BMWが送り出すミドルサイズSUVの中で、特に人気があるのがこのX3です。
大きなボディでありながらスタイリッシュさを感じさせるエクステリアデザインに、広々とした室内の快適性の高さ、そして駆け抜ける喜び……。男らしいワイルドな車として、多くの人に受け入れられています。
BMWの中で一番人気の3シリーズがベースとなっているので、その完成度の高さと人気の高さも頷けますよね。3シリーズのBMWらしい走りを受け継ぎながら、SUVを体感できるというのがX3の良いところです。
そんなX3の特徴や魅力を、各グレードごとに紹介しましょう。
Xシリーズ X3 グレード表
グレード名 | 価格 |
---|---|
X3 xDrive20i | 6,240,000円 |
X3 xDrive20i xLine | 6,520,000円 |
X3 xDrive20d | 6,530,000円 |
X3 xDrive20i M Sport | 6,730,000円 |
X3 xDrive20d xLine | 6,760,000円 |
X3 xDrive28i | 6,900,000円 |
X3 xDrive 20d M Sport | 6,970,000円 |
X3 xDrive28i xline | 7,130,000円 |
X3 xDrive28i M Sport | 7,340,000円 |
X3 xDrive35i | 7,880,000円 |
X3 xDrive35i xline | 8,080,000円 |
X3 xDrive35i M Sport | 8,280,000円 |
X3には十二個のグレードがあり、その最低価格と最高価格の差は約200万円です。
グレードが十二個と多いことを考えれば、小さめの価格差と言えるでしょう。BMWの通常シリーズの価格差が大きすぎるだけかもしれませんが、BMWの中では圧倒的に小さいです。
BMWは各グレードで装備内容に大きな変化を持たせない傾向がありますし、価格差が小さいことからも考えると各グレードの性能以外の違いは小さいのかもしれませんね。
「xline」「M Sport」というのがありますが、こういった特徴の追加くらいしか違いが無いのでしょう。
各グレードの特徴や違いを解説
X3の十二個のグレードは、エンジンの特徴ごとに「20i」「20d」「28i」「35i」の四つに大別できます。
装備内容や「xline」「M Sport」の特徴を見る前に、まずはそれぞれの動力性能にどのような特徴があるのかについて見ていきましょう。
X3 xDrive 20i/xLine/ M Sport
20iのエンジンは1,997cc直列4気筒DOHCガソリンエンジンで、その最高出力は135kW/5,000rpm、最大トルクは270Nm/1,250~4,500rpmです。
4気筒ターボということで加速に不安を感じる人も多いでしょうが、加速がトロイということは少なくともありません。
トロイと感じるどころか、とてもスムーズです。発進時から発生する太いトルクに引っ張られるようにして、車は確実に加速していきます。
瞬間的に速度が上がるというわけにはいきませんが、グーーッと引き付けられるように速度が伸びていく感覚は面白いですよ。
爆発力よりも、安定感です。
4気筒でもエンジン音は気持ちが良いし、低回転域での快適性は抜群だし、国内では何も困らないほど加速もできる。特にエンジン音はBMWのこだわりを強く感じます。
4気筒のものとは思えないほど上質で、思わずうっとりしてしまうほどです。
SUVに求められる気持ちの良い走りができる、良い4気筒。
X3 xDrive 20d/xLine/ M Sport
20iと同じ4気筒エンジンを搭載していますが、20dはディーゼルエンジンです。20iとの違いはガソリン車かディーゼル車かというところだけですね。その違いによって、性能も変わってきています。
20dの最高出力は135kW/4,000rpm、最大トルクは380Nm/1,750~2,750rpmです。
20iよりも加速がキビキビしているという印象を受けます。ディーゼル特有の圧倒的なパワーが、車を後ろから押し上げてくれる感覚です。
押し上げられるままに回転数も上がり、速度も上がる。20iと同じ最高出力ですが、20iより低い回転数で発揮されるため、加速が圧倒的に楽になりました。
胸のすくような加速感覚を感じられることと、ディーゼル故の燃費の良さが魅力です。
ディーゼル特有のカラカラ音は感じられませんが、エンジン音すら感じられなくなっています。静かな車が好きな人には良いでしょうね。エンジン音が聞こえるほうが良いなら、ディーゼル車は候補から外れるでしょう。
X3 xDrive 28i/xLine/ M Sport
28iは20iよりも性能が向上した、直列4気筒DOHCガソリン車です。その最高出力は180kW/5,000rpmで、最大トルクは350Nm/1,250~4,800rpmにまで向上しています。
20dは胸のすくような気持ちよさを感じましたが、20iは「必要十分な範囲内での気持ちよさ」といった程度でした。
28iは性能が向上したことにより、ディーゼル車同様かそれ以上の加速の気持ちよさを味わうことができます。市街地や高速道路はもちろん、峠道でも活躍が期待できるでしょう。
20iから既にSUVらしい力強い走りができましたが、ここまでくるとSUVらしさがより追求されてきた感じがします。
20dと比べられることが多いですが、明らかな28iの利点として「アクセルを踏んだ瞬間にリニア中即感覚が得られる」ということを挙げたいですね。
もちろん高回転域での加速の鋭さや面白さは断然28iのほうが良いんですが、それよりも実用域での加速の自然さというか力強さのほうを推したいです。
そういった加速の自然さを普段は堪能しながら、たまには高回転まで引っ張ってワイルドに走りたいときには思い切り加速することができる。
アクセルを思い切り踏み込めば高回転まで引っ張れるし、エンジンの鼓動を20dよりも強く感じることができるんです。
そういう意味で、28iはSUVらしい楽しみ方ができると言えるでしょう。
X3 xDrive 35i/xLine/ M Sport
35iは、2,979cc直列6気筒DOHCガソリンエンジンを搭載したグレードです。X3唯一の6期筒エンジンの性能は、最高出力225kW/5,800rpm、最大トルク400Nm/1,200~5,000rpmとなっています。
このエンジンが少しじゃじゃ馬感があって、楽しいんですよ。洗練されたような安定感はあまり感じられないものの、その分ガンガン走らせていて楽しい。
X3全体が重いハンドリング設定になっている点や、若干振動のある乗り心地も相まって「加速している感覚」「車を運転している感覚」を強く感じます。
その割にはボディの大きさを感じさせないほどに加速がスムーズで、運転していて疲れません。ちょっとした用事で出かけたのに、思わず遠出をしてしまうほどの楽しさと快適さがあります。
立ち上がりも良いし、軽く踏んでも80km/hオーバーするし、本当に面白いですよ。
洗練された感覚よりもワイルドな運転感覚のほうが良いという、SUV好きの方々に受けそうな車と言えるでしょうね。
装備を基準に各グレードの特徴を見てみる
各グレードの性能を見てきましたが、どれもSUVらしいパワフルなエンジンですよね。その中で燃費を重視したいのか、ワイルドさを重視したいのか、その中間を取りたいのかによって選ぶべきグレードは変わってくるでしょう。
そして、グレード選びに欠かせないもうひとつの要素が、装備内容ですよね。今度は装備を基準にして、各グレードの特徴を見ていきましょう。
なお、装備内容はBMWのWEBページやWEBカタログから抜粋しています。
https://www.bmw.co.jp/ja/footer/contact/brochure.html
全グレード共通標準装備
- フロント・ドア・ポケット
- リヤ・ドア・ポケット
- センター・コンソール(カップホルダー2個、スライド式カバー付)
- 40:20:40分割可倒式リヤ・シート
- ラゲージ・エア・ネット
- リバーシブル・ラゲージ・フロア
- パーセル・レール
- コンフォート・アクセス(スマート・オープン/クローズ機能付)
- ダイナミック・ダンピング・コントロール
- BMW xDrive(4輪駆動システム)
- パフォーマンス・コントロール
- エンジン・オート・スタート/ストップ機能
- 電動パワー・ステアリング
- ブレーキ・エネルギー回生システム
- ECO PROモード
- コースティング機能
- ACC/アクティブ・クルーズ・コントロール
- ECO PROルート
- ドライビング・アシスト
- HDDナビゲーションシステム
- iDrive
気になる装備が色々あると思いますが、まずはインテリアから見ていきましょう。最初に収納関係をいくつか書きましたが、X3は本当に収納が多彩で利便性が高いです。
フロントのドアポケットは1.5Lのペットボトルを入れられるほどの余裕があり、リヤのドアポケットには1Lのペットボトルを入れられる余裕があります。
カップホルダーにスライド式カバーがあるのもありがたいですよね。
その他、アームレストの下にボックスがあったり、リヤのオープン・コンパーメントを収納として使えるなど機能性は抜群です。
また、機能性で言うならばリヤシートとラゲージルームの活用の幅が広い点も好印象ですよねえ。
インテリアだけでなく、走りを支える機能やシステムも充実しています。DSCと連携してステアリングの切れ角やホイール回転速度などのデータを検知して危険を察知し、必要に応じて最適な駆動力配分を行うxDriveが、その例です。
xDriveと連携をしてエンジンとブレーキを制御するシステムもあったり、走行モードを選ぶことができたりと効率良く車を走らせることに余念がありませんよね。
それだけでなく、ドライバーアシストや燃費を良くするための機能が豊富なところも憎いです。
特に燃費関係は特徴的。ECO PROモードという燃費重視の走行モードがあるのはもちろん、そのモード選択時に燃費効率の良いルートを表示してくれる「ECO PROルート」という機能があります。
また、ECO PROモードで50~160km/hの間で走行している際、アクセルペダルから足を離してブレーキを踏まずにいると起動するコースティング機能も面白いですよ。
これによって、エンジンがミッションから切り離されて、アイドリング状態で惰性走行をしてくれるようになります。
信号が赤に変わるのを予測して早めに足を離して惰性走行をすることで燃費を抑えたりと、使いどころを考えるのも楽しいかもしれませんね。
こうして装備内容を見ていると、BMWらしさと同時にSUVらしさを感じます。SUVなら当然こういう装備があるだろう、こういう装備があれば嬉しいと思うようなものが大抵は用意されていると言えるのではないでしょうか。
M Sportの装備
- ドア・シル・プレート(Mロゴ付)
- スポーツ・シート(運転席&助手席)
- ネバダ・レザー・シート
- ブラッシュド・アルミ・インテリアトリム
- BMW Individualアンソラジット・ルーフ・ライニング
- マルチファンクションMスポーツ・レザー・ステアリング・ホイール(シフト・パドル付)
- ステンレス・スチール製ラゲージ・ルーム・シル・プレート
- M Sport専用リモート・コントロール・キー
- Mエアロダイナミクス・パッケージ
- BMW Individualハイグロス・シャドー・ライン・エクステリア
- BMW Individualハイグロス・シャドー・ライン・ルーフレール
- Mエクステリアバッジ
- スポーツ・サスペンション
- パフォーマンス・コントロール
ブラックを基調とした高級感ある内装と、スポーティな印象をより強く演出したエクステリアが特徴です。
伝統的なMスポーツらしいスタイリッシュなデザインを踏まえながらも、SUVらしいワイルドさが盛り込まれていて、とてもカッコイイですよね。
スポーツサスペンションが標準搭載されて、足回りがより硬くなるのも良いところです。多目的スポーツカーというSUVらしい走り心地のバランスを、若干スポーツ走行寄りにすることができます。
通常グレードは若干やわらかいですから、ガンガンスポーツ走行がしたいならM Sportが良いわけです。
xlineとは
- xLine専用ドア・シル・プレート
- ネバダ・レザー・シート
- ハイグロス・ダーク・コッパー・インテリア・トリム
- ステンレス・スチール製ラゲージ・ルーム・シル・プレート
- クローム・アクセント付リモート・コントロールキー
- マット・アルミニウム仕上げキドニー・グリル・バー
- xLine専用フロント・エプロン、リヤ・スカート、サイド・スカートのインサート(マットアルミニウム仕上げ)
- サテン・アルミニウム・エクステリア(サイド・フレーム・モールディング)
- ハイグロス・ブラック仕上げB/Cピラー
- エキゾースト・テールパイプ(マット・クローム仕上げ)
M Sportが磨き上げられたようなツヤと輝きのあるスタイリッシュな車だとすれば、xlineはオフ車のようなワイルドな車だと言えるでしょう。
マット・クローム仕上げという一種のツヤ消し加工がされていて、若干ダークで大人びた雰囲気と共にSUVらしさが感じられます。
基本、通常グレードやM Sportとの違いはエクステリアとインテリアだけです。
各グレードの評価 こんな方にオススメ!
価格・性能・装備とX3シリーズの特徴をグレードごとに見てきました。通常版、M Sport、xLineと三タイプから装備を選ぶことができるのが良いですよね。
ほとんどが内外装の違いですが、M Sportはしっかり足回りにも調整がされていて、好印象です。
性能で選び、内外装で選ぶ。これだけ色々特徴があると、選ぶのも一苦労でしょう。そこで、個人的にどんな人にどのグレードをオススメしたいのかについて、独断と偏見で語りたいと思います。
グレード名 | 評価 | こんな人にオススメ |
---|---|---|
X3 xDrive20i | ☆☆☆ | 日々の通勤や買い物を楽しく彩りたい方へ |
X3 xDrive20d | ☆☆☆☆☆ | 胸のすくような加速を楽しみつつ、燃費を抑えたい方へ。 |
X3 xDrive28i | ☆☆☆☆ | 状況に応じた走りを楽しみたい方へ |
X3 xDrive35i | ☆☆☆ | 比較的性能の高い高級SUVが欲しい方へ |
X3 xDrive 20i/xLine/ M Sportの評価
ガンガン攻めてスポーティな走りを楽しむというよりも、毎日の通勤や買い物などの日常生活を楽しく彩るための相棒として選ぶのなら、20iをオススメします。
スポーティな走りをガンガンに楽しみたいのなら、20d以上のスペックが必要です。
SUVは「スポーツ・ユーティリティー・ヴィークル」ですが、その実は多目的車ですからね。基本は普段使いを楽しくするためのもので、時には加速を楽しむ程度の用途が一番合います。
その枠の中でどれくらいの性能が必要かを、自分なりに考えてみましょう。
X3 xDrive 20d/xLine/ M Sportの評価
普段使いを楽しくして、時には加速を思い切り楽しんでみたいという方には20dがオススメです。
週末に郊外に出てガンガン加速して走らせてみたり、家族連れで出かける際の高速道路の移動で加速感を楽しんでみたり、楽しみの幅は20iよりも広がります。
それでいて、ガソリン車と比べて燃費が良いのでオススメです。
また、燃費効率を高めるための機能が多数搭載されていることも、ディーゼルをオススメする理由のひとつとなっています。
ECO PROモード関係の豊富な機能を見ていると、BMWは20dを選ばせたいのではないかと思えてならないんですよねえ。
X3 xDrive 28i/xLine/ M Sportの評価
最も「多目的利用」という言葉にぴったりなのが、28iではないでしょうか。これくらいの性能があれば、市街地での普段使い・郊外での加速・高速道路の追い越し車線での加速……いずれの用途でも思い切りドライブを楽しむことができます。
状況や気分に応じて走行モードを変えながら、ゆったり走ったりガンガン攻めてみたりドライブの楽しみをシームレスに変えられるのが、良いところです。飽きがこなくて、ずっと乗っていたいという気持ちにさせてくれます。
X3 xDrive 35i/xLine/ M Sportの評価
6気筒エンジンになってさらに高性能になり、高性能さを求める方にオススメできるグレードとなりました。
スポーツセダンやクーペでなくて、あくまでもSUVとして考えるのであれば、とてもハイパフォーマンスです。重厚な走りを楽しむこともできますし、キビキビとした圧倒的な加速性能を楽しむこともできて面白い車と言えるでしょう。
Xシリーズ X3の総合評価
人気な3シリーズを踏襲したSUVなだけあって、とてもクオリティが高いですよね。多目的利用を前提としたSUVらしく快適で広々とした室内空間と、ワゴンのようなシートアレンジやラゲージの活用ができるところがとても魅力的です。
大きなボディを4輪駆動で動かしていて、高性能という燃料消費が激しくなる要素が満載なんですが、動力性能を高めながらも燃費をどうにかして抑えようという気遣いが見える点がとても好印象。
今や日本国内の車市場は、高級車・大衆車関係なく「燃費を抑えたい」という共通の需要が大きなウェイトを占めていますからね。
室内快適性と機能性が高く、燃費も良い。
それでいて、3シリーズらしい走りの楽しさもしっかりと感じられて、SUVとしての面白さがギュッと凝縮されている……。
X3は、BMWの中でも現代日本の車需要に、とてもマッチした車だと言えるのではないでしょうか。日本人的には、とても選びやすいですよね。
 
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