や加工というより、質感にこだわる方にはおすすめです。
15S Noble Crimson
インテリアのカラーコーディネイトは、他の色では作り出せない大人の色になっています。
コンセプトも「大人なデミオ」のもと、上質さや大人の遊び心を表現していますので、上品なインテリアにこだわる方には特におすすめ。
XDの魅力、選んでいる人はこんな人

XDの魅力は、なんといっても1.5Lディーゼルエンジンによる加速です。エンジン回転数が2,000rpmを超えたところから力強い加速をし、山道でもグイグイと上ってくれます。
市街地では、回転数を上げることなく燃費走行しても十分速いです。高速道路ではターボを使って思い切り加速し、速さを楽しむことができます。
また、足回りは硬めになっており、コーナリングなどでしっかりとした踏ん張りを見せてくれるのです。硬いと言っても、乗り心地が悪いということはありません。腰痛持ちでも楽に長距離ドライブができるほど、乗り心地が良いのです。
デミオのディーゼルエンジンは、ディーゼル特有の「低回転域で太いトルクが感じられる」というものではなく、アクセルを踏んでエンジンを回して鋭い加速をするというタイプのものです。
2,500回転時には5,000回転弱ほどのパワーを感じることができます。
どんな道でも鋭い加速で駆け抜けることができるという、走りの楽しさ・喜びを感じさせてくれるのが、XDの魅力です。デミオを購入する方の多くがXDを選んでいる傾向があります。
XD Touring
XD Touringの魅力は、クルーズコントロールが標準装備されている点です。高速道路を走る方にこそXDをおすすめしたいのですが、高速道路を頻繁に利用するならクルコンがあったほうが良いでしょう。
XD Touring L Package
これは15Sと同じく、内装を選ぶことができるというのが魅力です。
XD Mist Maroon
XD Mist Maroonの魅力もまた、15Sと同じく内装の質感が高いという点にあります。
XD Noble Crimson
XD Noble Crimsonもまた15S Noble Crimsonと同じ魅力を持っています。

総合的に売れているグレードを考察
デミオはエンジンで二タイプに分かれているので、タイプ別におすすめしたいグレードがあります。
1.3Lガソリンエンジン仕様車でおすすめなのが、15Sです。日常使いをする便利な装備が揃っており、快適な運転を楽しむことができるというのが、おすすめの理由となっています。高速道路を走ることがあまりないのであれば、15Sが良いでしょう。
ディーゼルエンジン仕様車でおすすめなのが、XD Touringです。
そして、エンジンタイプで分けず総合的にお勧めを考えても、XD Touringになりました。
XDをすすめる理由は、これまでの流れでご理解いただけるでしょう。それでは、何故「Touring」なのかを簡単に説明します。
XDは、「アクセルを踏み込んで鋭い加速とパワーを得られる車」です。高回転型のエンジンとなっていて、少し踏み込むだけで回転数がグイグイ上がっていきます。実際のパワーは回転数から想像できるものよりも、遥かに高いです。
少し踏み込んだだけで回転数がグイグイ上昇し、少しアクセルを戻すと下がる……。Touringにはアナログ仕様のタコメーターが装備されています。この針が、機敏に上がったり下がったりするのです。
そういった見た目で楽しむ要素があるというのが、おすすめする理由のひとつとなっています。
決め手となっているのはクルーズコントロールですが、デミオXDのキャラクターを最大限活かすことができるのは、タコメーターのビジュアルという面でも「Touring」ということになるのです。
 
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