子育て世代にとって、一番使いやすいクルマ
そう言われて、真っ先に思い浮かぶのがスペイド。
最近ではスライドドア搭載の軽自動車やコンパクトカー、そしてちょっと背伸びをしてミニバンを…という方も増えてきている為、スペイドはどうしても陰に隠れた存在になりがちです。
しかし実は「子育て世代」においてスペイド、それも『F』は家族で乗るクルマとしてオススメ!
特に3人家族なら、迷う必要のない車種・グレードになるんです。
そこで今回は、そんなスペイドの魅力的なポイントを紹介しつつ、なぜグレードの中で『F』が最良の選択と言えるのか、その理由を紹介していこうと思います。
足腰が不自由になってきた両親の介護のための車を、なんて考えている人も是非参考にしていってくださいね。

目次
なぜ?スペイドは『F』一択?グレードの違いから見えてきた消去法な考え

冒頭でもお話したように、スペイドのグレードは『F』一択。
とは言え、なぜそう言い切れるのか疑問に感じた方も多いはずです。
そこでまずは、グレードごとの違いについて触れながらその理由に迫っていきましょう。
『X』『Y』は正直スペイドの”利便性”が失われてしまう?
まずベースグレードとなる『X』と、1つ上のグレードとなる『Y』。
この2つのグレードは基本的に『F』との違いがほとんどなく、特徴的な違いと言えるのはちょっとの加飾と、フロントとリアのシートの機構や材質位なもの。
故に価格差も6万円程度と非常に小さくなっていますが、実は結果的にスペイド自体の利便性を失うことに繋がっているんですよね。

というのもXでは4WDにしない限りはリアシートが一体可倒式になっており、座る分にはそこまで困ることはないものの、シートアレンジする際には両方倒す必要があるため非常に不便。

そしてYはフロントシートがベンチシートへと変更されていますが、運転席から後部座席への移動しにくくなり、家族で使うための車としては利便性が欠けているんですよ。
こうして見てみると、『X』や『Y』よりも『F』が選ばれるのにも納得できると言えるのではないでしょうか。
最上級グレードの『G』はどうなの?

一方で最上級グレードの『G』はと言うと、”「ナノイー」パッケージ”(62,857円)に、”スーパーUVパッケージ(17,600円)”が標準装備。
他にも以下の装備の変更・追加があります。
- ステアリングホイール・シフトノブ⇒本革巻へ
- シート表皮⇒撥水タイプのトリコットから起毛タイプのトリコットへ
- 運転席に快適温熱シート機能の追加
- フードサイレンサー/ダッシュアウターサイレンサーの追加
(要はエンジンルームに収音効果のある素材を使って静粛性を高めたってこと)
そのため、機能面で見ると確かにナノイーパッケージが追加されることでオートエアコンが搭載するので利便性が高いですし、エンジン音もよほどうるさくない限り聞こえないという利点があります。
その上、価格差約9万円という点から見てもこれはお得です。
しかし、他のパッケージを追加することも考慮すると、最終価格が200万円を余裕に超え、別車種に目移りする結果にもつながります。
このように、消去法で考えると『F』が人気になるのは当然と言えてしまうんですよ。

『F』に用意された2つの特別仕様車は『買い』?それとも『なし』?

そしてそんなFには、特別仕様車の『GLAMPER』『Noble collection』の2つが用意されているんですが、はっきり言って論外。
よほどのことがない限り、選択肢から除外しちゃって大丈夫です。
これには以下の理由があげられます。
『GLAMPER』
『GLAMPER』の特徴は、アウトドア感が出る加飾の追加。
メッキ加工ではなくブラック加工にすることでその感じを出そうとしているのはわかりますが、正直これは単に『必要ない』装備が増えるだけ。

だから売れていないと推測できちゃいます。
もっと言うと家族向けでアウトドアな車、なんて車種は他にもたくさんありますしそちらの方が魅力的。
後ほど触れるNoble collectionと比べて、”実用的”な装備が追加されるわけでもありませんし単に『見た目にちょっとこだわりたい』人向けのグレードとなってしまっています。
『Noble collection』
一方で『G』よりも車体価格が高くなる『Noble collection』はと言うと、HID(57,619円)、スーパーUV(17,600円)にクリアランスソナー(28,600円)。
そして加飾する部分が多少増えた(アルミホイールにレジスターリング)ドレスアップ(23,000円)

それに加えてシート地に合成皮革が使われていると考えると、社内外の質感を高めつつ快適性も加わった『お買い得感』のあるグレードといえます。
しかし、ベース車となる『F』との価格差130,900円、そして個人的主観も入れながらお話すると、『加飾』が増えて家族も快適になるの?と感じざるを得ません。
つまり2つの特別仕様車は、個人的な主観で言ってしまうと『的外れ』な装備を追加しているからこそ選ばれにくいと言えるんですよ。
スペイドのグレードで『F』が選ばれるのはとにかく○○を考えられているから
その点を踏まえて、『F』を改めて見てみるとどうでしょうか。

セパレートタイプのフロントシートに、後部座席が6:4で分割するリアシートを搭載しているFは、家族で使うだけではなく一人で使う場合も非常に使い勝手が良いです。
その上シートも撥水加工が施されているので、例えばお子さんがジュースをこぼしても問題ありません。
”最低限の加飾“は確かにチープさを感じるかもしれませんが慣れると気にならなくなりますし、とにかく使い勝手にこだわった”装備”が魅力的です。
それでいて、車体価格も200万円以下。
気になる部分だけをパッケージで補っていく『F』は、自分の使い勝手に合わせていくことができるグレードと言えるのではないでしょうか。

あえてスペイドのグレードを『F』以外にした方がいいと思える人はこんな人

ただ、『F』以外のグレードが悪いというわけではありません。
むしろ、見る目線を少し変えるだけでベストグレードはすぐに変わってしまうんですよね。
というわけでここからは、そんな『F』以外のグレードを選んだ方がいい人について、簡単にお話していきたいと思います。
パッケージやオプションをアレコレつけようと考えている
そもそもスペイドはグレードを『F』にしても、パッケージを全部つけるとなると総額2,106,076円。
200万円を軽く超えてしまいます。

その上、純正ナビを付けられるパッケージもなく、ナビを付けるとなるとオプションの追加も検討しなければいけないため、あれもこれもと付けていくと最終価格は必然的に膨れ上がって言っちゃいます。
そう考えると、最初からいくつかのパッケージが標準装備となっている、『G』や『F”Noble collection”』といったグレードの方がお得といえます。
ちなみに、どっちのグレードを選ぶかは『加飾が必要かどうか』がネックになってきますよ。
4WDの購入を検討しているのであれば、『X』に目を向けた方が得!?
また、雪国などにお住まいの方のように、4WDの購入を検討している方であれば『X』は非常におすすめなグレードへと昇華するのもポイント。

Xの悩みの種となっていた一体可倒式のリアシートが6:4分割可倒式に変わり、安い価格で多彩なシートアレンジができるようになります。
積雪地域に住む方にとって撥水加工されていないシート地となるのは痛いですが、幅広いシートアレンジが可能になりつつ、4WDで安定した運転も可能。
それでいて価格もFの4WDに比べてオプション1つ分安くなると考えると、選択肢の幅が広がります。
このように、スペイドは『パッケージ・オプションの取捨選択』を考えて選ぶようにすると、グレードを選びやすくなると思いますよ。

ちょっと待て!グレードの違いだけでは分からない『スペイド』という車種の弊害

ここまでで、グレードの違いを見ながらベストグレードは何ぞや!とお話してきました。
…が、ちょっと待った!
実はスペイドの全グレードに当てはまることなんですが、公式サイトやカタログでは絶対に把握しきれない、『乗って初めて気づくポイント』もいくつかあるのも事実。
だからこそここで、試乗する前に知っておきたい情報として紹介しちゃいます。
電動で開閉する大口径のスライドドアは超のろま!

まずはコレ!
スペイドの一番の見どころであり、特徴でもあるスライドドアの開閉は電動だとイラッイラするくらい遅いです。
これは2012年に登場してから変わらない装備であるが故の弊害といえますが、日常的に使うならちょっと気になるトコロ。
もうちょっと早くして!ってせっかちさんなら感じてしまうんですよね(笑)

とは言え、スライドドアの開閉ボタンが後ろの席からでも操作できるようにボタンがあるのが便利ですし、助手席ドアがガーっと開くので子供が居たり荷物が多い時には助かります。
その上、リモコンにもドアオープンボタンがあるので、ちょっと離れたところから開けてしまえば問題ないようにも感じますね。
ナビの取り付け位置が正直イライラポイントになることも
次に気になるのが、純正でも社外品でも気になってしまう『カーナビ』。

実は構造上、反射で見えづらい時が多数ありイライラしてしまうことが多いんですよね。
そのため、試乗する際にカーナビが付いていないとわからないところとなってしまうんですが、見ておいて損はないと思います。
ちなみに、純正ナビも年々アップグレードしてはいますが、中古車などに搭載している純正ナビはリルートが遅く道案内にも「は?」と思ってしまうことが多いので注意しておきましょうね。
収納は確かに多いけど『ないな』って思う場所もちらほら…
また、スペイドに備わっている収納。ここも実は気になる部分。
確かに軽自動車と比べて収納スペースは多くなった!と言えるんですが、中途半端な大きさのものが多いんですよね…。
特に個人的に気になるのが、助手席のグローブボックス。

見てみると確かにティッシュボックスも入りそうだし、その上にもモノを置くことができそうですが、車検証ケースなどの重要書類はどこに入れればいいのやら…。
それに買い物フックが助手席に取り付けられていますが、ビニール袋をひっかけると床にペタンと付いてしまいますし。
このようにスペイドの収納スペースって、意外に便利そうで不便に感じることも多いんですよ。
スピーカーの音質はハッキリ言って最低
そして、乗らないと絶対に気づけないポイントとなるのがここ!
スペイドは『F』だとフロントとリア、そして天井の6か所にスピーカーが取り付けられるんですが、オーディオ設定で音の広がりや位置を調整しても意味なし。
特に低音は全然聞こえにくく、同調性しても良い音が出ることはありません。
つまり、スピーカーの位置とかではなく、スピーカーそのものがダメなんです。
そのため、車内で楽しく音楽を聴きながらドライブを楽しむ…というのにははっきり言って向いていないと言い切れちゃうんですよ。
総評。逆に『スペイド』という車種を選ぶ理由って何だろう…?

一方で今あげた部分に不満が残りつつも、あえて『スペイド』を選ぶ理由って何なのか、気になった方も多いはず。
そこで最後になりますが総評として、全グレード共通のスペイドの魅力を紹介していこうと思います。
大口径のスライドドアと不便さを感じさせないエンジンパワー
まずはやっぱりココですよね。

家族メインで考えられた室内。
大口径のスライドドアにすることで、お子さんの乗り降りが目で見えてわかりますし、何よりドアに指を挟むこともないので安心。
それに加えて後部座席は広々としており、助手席を5番目の席として使うことで、『近未来的なタクシー』的なイメージで利用が出来るのが、スペイド最大の魅力とも言えます。
子供や高齢者の乗り降りが非常に楽な低床フロア
また、スペイドは低床フロアとなっているのもポイントの1つ。

地上から300mmと非常に低い乗り込み口とすることで、小さなお子さんや高齢になった両親・祖父母でも躓くことなく乗り降りが可能。
スライドドアの取っ手も工夫されていますが、オプションでアシストグリップを付けることで、さらに乗り降りして乗り降りもできますし。
こういった家族の使い勝手の良さも、スペイドの魅力の1つです。

まとめ
本当に子育て世代に使いやすい車と言えるのはスペイドだと思う。
最後まで読んでみると、このように冒頭でお話した理由がよくわかったのではないでしょうか。
2012年に登場してから8年の歳月を経て、最近ではルミタン(ルーミー・タンクといった兄弟車の略称)の方が良く見かけますし、シエンタといった7人乗りのコンパクトカーを選択している人も増えています。
そのため、正直陰ひなたに咲く花のような存在となっているように感じるスペイドですが、改めてスポットライトを当ててグレードを見てみると、とにかく使い勝手の良さを追求した車種。
だからこそ是非試乗して、その個性的な見た目と快適性を体感してみることをおすすめしますよ。
 
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