X6を一言で表すなら、ダンディで実力のあるグッドルッキングガイ。ここで言う実力というのは動力性能と、実用性の両方です。
人も荷物も搭載できてみんなが満足できる車、それがSUVの魅力dであり、需要。だからこそ、X6に必要とされる実力は性能と実用性の二つです。
BMWのプレミアムSUV、Xシリーズの頂点・最高峰に位置するX6の実力は、とても高いですよ。スポーツカーのような性能でありながら、普段遣いでの快適性も失わず、SUVとして圧倒的にクオリティが高いんです。
そんなX6の特徴や魅力を、グレードごとに紹介しましょう。
Xシリーズ X6 グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
X6 xDrive35i | 9,540,000円 |
X6 xDrive35i M Sport | 10,340,000円 |
X6 xDrive50i | 12,530,000円 |
X6 xDrive50i M Sport | 13,530,000円 |
X6は全部でグレードが四つあり、その価格差は約400万円です。特筆すべきところが無いような、BMWとしては普段通りの価格差と言えます。
ただ、グレード数は全部で四つなんですが、大きく分けると「35i」と「50i」の二つです。
「35i M Sport」と「50i」の価格差が「35i」と「35i M Sport」の価格差より大きいことからも読み取れると思いますが、35iと50iとで性能が異なります。
性能が異なるグレードが二種類あり、その中で異なる装備を持つグレードがあるといったところです。
これを大前提にして、順を追ってグレードの特徴を見ていきましょう。
各グレードの特徴や違いを解説
X6で最も気になる部分は、恐らく性能だと思います。近年の自動車市場で全国的に勢いのあるSUVの高給車種であり、そしてBMWの中ではMシリーズを抜くと最高峰のモデルであるX6の走りの実力とは、いったいどのようなものなのか?
X6 xDrive35i
35iは、直列6気筒DOHCガソリンエンジンを搭載しています。その最高出力は225kW/5,800rpm、最大トルクは400Nm/1,200~5,000rpmです。
直6エンジンの耳触りの良い音を鳴らしながら、大きなトルクにグッと後押しされるように加速していく感覚が魅力的。
アクセルを踏んだ瞬間に大きなパワーが生まれるんですが、この感覚がとても気持ちが良い。2.5トン近い巨体を感じさせないほどに力強く、加えてドライバーの意のままに曲がる取り回しの良さとステアリング性能が素晴らしい。
60km/hくらいで走っていると、ステアリングがとても軽いんです。片手で軽く操作できてしまうほどで、だからこそ低速域での取り回しが非常に良く、SUVとしての実用性の高さを感じます。
市街地でゆったり走ると驚くほどに乗り味がマイルドで、楽しいんですよ。普段使いでの快適性が非常に高くて、少し買い物に出たつもりが、遠回りをしてドライブを楽しんでしまいそうになります。
「もっと乗っていたかった」と、降りるときに感じさせられ、「BMWの思う壷だなあ」と苦笑してしまいますよ。
それだけ、運転していると愉快で愉快でしょうがないということです。
アクセルを踏めば踏むほど、底知れないほど大きなトルクが沸いて出てきて、シュンッと俊敏に加速してくれる。
長い直線を走っていると、重いボディを圧倒的なまでのハイパワーで押し上げてくれる独特な爽快感と、どこまでも行けるような期待感に酔いしれてしまいます。
X6 xDrive50i
50iは、最高出力330kW/5,500rpm、最大トルク650Nm/2,000~4,500rpmのV型8気筒DOHCガソリンエンジンを搭載しています。
直6ガソリンエンジンと、V8ガソリンエンジンのみの設定というところに、思い切りスポーティさを追求しているなと感じさせられますよね。X5のようにディーゼルエンジンなども無いため、余計にそのイメージが強くなっています。
エンジン始動と共にドスの効いた重低音がドライバーの冒険心を煽られますが、アクセルを踏むと実に滑らかに動いていく感覚にその冒険心が一旦強制的に沈められる。
そのまま落ち着いた運転を続ける分には疲れしらずで何時間でも走れそうなほど快適。
そして、一度アクセルを踏み込めば、沈められた冒険心が再び目を覚ます!
重心が高いはずなのに何故か重心が低く感じられ、スポーツカーのようにガンガン加速して俊敏に身をかわしていくんです。
アクセルを踏む足に力を入れれば入れるほどに加速していき、みるみるうちに視界から入る情報は運転に必要な情報だけになっていく。
景色が綺麗だとか、そこにコンビニがあるとか、そんなことはお構いなし。
ただ、今はドライブだけに集中したいという気持ちにさせてくれます。
加速していくのと同時に盛り上がっていくエンジンサウンドと、ドライバーの想像通りに加速していく感覚が運転への没入感を高めてくれるんでしょうね。
VR(ヴァーチャル・リアリティ)の世界に入り込んでいるような気さえしてくるんだから、不思議です。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
X6の性能はスポーツ性能に特化したSUVとして申し分なく、SUVに求められる60km/h程度での快適さも非常に良く磨かれていてとてもクオリティが高いです。
こうなると、装備への期待も高まりますよね。今度は装備を基準として、X6の特徴や魅力を見てみましょう。
なお、装備内容はBMWのWEBページやWEBカタログから抜粋しています。
https://www.bmw.co.jp/ja/footer/contact/brochure.html
全グレード共通標準装備
- xDriveステータス・ディスプレイ
- ダイナミック・ダンピング・コントロール
- ドライビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PRO、スポーツ・プラスモード付)
- 前後アクティブ・スタビライザー
- リヤ・エア・サスペンション
- ドライビング・アシスト・プラス
- BMWヘッドアップ・ディスプレイ
- BMWナイト・ビジョン
- HDDナビゲーション・システム
- トップ・ビュー&サイド・ビュー&リヤ・ビューカメラ
- PDC/パーク・ディスタンス・コントロール
- バング&オルフセン ハイエンド・サラウンド・サウンド・システム
- 40:20:40分割可倒式リヤ・シート
- リヤ・エンターテインメント・システム
- マルチ・ディスプレイ・メーター・パネル
ダイナミック・ダンピング・コントロールやパフォーマンス・コントロールなど、走りの快適性や走行性能を高める装備も多く目立ちますが、X6の標準装備はそういったところより、室内空間に目を向けたいところです。
特に、シートの機能性。
分割可倒式シートで、ラゲージルームを延長できるのはSUVにとって重要なことですよね。スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル……スポーツやアウトドアに出かけるための車ですから、アウトドア用品が入らないと意味がありません。
四人乗りをしても十分なラゲージスペースがありますが、三人乗りなら自転車を折りたたまずに載せることもできるようになります。
また、センターアームレストに仕切られたリヤ・シートは一見2シーターのようでありながら、実は3人乗りができるようになっているんです。
デザインはスポーツ性重視で、2人乗りのときには自分だけの特等席に感じるような独立感もあるのに、実は3人乗りもできる。
痺れる設計ですよねえ。
シート周りに収納も多く、実に機能的です。
また、室内を快適にするサウンドシステムも特徴的。16個のスピーカーが奏でる臨場感あふれる音楽は、目の前で生演奏をしているかのよう。
スピーカーの総出力は1,200Wで高出力で、音響を自分好みに設定することのできる機能まで搭載。個性的で楽しい室内空間作りに、一役買っています。
リヤ・エンターテインメント・システムで後部座席に座る子供や友人も楽しめて、X6に乗車する全員がそれぞれの楽しみを満喫できるところが素晴らしいです。
クオリティの高いエンジンと足回りの調整・機能などでスポーツ走行を支え、室内装備でSUVとしての快適性を支えている。全てのバランスが良くまとまっているなあと、感心させられます。
M Sportの装備
- 20インチMライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング469M
- (フロント)10J×20ホイール、275/40R20タイヤ
- (リヤ)11J×20ホイール、315/35R20タイヤ(ランフラット・タイヤ/サマー・タイヤ)
- Mエアロダイナミクス・パッケージ
- エア・ブリーザー(ハイグロス・ブラック仕上げ)
- BMW Individualハイグロス・シャドー・ライン・エクステリア
- デュアル・エキゾースト・テールパイプ(クローム仕上げ)
- Mエクステリアバッジ
- アダプティブMサスペンション
- アクティブ・ステアリング(xDrive50iにも搭載)
- ドア・シル・プレート(Mロゴ付)
- マルチファンクションMスポーツ・レザー・ステアリング・ホイール(シフト・パドル付)
- スポーツ・シート(運転席&助手席)
- ダコタ・レザー・シート(カラー:アイボリー・ホライト、コーラル・レッド、ブラック)
- Mフットレスト
- BMW Individualアンソラジット・ルーフ・ライニング
- M Sport専用リモート・コントロール・キー
ブラックを基調としたシックなインテリアと、スポーティなエクステリアが特徴的ですが、内外装が通常グレードから変更されただけではありません。
アダプティブMサスペンションや、アクティブ・ステアリングなど、走りに関わる部分の変更点もあります。
通常グレードよりもサスペンションが硬くなり、スポーツ走行しやすくなりました。ただ、硬いと言っても日常稼動で不快に感じるレベルではありません。
普段使いをする分には、通常グレードから明らかに足回りが硬くなったなと感じるようなことは特になく、単純に高速走行時の衝撃などが緩和されている程度です。
SUVとして考えると、その程度で十分と言えるでしょう。
サスペンションが変わるからM Sportを避ける必要もなく、単純にデザインが好きかどうかで選んでも問題ありません。
フットレストやダコタ・レザー・シートも付いてくるので、走りの部分を無視した選び方をしても、お得感があるのではないでしょうか。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
性能の高いエンジンとサスペンション、そしてスポーツやコンフォートと調整可能な走行感覚に支えられたスポーツ性能。
質とデザイン性の高い室内装備に支えられた快適性。それら二つが合わさり、X6はM以外のBMWプレミアムSUVの最高峰として恥じない出来と言えるでしょう。
そんなX6の各グレードを個人的に評価しながら、どんな人にオススメなのかについて語りたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
X6 xDrive35i | ☆☆☆☆☆ | 高性能で快適性の高いプレミアムSUVが欲しい方へ。 |
X6 xDrive50i | ☆☆☆☆ | 走行性能をとことん追求したプレミアムSUVが欲しい方へ。 |
X6 xDrive35iの評価
X6で最もオススメなのが35iです。通常グレードなら本体価格が1000万円を下回るというのもオススメポイントですが、全てのバランスがとてもちょうど良くまとまっているところが一番のポイントとなっています。
50iのV8エンジンは素晴らしいんですが、その分やはり価格が高くなるのと、独特なエンジンサウンドや演出が苦手という方もいるのも事実です。
SUVを探しているスピードマニアには問答無用で50iをオススメしますが、それ以外の方には断固として35iを推します。
直6エンジンの音は小気味良く主張しすぎないところが、非常にちょうど良い。普段使いの取り回しの良さと圧倒的なパワーが押し上げてくれるような独特な走行感覚が楽しく、アクセルを踏み込んだ瞬間に鋭い加速が得られるのも面白いです。
突出しているんですが、V8のように突出しすぎない。
ちょうど良さの中に面白さがあり、SUVとしての快適性と価値があります。
X6 xDrive50iの評価
X5にも同様のエンジンを搭載したグレードがありますが、X6の50iはX5のそれよりも存在意義が大きいと感じます。
X5からディーゼルエンジンやPHVを取り去り、35iと50iの二つに動力性能を絞ったからこそ、50iが活きてくるんです。X6はスポーツ性を追求した車なんだ、そういう車なんだという説得力が50iの存在によって生まれています。
SUVのメインは実用性の高さであり、追加要素としてスポーツ性能が存在する。
X6はスポーツ性能をメインにしながらも、実用性の高さを同じくメイン級に追求しているからこそ50iがより重みと説得力を持って活き活きと輝きだすんです。
SUVの中ではトップクラスで攻めた性能をしていますが、それを支える快適性がX6にはあります。
だからこそ、35iほどではないにしても、50iもしっかりオススメできるグレードになっているんです。
Xシリーズ X6の総合評価
X6は走りと快適性の二点に重点を置いて余計な要素を排除し、重要視する二つの要素のクオリティを同時に高め、同居させています。不純物を取り除いて、純粋なプレミアムSUVを追求した結果、X6が出来上がったんでしょうね。
実用性が高いだけではSUVではなく、スポーツ性能が高いだけでもSUVでは無い。それら二つが一体となって同程度のクオリティでバランスを保っているからこそのSUVであり、それらをハイグレードにしてこそプレミアムなのです。
X6は、BMWの「SUVとはこうあるべき」が詰まった車と言えるのではないでしょうか。
 
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