上質で快適なスポーツツアラー、S4アバント。洗練された内外装の上質な雰囲気と快適性の高さ、先進装備を多数搭載したことの安心感とワクワク。
そして、パラフルなエンジンとクワトロ、ティプトロニックの三つが織り成す走りの楽しさは、ワゴンボディになっても衰えることはありません。
スポーツ走行向きなアウディS4でありながらも高い快適性を持ち、高級ステーションワゴンとしてのクオリティを高めています。
ステーションワゴンの域を出ている走りに、その域を出ない快適性の両方を実現するという一種の矛盾をはらんだS4アバント、その特徴をこれからじっくりと見ていきましょう。
アウディ S4 アバント グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
3.0TFSI quattro tiptronic | 8,680,000円 |
S4と同じく単一グレードで勝負しています。価格はS4よりも28万円高いです。
この差は、ワゴンボディになったことなどが関係しているのでしょう。
恐らくS4との違いはボディ以外にはほとんど無いと思われますが、ボディタイプが異なれば役割が異なり、語るべき部分も異なります。
価格はS4と比べましたが、アバントはアバントとして何と比べるでなく考えるのが良いでしょう。相対評価より絶対評価を語りたいものですね。
各グレードの特徴や違いを解説
ステーションワゴンは、日本国内で多数走っている人気の車です。
ドイツ車はセダンのイメージがある中、アウディはステーションワゴンをスポーツモデルの中に組み込んだ。
その意外性に期待と不安が渦巻くでしょう。スポーツモデルということで、まずは動力性能について語りたいと思います。
3.0 TFSI quattro tiptronic
S4アバントは3.0LのV6ターボエンジンを搭載しています。その最高出力は260kW/5,400~6,400rpmで、最大トルクは500Nm/1,370~4,500rpmです。
見るから二やる気満々といったエンジンで、データを見ているだけでもテンションが上がります。
何気に、S4とS4アバントまでのモデルではV型エンジンは搭載されていませんでしたから、「アウディでV型か……」という驚きもあるのかもしれません。
V6エンジンの圧倒的パワーにより、低回転走行時のトルクがとても大きい。そのため、出足から既に軽やかな動きをしてくれるんです。
市街地では圧倒的な動作の軽さを活かして、大きなボディをしなやかに操り、自由自在にさまざまな道を走り抜けることができます。
クワトロによるコーナリング性能の高さも影響し、市街地での扱いやすさには驚かされますよ。
また、少しアクセルを踏む力を強めるだけで道路の流れを牽引できるほどのスピードに達するため、市街地で少し速く走ろうと思ったときにも全く疲れを感じません。
ただ、この車の真髄は「ダイナミックモード」で思い切り駆け抜けることにあります。アクセルを思い切り踏み込んだ瞬間、シートに体が縛り付けられるほどの加速Gが体全体を覆う。
同時に窓の景色が一瞬にして流れていき、街路樹も他の車も吹き飛んでしまうほどの衝撃と速度を五感全てで味わうことができます。
駆け抜けているときは、停止した時の中で自分ひとりの世界に浸るような、筆舌に尽くしがたい楽しい時間が流れる。コーナーを曲がる際には「曲がれ」と思った分だけ曲がり、車は自分の意思にしっかり応えてくれます。
四本の足で地面を蹴ることで、チーターなど足の速い動物のように自由自在に走ることができるS4アバントは、他の車に噛み付く勢いで速度を上げるんです。
そしてオーナーであるあなた自身には優しく快適で面白い空間を提供してくれる……S4アバントは、オーナーにとって良き相棒となり得ます。
降りるとき、自然と「お疲れさま、また明日」と声をかけてしまいたくなるでしょう。これまでは退屈な日々を過ごしていたという方でも、この車を手にすれば毎日が華やぐかもしれません。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
S4アバントは相棒に相応しくドライバーの意思を汲んで自由自在に走ってくれる、いつまでも乗っていたい車です。
ステーションワゴンならではな快適空間が運転手だけでなく、その家族をも快適で楽しいツーリングに駆り出してくれます。
特に、ステーションワゴンなら装備は快適なものが多くあって欲しいものですよね。
そこで、今度は下記カタログから装備を抜粋し、S4アバントの特徴を見ていきたいと思います。
http://www.audi.co.jp/dam/nemo/jp/catalogue/a4/my17/my17_a4_di_1704.pdf
全グレード共通標準装備
- LEDヘッドライト
- ヘッドライトウォッシャー
- LEDリヤコンビネーションライト
- Sスポーツバンパー
- エクステアリミラー電動調整&格納機能 自動防眩機能 メモリー機能 ヒーター
- アルミホイール5ツイーンスポークスターデザイン8J×18
- 245/40R18タイヤ
- スポーツシート(フロント)
- アルカンターラ/レザーシート
- シート電動調整機能(フロント)メモリー機能(ドライバーサイド)
- ライティングパッケージ
- ヘッドライニング ブラック
- ダンピングコントロール付きSスポークサスペンション
- アウディプレセンス リヤ
- アウディサイドアシスト
A4アバントやA4アバントall road quattroには搭載されない装備のみを挙げましたが、案外多いですよね。
ライト関係が一通りLEDになったことによりライトの寿命が延びただけでなく、明るさや視認性も高くなっています。
S4アバントがLEDで驚くというより、むしろS4/S4アバント以外がバイキセノンライトというところに驚きますよね。
ワゴンボディの車ということで快適性や安全性に主軸を置いて語りたいのですが、そうなると個人的に気になるのが「シート周り」です。
電動調整機能がフロント左右両方に付いただけでなく、運転席にはメモリー機能まで付いている点が魅力的ですよね。
自分が快適だと感じるシートポジションを記憶しておくことで、乗車した後すぐにシートポジションを再現することが可能。
自動でも逐一シートポジションを自分好みに設定しなおすのは面倒ですが、メモリー機能があれば一瞬で調整して、すぐ走り出すことができるので便利です。
また、安全性を語るなら「アウディプレセンス リヤ」は語らずにいられませんね。
これは、リヤバンパーに備え付けられたレーダーセンサーを使って、後方から接近してくる車や自転車などを監視し、危険性を事前に回避する機能です。
後方からの衝突の危険がある場合に、フロントシートベルトを自動で強く巻き上げ、注意喚起を行います。
運転手への注意喚起は「ディスプレイでの警告」が一般的ですが、視界情報だと気づかないことも多いです。
そこで次は「音」で警告するシステムが多い中、アウディはシートベルトを巻き上げることで体感的に警告するシステムを搭載するというのが面白いですよね。
後ろから声をかけられて気づかないことがあっても、肩を叩かれると気づくことがあるでしょう。気づくと同時にびっくりもすると思います。
体になんらかの衝撃を与えたほうが、人間は気づきやすいし、危機意識も抱きやすいんです。
また、この機能はそれだけではありません。
停車時に後方から車や自転車などが接近するのを感知すると、ドアを開ける際ストリップライトとドアミラーの警告灯が点灯し、注意喚起をしてくれる「エグジットワーニング機能」も搭載しています。
さらに、駐車している状態からバックで出ようとする際、後方の車の情報をMMIディスプレイ二表示してくれる機能もあるんです。
「アウディプレセンス リヤ」という一つの装備に、これだけたくさんの機能が搭載され、安全性が確保されています。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
価格・性能・装備とS4アバントの特徴を見てきて、この車の魅力がなんとなく見えてきたのではないでしょうか。
そこで、今一度その魅力を再確認する意味を込めて、個人的な独断と偏見でS4アバントを評価してみたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
3.0TFSI quattro tiptronic | ☆☆☆☆☆ | 安全で楽しく、疲れないスポーツ走行のできるファミリーカーを探している方へ。 |
3.0 TFSI quattro tiptronicの評価
V型エンジンを搭載したスポーツモデルの車というと、どうしても快適性や「楽に運転できること」が優先されず後回しになりがちです。
ところがS4アバントは快適性や楽であること、そして安全であることを第一と考え、その後にスポーツ性能を追求しているように感じられます。根本にあるのはアウディらしいコンフォートな車。
その点で、他のドイツ車とは一線を画していると言えるでしょう。もちろん、どちらが良いというわけではありません。バリバリなスポーツモデルが好きな方はBMWやベンツを選ぶでしょうし、それもまた車好きの一つの選択と言えます。
ただ、「ファミリーカー」として選ぶならS4アバントは特に優秀です。
それはステーションワゴンという実用向きに作られているボディタイプであることからも言えますし、この車の性能や走行感覚、装備内容からも言えることでしょう。
S4アバントは高級ファミリーカーであり、ドライバーのよき相棒である。疲労することを知らない、走れば走るほど楽しく、走れば走るほど帰りたくなくなる良い車です。
アウディ S4 アバントの総合評価
車は、ただ人を乗せて走るだけではダメ。車は、ただ速く走るだけではダメ。
自動車は本来人間が快適に、そして速く移動するために作られた実用品です。それが自動車が社会に浸透していく中で趣味性を帯びてきて、今では実用車と趣味の車とに分裂している傾向があります。
高級車のユーザー層の中には「普段使いはこの車、週末はこの車」と、車種ごとに役割分担させている方も多いのではないでしょうか。
それも一つの車の楽しみ方だと思いますが、個人的にはその両方が両立できているに越したことは無いと考えています。
S4アバントは分裂しがちな実用と趣味とを一まとめにして、二つの役割を同時に担っているんです。
そういう意味でもS4アバントは「良い車」なのではないでしょうか。
 
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